第13話:夢みた朝
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「──…ほのか、」
お礼がしたかった。感謝の気持ちを伝えたかった。
そして、できることならこいつと一緒に……。
やっと逢うことができたんだ。巡り会うことができたんだ。こんなにも嬉しいことがあるだろうか。
「………っ」
言いたいこと、伝えたいこと。たくさんあるのに。
いろんな気持ちが込み上げてきて、上手く言葉にできなくて。あふれる想いが、おれの視界を滲ませた。と同時に
「……………っは??」
自分でも驚くことが起きていた。
おれの手足が、身体が、顔が。人間のものになっていたのだ。けれど耳と尻尾は生えたままで、完全ではないらしい。
「……なんだ、これ」
困惑する。驚きで動きが一瞬止まる。
けれどそんなことよりもこれは、
おれにとっては寧ろこれは──ッッ!!
「………ラッキーじゃねぇか」
と、すぐに思った。災い転じてなんとやら、だな。
絶対ものにしてみせる。
なんでこうなったのかは自分でもよく解らないので、少し不安もあるけれど。それでもおれは嬉しくて。胸が高鳴った。
「──…これで穂果と、会話ができる」
期待に胸を膨らませ、純粋な喜びに身体が震える。
起きたらちゃんと、伝えよう。
目をみて想いを、伝えよう。
そんでもって驚かせねぇように気をつけねぇとな…。
すぅっと息を吸い込んで、落ち着いてから。
愛しい、愛しい、彼女の名前を呼んだ。




