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人生線路

作者: 僕

生きていれば辛いことはあると思います。

「受験」というものを通して感じる思春期ならではの葛藤。レールにひかれた人生だとしても生きることの大切さを伝えられればと思っています。


  「終わったー」


 猫背気味の体を伸ばそうと背中を鳴らす。



骨同士が擦り減り合い、外部に放たれた高い音はそのまま空間に浸透する。

 何百という背中が守護神のような威圧を放ち、何もかも寄せ付けない感覚が会場全体を包みこんでいる。



普段は気にもしない靴の音が、カリカリ音を立てる鉛筆の音と合わさり騒音を増す



 「この中の何人が受かるのだろうか...」



 問題用紙を睨んでいる友人を横目に見る

  この日のために寝る間も惜しんできたであろう彼の顔は寝不足のためか、少し大人に見えた



 「終了です 鉛筆を置いてください」



その声とともに一斉に静寂が消えた





    


 -帰り道ー


   「出来...どうだった?」  

   

 緊張感が残る中、最初に声をだしたのは僕だった 

  



   「結構むずくね?」


  少しはにかんだ顔でそう言った。 こいつの名前はとうき。よく一緒に部屋でゲームをするいわゆる親 友だ。小さい頃から一緒ににいるからなのか、さっきまで残っていた緊張の余韻はもうすっかり忘れて  いた。




最近は会う機会も減っていた。受験という存在のせいではない。子供の時にはわからなかったもののせいだ。「大人」という存在になるにつれて出来ることが多くなる。一方で、失ってしまうものもある。それが

人物なのか、物なのかは分からない。それでも、その何かかが近づいて来る足音は、はっきりと聞こえている。 



  「この道よく一緒に通ったよな~ こんな建物あったっけ?」

 


  「あったよ、 それここ通るたびにいうじゃん」




今は使われていない線路を二人で歩きながら少しずつあの日のペースを思い出す

サビではがれた線路があの日の僕たちを思い出させる



   「人生ってこの線路みたいだよな~、踏み間違えたら俺達もこうなるかも」




ふと口にした言葉が胸に刺さる。

決められた線路を進む人がいれば、自分で開拓した道を行く人もいる。はたまた線路に飛び出し、人生を終える人もいる。自分がどうなるかはまだ分からない。




 僕たちの今まで、それから受験を通して見えた自分の在り方。そんな経験を話していこうと思う。  










  




     







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