16
「あっちゅーまにできるっ!森民料理!野菜とはっ!キノコは友達!森民グリン!!!? これ教会にあるやつと同じっ!?」
「ああ、私が書いたやつだなっ!」
辺境開拓地で人気の料理本の著者が目の前にいる事実。
宴は緩やかに始まり、参加者は飲む!食う!笑う!泣く!踊る!
思い出に浸る。
「パウはあの時、剣聖として継承されたばかりでな、前の代のヤツとパウが、里が危機を脱する手伝いをしてくれたんだ。」フルは懐かしむように語る。
それからイクスは、ココに到着するまでの話をした。
「はじめて乗った走りトカゲ、腰がガクガクだったよ。途中であった民族に楽器を習った。ぷにゅぷにゅした果物は衝撃だったんだ。」
「なあ、イクスはパウから剣を習ったのか?」フルが
ききたがったのは強さの秘密だ。
「ん?ぜんぜん。習ってないよ。ただ一緒に降ったんだ」
「降った?」
「そ。」
「ん〜それだけ?見ただけでわかるのか?」
「できないよ?だから何度も降ったし、何度も見た。」
フルは衝撃を受けた。自分は出来ないとすぐに諦めることが多く、続けること成し遂げる人、強い人とは里には少なく知ることが出来ていないことだった。
夜更けは過ぎ、酒を気をつけることができないぐらい楽しんだ。
エルフの隠れ里編は続く