第3話:触れあい
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「はい どーぞ。ミルクだよ〜」
あの後すぐに自分のお風呂と食事を済ませ、なんとか傷の手当ても無事終えることができた。
そうして少し落ち着いた頃。
リビングへと移動した私は、お腹が空いていたらと思い、温かいミルクの入った受け皿を猫の前に差し出していた。ついでに自分用にと一緒に作っておいたココアをローテーブルに置いてそばに座り、様子を窺う。
すると少し警戒していながらも、確かめるように数回匂いを嗅ぐとぺろぺろとミルクを飲んでくれて
安堵の息を漏らした。
「…よかった。ゆっくりでいいからね。いっぱいお飲み」
そう言ってきれいになったカラダを撫でてやる。と、言葉を理解したのかどうかは分からないけど、受け皿から顔を上げると「にゃあ」と返事をしてくれた。
「ふふっ 可愛い」
笑みをこぼすとそのまま掌に擦り寄ってきてくれて。その流れで頭を撫でると気持ちよさそうに目を細めてくれた。あぁほんと 可愛いなぁ。
このコの仕草に癒されながら、少しでも安心してくれているのかなって思ったら
なんだかとても、あたたかい気持ちになって。
──…今日出逢ったばっかりなのに、私のほうがこんなにも癒されるとは…。この猫ちゃん、アニマルセラピー(?)恐るべし。
心地いい感動に
胸の奥がじんわりと 熱くなるのを感じた。