第2話:帰宅
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「えー…と、とりあえずお風呂に入れて汚れ落して、それから傷の手当てして…で、いいのかな?」
動物なんて飼ったことのない私にとっては
いろいろと分からないことが多過ぎるけど…。
あれから家に着いた私は、まずはカラダを温めてあげようとすぐさまお風呂場に向かい、ついでに汚れも落としちゃおうと、お湯の入った洗面器で猫を洗っていた。
なんとかしないとッ…て、咄嗟に持ち帰ってきてしまったけれど。まぁなんとかなるよね…?
シャワーを出せば汚れは簡単に落ちてゆき、白っぽいミルクティー色の毛並みがみえた。
シャム猫……ラグドール?みたいな。
丁寧に洗いながら前にテレビで紹介されていた猫も
こんな感じだったなぁと思い出す。
そして改めて明るい場所で傷を見てみると、それほど酷いものではなくてほっとした。
───というか。
猫って普通 お風呂嫌いなんじゃなかったっけ…?
そう思っていたけれど、お湯に浸かっているその猫は特に暴れることもなく、水色のキレイな瞳でこちらを見上げていた。大人しいコだなぁ。
「…おまえはいいコだね。あともう少しで終わるから、ちょっと待っててね」
優しく微笑みながらそう伝えると、傷を刺激しないよう気をつけながら、猫のカラダを流した。