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守護神が脅威となる時

六芒星は、文字通り六角星を象っており、その角々には、寺社や美術館、史跡が祀られている。中心に、古城があり、観光地となっている為、昼夜問わず観光客が訪れ、古の城に想いを馳せるのだった。戦国時代に武将が街を敵軍から守る為に敷いた陣と表向きは、言われているが、真実は、異なっている様だった。六芒星の中心の古城に眠るのは、猛々しい武将ではなく、一介の姫でしかなかった。陣は、敵陣からだけではなく、妖や鬼から守る陣でもあった。ただ、何があったのか、陣は、歪み、以前の様に機能しなくなっていた。それだけではなく、妖や鬼達が、現れ、理由もなく、人を襲う事件が、続いていた。

「全く、何で、こんな所に陸鳳は、きているんだよ」

陸羽は、姿を消した陸鳳が、心配で、この街を訪れ、廃屋に住み続けていたが、次から次へと、現れる陣の使い魔達に辟易していた。誘われるように、桂華まで、この街の大学に通っている。

「魔が魔を呼ぶのかもな」

陸羽は、元の姿のまま、六芒星の中を走り抜けた。各寺社を巡り、陸羽の鼻は、妖鬼を嗅ぎ分ける。

「だからと言って・・」

山神が、他の地で、起きている事に介入する事はない。ただ、この地に移住している桂華が、心配なだけだ。兄の陸鳳までもが、この陣の中で、生活している。

「異常が起きて、陣が歪んでしまった時期と陸鳳が、雪山に消えた日が一致するのか?」

偶然かも知れないが、古城からの鬼門の位置に、山神の領地、九海山がある。標高の高い九海山は、夏でも、雪が残り、女人禁制の霊峰がある。霊峰には、山神と棲み分ける事で、互いの衝突を避けている霊獣が何年と言う永い年月を雪の下で、眠っている。

「陸鳳・・・くそ!何を考えているんだ」

自分には、何も話さない。兄。自分で、何でも、背負い込み、一時は、絵画の中に閉じ込められもした。

「兄弟で、助け合うように」

先代の遺言も、陸鳳には、届いてないようだ。また、彼一人で、背負い込むようだ。気になるのは、首から胸に掛けての多くの傷跡。自分が、聞いても、話さないなら、看護師の兎を捕まえて、聞くまでだ。

「覚悟しろよ」

陸羽は、看護師の兎を拉致するべく、再び、医院のある街へと山を駆け降りていった。

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