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「アリーはどこかわかる?」
イクスは門兵に訪ねた。
「大丈夫だ!事務室にいる!近くにいたから保護した!」
ほっと胸を撫でおろすイクス。
「だぁああああっっ」
門兵長らしきガタイの男がデカブツを仕留める。
「バアン、鈍ったか?」
パウは目線は変えずに門兵長に声かけた。
「いや、面目ねえな、昨日筋肉と会話しすぎた、ダハハッ」
ただの筋肉トレーニング馬鹿である。
門兵たちは二人がかりで1体を相手にしている。
「危ないっっ」門兵がイクスに叫び声をあげかける。
「くっっ」
不意をつかれた攻撃を間一髪で避ける。
いくら素振りしてもデカブツの大きさでは受けきれない。
避け体勢を立て直し、構えるイクス
早鐘が鳴るように心臓が動く、
でも何故か局面で集中でき、デカブツを見据え、同じ息遣いになる。
決めたのは2回目の息遣いで吸い、間合いを詰める。
一瞬遅れ、
デカブツも間合いを詰める。
イクスは間合い手前まで呼吸を止め飛び上がる!
デカブツは見下げる先の間合いを、棍棒で当てようとし、空振る。
「?!!!」
声にならないデカブツ、反応できずに気がつけばイクスの一撃が入る。
イクスの振り下ろしはデカブツの頭を割りにいくつもりだったが、後数センチ足りず眉間から口あたりまで切っ先で潰した。勢いと木剣の堅さが骨を砕くほどあり、
初めて、倒した相手だった。
「ん、まあ、はじめてにしては、かなりできたな。」
師匠は厳しい反応をした...