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謎の従者と嘘の記憶

「あ!」


誰もが、そう思った。


突然だった。


地表に、降り注ぐ火球が、突然、方向を変えて飛んできた。


まるで。


狙ったかの様に。


「!」


陸鳳の背中の毛が逆立っていた。


チリチリとしていた。


火球が、降り注ぐ地表。


どこか、遠くへと降り注いでいた。


はずだった。


意思をもつかのように、


真っ直ぐ、向かってきた。


思うまもなく。


そこに居た全員が、大事な人を守ろうと動いた。


瞬間。


真っ赤な炎が迫ってきた。


「嘘だ!」


リファルも、また、迫る火球から、逃げようとしていた。


手をかざし、


そう。


冥府の皇子と言われたのだ。


従者を従え。


冥婚状を送り、


霊力の強い女性を探していた。


何の為に?


いや


冥府の為。


冥府とは?


視界一杯に広がる光。


火球が広がる。


術が。


効かない?


あの異空間から、逃げ出したのに。


「なんで?」


そう思った時。


エルタカーゼが、立ち塞がっていた。


冥府の番人であり、従者。


信頼できる配下。


「エルタカーゼ・・・」


助けてくれた彼女に礼を言おうとした。


その時。


「リファル・・・」


唇が、そう呟いた。


その瞬間、


彼女は、口元を緩めた。


「え?」


誰もが、降り注ぐ火球から逃げるのに、必死だった。


庇ってくれたエルタカーゼは、従順では、なかった。


「いつまでたっても・・・変わらないですね」


そう言いながら、簡単に、降り注ぐ火球を横へと、払っていく。


「変わらないって・・」


自分を見下すような、エルタカーゼの態度に、リファルは、面食らった。


「どうして?」


「どうしてって・・」


次から次へと、売り注ぐ火球を避けるエルタカーゼ。


「わかりきった事でしょ」


「わかりきった?」


リファルは、エルタカーゼの行動が理解できなかった。


「時間がないのに、いつまで、この古城にこだわっているの?」


「拘るって?何の話だ?」


「そろそろ、目を覚ましたら?リファル。咲夜姫を連れ帰るのよ」


「連れ帰るって?」


記憶の隅に、咲夜姫の姿が浮かびあげる。


その記憶は、間違いじゃなかった。


「そうよ・・・私達は、冥府の妖でも、何でもない」


「どういう事だよ」


「まさか・・・本当に、自分を皇子と思い込んでいた?」


「え・・・?」


自分は、冥府の皇子で、エルタカーゼは、従者。


冥婚状で、相手を探して・・・。


一体、どこから来て。


「どこからの記憶でしょうか?」


リファルは、自分の記憶に自信がなくなっていた。

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