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第11話:想い募らせ
……おれはこいつに救われた。
怪我したおれを助けてくれた。優しい人だ。
いろいろなことが胸に込み上げてきて、泣きそうにもなるけれど。穂果のおでこに自分のおでこをくっ付けると、感謝の気持ちを伝える。
あのままだったらおれは、どうなっていたんだろう。
どこかで行き倒れていたかもしれないし、野垂れ死んでいたかもしれない…。
暗くて、寒くて…なにもない。
あの頃の温かさは、記憶の中だけだと思っていた。
脳裏に浮かぶ 優しい眼差し、微笑みを。
今でもはっきりと、覚えている──。




