8/98
8
この世界は剣聖が数名いる。
何故なら国が認めた1人を剣聖としているからだ。
国は魔物の討伐や対人など総合的判断から剣聖を決めているが、中でも有名な3剣聖、
王剣聖カール、辺境剣聖パウ、大清流滝の都の剣聖ゴードだ。
王剣聖は騎士剣道の究極基礎、パウは大賢者にして剣豪のパレストを祖としたパレスト流剣技、ゴードは人体知識賢者にして剣豪ブラクロウを祖としたブラク流剣技である。
王剣聖の王国は騎士それぞれが強く、歴戦ではモンスターの大量発生を食い止めるなど武勇があり、パレストやゴードも、なかなかの歴戦があるそうだ。
パレストは辺境の都市部に住む中、父は神父だったらしい。
父は相伝された知識から身体を鍛えぬいた剣豪ではあったが剣聖とまでは認められておらず、魔物の発生が少ない地域に住んでいた。辺境の領主から開拓民募集の広告を見て移りすんだことから怒涛の勢いで名を馳せた。
剣聖たちは誰も自らを最強と言いたがらなかった。
師匠たる人たちは皆賢人だった。
己が命こそ最弱なり、剣聖が剣聖たるゆえんは共通していたのだ。