表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生は神様として!?  作者: あるとせるく
19/23

初めての冒険と誤爆

異世界にきていよいよ冒険に旅立ったミノル一行。

冒険初日は特に何もないまま夜となり野宿する事に。

各自野宿の用意をして準備を進めていくが・・・

「さて、まずは南の大陸へ進むことにしようかの!」


町を旅立っての第一声はイナの唐突な宣言だった。


「ん?なんで南なんだ?」

「ふむ、それはのう・・・?」


当然の質問をしたミノルに怪しげな笑みを浮かべてイナが答える。


「それは・・・暖かいところが好きじゃからじゃっ!!」

「はあっ!?」


そんなイナの間の抜けた回答に思わず声を出してしまうミノル。

しかし、そんなミノルを笑いながらイナは話を続ける。


「ははは! 冗談じゃよ。ちゃんと南に進むのには理由がある。」


その回答にクローシェもくすくすと笑っている。

どうやら南に進むのにはちゃんとした理由があるようだ。


「南の大陸にある”絶遠の丘”。 そこにはワシの力の一部が眠っておるんじゃ。」

「力の一部が・・・眠ってる?」

「そうじゃ。 以前、ワシは体を保てなくなったと話したじゃろ? その際、ワシの権能の一部をその地に封印したのじゃ。 そこはワシの旧友が守護している場所での。 そこなら安心じゃと思ったのじゃ。」

「なるほど。 その旧友ってトライアさんみたいな精霊?」

「いや、精霊とは違うの。 あやつは天使じゃ。 一応、大天使と呼ばれる内の一人じゃな。」


・・・大天使。

まあ、神様がいるんだから天使だっているだろうけど・・・。

と、妙に納得しているミノルとは対照的に、クローシェは嬉しそうに目を輝かせていた。


「私、大天使様と直接お会いするのは初めてです! ちょっと緊張してしまいますけど、楽しみです!」


そんなクローシェにイナは「緊張するとしたらヤツの方じゃろ」と苦笑している。

確かに、いかな大天使といえど魔王が会いに来ると知ったら緊張の一つもするだろう。

そう考えると俺はあり得ない人物達とパーティーを組んでいるんだと改めて実感した。


「まあ、そんな訳で、旅をして情報を集めつつ南の大陸に向かうという事で良いかの?」


イナの問いにミノル達は満場一致で合意した。


「それではまずはこのまま西へ進み、ヴェルプス山脈を目指しましょう。 そこから南へ下れます。」


クローシェは出発する前に町で調達した地図を見て行程を組んでくれている。

ヴェルプス山脈とは4つの大陸を隔てている巨大な山脈で、その地の底には古のドラゴンが住んでいると噂されている。

まずは隣町のグリーベルを目指して出発することになった。

グリーベルは工業の町で、町の近くには鉱山がたくさんあり、4大陸の中でも一番の生産量を誇るそうだ。

そしてその町で取られた鉄鉱石はとても重宝され、4大陸のあらゆる加工場へ届けられ武具はもちろん、生活雑貨にも利用されているそうだ。


「クローシェちゃん、グリーベルにはどれくらいで着きそう?」

「う~ん・・・おそらく、明日のお昼頃には着くかと。 今日はどこかで野宿が必要になるかと思います。」

「・・・そっか。」


ミノルは初日から野宿する事になり、少し不安になった。

もし万が一、昨日の魔獣のようなものが現れたらと思うと怖かったのだ。

そしてそんな事を考えているとイナの楽しそうな笑い声が聞こえてきた。


「かっかっか! そんな心配は無用じゃよ。 ワシは眠らんので見張り役は任せるのじゃ。 それに・・・」

「それに?」

「仮にもお主は神なのじゃ。 魔獣達如きじゃお主はどうにもできまいて。」


そう言うとイナは「かっかっか!」とまた笑う。

イナが見張り役をしてくれると言うのであれば安心できるのだが・・・


「なあ、イナ。 さっき、眠らないって言ってたけど・・・いつも一人起きてたの?」

「うん?まあ、そうじゃな。 ワシは精神体じゃからの、睡眠は不要なのじゃ。 安心せい、お主らの寝顔は実に面白いからの、退屈せんのじゃ!」


イナは軽く答えていたがミノルは少し複雑だった。

そんな時、目の前につむじ風が起き、トライアさんが現れた。


「それに、今後は私が居ります。 私も精霊ですので睡眠は不要ですし、魔力はミノル様から提供されているのでいつでも満タン状態です。 今宵からイナ様のお話し相手は私にお任せください。」


そうトライアさんはミノルに笑顔を向けると安心してくださいと付け加えた。

それなら安心だと答えるとイナがワシを子供扱いするなと騒ぎ始めた。

それに対してトライアさんが頭を撫でて宥めたものだから、子供扱いするなと余計に騒ぎ出す。

なんとも賑やかな、そして楽しい旅になりそうでミノルは安心したのだった。


そして歩き始めること数時間。

すっかり日は落ちて夜になっていた。

ミノル達は適当な広場を見つけて野宿の準備をしていた。


まず、ミノルは焚火用の薪を集め、クローシェが周りに探知結界を設置。

トライアさんが土と植物で即席の居住スペースを作り、イナは・・・子供のようにはしゃいでいた。

とりあえずのキャンプ準備が出来たところでトライアさんと食料調達に向かった。

流石はトライアさんでキノコや山菜、果物など色々教えてくれ、思っていた以上に食料を確保する事ができた。


「これだけあれば十分ですね。戻りましょうか、トライアさん」


そうですね、と頷いたトライアとミノルは来た道を戻っていく。

そして二人で歩いているとトライアがイナの事について話しかけてきた。


「ふふっ」


そうして二人で歩いてしばらくした時、トライアが突然笑い出した。


「どうしたの?」


少し驚いたミノルの問いにトライアは楽しそうに答えた。


「いえ、少し前までこうして冒険に出かけるとは思わなかったものですから。 ミノル様には感謝しております。」

「いや、トライアさんが居てくれて本当に心強いです。 こちらこそ感謝してます。」

「ふふっ。 控え目な人なのですね、ミノル様は。 」


トライアはコロコロと笑っている。

そんな話をしていると遠くからクローシェの笑い声が聞こえてきた。

クローシェも楽しそうでミノルは嬉しくなった。


「何をニヤついておるのじゃ。 お主はロリの気があったのか?」


イタズラっぽい声でイナがからかってくる。

そんなイナに溜息をつきながらミノルは答える。


「俺にそんな趣味は無いよ。」

「ほう? クローシェでは不満だと。 あやつは可愛くないと申すのか!」

「いや、そんな事を言ってるわけじゃ・・・」


ミノルは呆れながらも否定しようとしたところへクローシェが小走りでやってきた。


「何をお話されていたのですか、ミノル様、イナ様、トライア様」

「実はな、クローシェ・・・こやつがお前の事が可愛くないと・・・」

「えっ・・・」

「おいコラ!?」


イナが静かにクローシェへ話すと、クローシェの笑顔が一瞬で消えて俯いてしまった。


「ミノル様・・・申し訳ありません、私・・・・・・」

「いや!?あのクローシェ、これはイナの嘘で俺はそんな事思っていないよ! クローシェはとっても可愛いし、素敵な女の子だよ!? クローシェは気遣いも出来るし優しいしとっても大好きだからそんな顔・・・」


そこまで言ってクローシェの耳が真っ赤に染まっているのが目に入り、自分の発言に気づくミノル。

きっとクローシェの顔は真っ赤なのだろう。

そして・・・


「ぷっ・・・くーはっはっは!!! な、なんじゃそれは! まるで想いの告白ではないか!!」


イナの豪快な笑い声が響いたのだった。

それにつられてトライアさんは手を頬にあてて「あらあら」と呟いている。

そして当のクローシェは真っ赤な顔を上げて恥ずかしそうにしている。


「あの・・・ミノル様、さっきの話は聞こえていたので・・・・・・その、ミノル様はそんな事言っていないって分かっていました。 すみません、少しイタズラしてしまいましたが・・・まさか、あの様な事を言われれるとは思っていなくて・・・」


そういうとクローシェは顔を隠して建物の中へ走って行ってしまった。


「・・・え?」


一呼吸遅れて状況が理解できたミノルは顔が熱くなるのを感じた。


「おやおや? どうしたのじゃ、ミノル。 顔が赤くなっておるぞ?」


イナはとても楽しそうだ。


「ぁあ~~~~・・・」


ミノルはそう唸り声を上げるとその場に膝から崩れ落ちたのだった。



仕事に全てを持っていかれて何もできず大分更新出来ませんでした。

これから!ってところなので、時間を見つけて少しづつ進めていきたいと思います。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ