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異世界転生は神様として!?  作者: あるとせるく
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初めての町、ルーリへ到着!

訳も分からずいきなり戦闘になったミノル。

しかし心配とは反対に恐ろしい身体能力で魔獣を掃討する。

無事に魔獣を倒したミノル一行は改めて町を目指す事にした。

「着きました! ここがルーリです!」


クローシェちゃんが手を広げた後ろにはルーリへの入り口があった。

入り口は門番らしき男が2人居て、町に入る人たちに質問をしているようだった。


「お前たち、どこから来た?」


町に入る列に並んで早々、前に居た商人風の男に話しかけられる。


「ああ・・・ええっと・・・・・・遠くからです。」

「はあ?」


しどろもどろに答える俺にいぶかしげな表情になる男。

それはそうだろう、俺だって怪しいと思う。

でも、ここで日本の東京から来ました! なんて言って通じる訳がない。


「遠くって事は・・・スフィーアあたりか?」


なんか、良い感じに勘違いしてくれたらしい。


「あ、はい! そんな感じです。」

「あそこら辺は最近魔物に襲われたって言うからな。 悪い、変な事を聞いた。」


そういって男は頭を下げた。


「いえ、大丈夫です。 気にしないでください。」


俺は頭を下げた男に対して笑顔で答えた。

嘘をついてしまった事で罪悪感を感じでしまったのだ。


「そうか。 そうは言ってもな・・・辛かっただろう。」


男は何か思案気な表情を浮かべる。


「そうだ! 何か俺に力になれる事があったら何でも言ってくれ。 俺はこう見えてもサザール商会の商人でな。 顔も広いんだ、大抵の事なら何とかできるぜ!」


男はドンと胸を叩いてみせた。


「あ、はい・・・その時はよろしくお願いします。」

「おうよ! 俺の名前はデューク。 商売で各地を巡ってるんだ、よろしくな!」


デュークはニカっと笑って手を差し出す。


「あ、はい。 俺はミノルって言います。 よろしくお願いします。」


戸惑いながらもデュークの手を握り返す。

デュークも満面の笑みで握り返してきた・・・痛い。


「じゃあ、これを渡しておく。」


そういってデュークが出したのは一枚の丸められた紙だった。


「なにか欲しい時はこの紙を持って町の商会に来てくれ。 その紙さえあれば商会に入れる筈だ。」


受けとった紙は入館証のような物らしい。


「俺はしばらくこの町にいるつもりだから遠慮なく来てくれ。 もちろん、格安で引き受けるから安心してくれ!」


デュークはそういうと門番に呼ばれたらしく先に行ってしまった。


「面白い男じゃの。」


イナが愉快気に話す。


「はい、とても親切な方ですね。」


クローシェちゃんも頷く。

・・・食い違って聞こえるのは気のせいだろうか。


「まあ、とにかく何かあったら頼らせてもらおう。」


3人でそんな事を言っていると俺たちの順番になったようで門番に呼ばれた。


「この町には何しに来た?」


若い方の門番が質問してくる。

俺は予め決めておいた回答をする事にした。


「はい、観光になります。 5日程滞在予定です。」

「種族は?」

「人間です。」

「連れはその子一人だけか?」

「はい、そうです。」


俺が受け答えをしている様子をもう一人が観察している。

おそらく怪しいところが無いか確認しているのだろう。


「よし、行っていいぞ。 滞在中はこの札を持つように。 また、滞在期間の延長は町の中央にある手続き所で行うように。」


そう言って、男は木札を渡してきた。

木札自体は小さく、紐が掛けられている事から首から下げられるようにもなっている。


「では行くぞ!」

手続きが終わった俺たちはイナの号令と共にルーリの町に入っていった。




ルーリの町は外から見たよりも大きな町らしい。

中に入ってみると中央通りなるものが遠くまで続いており、たくさんの人が行き交っている。

中央通りには服飾の店や飲食の店、酒場に出店と様々なものがあり興味をそそられる。

また、どうやらこの中央通りの他に似たような通りが2つあり、噴水やら野外ステージやらがあるようだ。

「これは一日じゃ回り切れないな。」


異世界最初の町で俺はウキウキしていた。

それはイナも同じようだった。


「楽しみじゃのう!」


その感想に俺は疑問を感じて素直に質問をしてみた。


「お前はこの世界の創造主じゃないのか? 町がそんなに楽しみなのか?」


するとイナは少し拗ねたような声で答えた。


「そうじゃ、ワシは創造主じゃ。 じゃからこそ、こういった人間界に下りる事は叶わなかったのじゃ。 ワシが気軽に下りようものなら精霊などが寄ってきて大変な事になるやもしれんからのう。」


言われてみれば確かに。


「しかも、ここ最近は顕現する力も残っておらなんだ。 こうして町を人間視点で見れることなぞ夢のまた夢じゃったのじゃ。」

「そうか、悪かった。 不躾な質問だった。」

「お主が気にするでない! お主はこうしてワシに協力してくれた。 そのお陰でワシは消えずに済んだし、こうして町を見る事も出来たのじゃ! 感謝しておるぞい!」


イナはそういってカッカッカと笑った。

俺はこの神様に何かしてやりたいと思った。

今の俺に何かが出来なくても、今後力を付けてどうにか出来たならその時は・・・。


「分かった。 じゃあまずはこの町を見て回ろう! 俺の異世界での初めての町だからな、イナも一緒に楽しもうぜ!」

「うむ!」

「あのう、私も忘れないで下さいね~。」


こうして俺たち三人はルーリ観光の予定を立て始めるのだった。


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