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「フゥンッッ」
「フゥンッッ」
眼は死んでなかった。
並ぶ2人は右手は切羽を掴み、左手は柄頭を掴み、
左背に並行に構え、切っ先は正面を向けていた。
息が吐き出される時は、切っ先は前に伸びていた。
剣士極み剣技、ハートランナー、
動き打つ、走り打つ、決まりは一つ迷いなく突く。
ひたすら突き、日が暮れた。
「はぁぁッ」
「はぁぁッ」
叩ききる。右袈裟、左袈裟、振り上げ気合いを入れ、
降ろし叩ききる。
強く、強く。
また、日が暮れた。
「ぬあっ」
「んあっ」
柄に近い刃の腹で押し、押し見続ける、
最初は目をつぶってしまっていた。
少しずつ、堪え、押し相手と距離をあける。
素早く間合いを詰め、繰り返す。
押し負けても立ち上がり、続ける。
「来い」
「ああああぁぁっっ!!」
...
ウインデは少しずつ成長していった。