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第1話「クズ人間は電脳世界へポイっと」③

〇説明図を背景に冷笑する洋太

 恋愛など男にとってメリットがない理由。

1、デート代は基本、男が負担しなくてはいけないことが多い=金銭面で損。

 2、エスパーの如く察して機嫌取らなくてはならない↓難易度高い上に、苦痛。

 3、1と2を続ける地獄。油断すると浮気される可能性も。

洋太「(呆れる)早い話、デートなんて貢いで機嫌取りじゃないか。こんなことの何が楽しいんだい? むしろストレス。理解に苦しむよ」

 部屋の中で嬉々とプラモデルを組立てる洋太の様子。

洋太「デートなんかするぐらいなら、プラモデル作った方が安上がりな上に有意義だよ」


〇ゼミ内

 秀我は両手を叩いて高笑いする。

秀我「はっ。違いねぇ。恋愛なんざ、バカと金持ちのやる道楽だぜ!」

洋太「(ネクストワールドを指差し)ひとまずさ、拷問とかどうだい?」

秀我「データ状態で痛覚があるかは分からねぇぞ?」

洋太「でもあいつら、エッチしているじゃないか。快感神経はあるんじゃあ?」

秀我「う~む。試してみるか」

 秀我、ネクストワールドを操作(タッチパネル式)。

 ネクストワールドの画面、タライが落下して来て、抱き合って腰を振っている男女の頭上を直撃。男女は間抜けな顔をして倒れ、気絶した。

洋太「あっ。出来た!」

秀我「お前もやってみるか?」

洋太「いいのかい?」

 秀我、ネクストワールドを洋太に渡す。洋太は受け取る。

秀我「やり方は教える。ここをこうやってだな……」

洋太「うん。分かった。ようし!」

 洋太、恐る恐る操作。

 タライが男の頭に落ち、その男の下にいる女の元へ倒れた。

洋太「(邪悪な笑み)どうしよう。面白い……」

 ここで秀我が洋太からネクストワールドを取り上げる。

秀我「ンまーその辺にしておけ」

秀我「さて、これで懲りたか……」

 秀我、画面を見やる。

 気絶から立ち直ったヤリサーメンバーは何事もなかったかのように性行為を続けていた。

秀我「(顔を引きつらせ)げっ! 続けてやがる」

洋太「(呆れ)タライが落ちて来たことを気にしていないなんて……」

秀我「とんだ性欲モンスターだなぁおい」

洋太「(ハッとなり、)あっ! そういえばなんだけど」

秀我「どうした?」

洋太「このサークルの女子なんだけどさ。無理矢理引き込まれた娘もいるんじゃないかな?」

秀我「(両腕を組み)いや、そういうのは今の時期には残っていないと思うぞ」

洋太「残っていない?」

秀我「ヤリサーを受け入れた女は残留する。連中に染まらなかった被害者はヤリ捨てられて泣き寝入りするからな」

秀我「最悪、妊娠させられて退学した奴もいる。去年の7月ぐらいの話だ」

洋太「なるほど。ヒドイ話だなぁ。やはりこいつらは元の世界に戻さない方がいいよ」

秀我「データ世界という監獄に収監しておくか? 反対はしねぇよ。でもな」

洋太「でも?」

秀我「(液晶画面を指差し)こいつらの親が捜索願を出すだろう。それをどうするかだ」

洋太「(苦い顔)うわぁ~」

秀我「(けろっと笑い)俺様もどうしたらいいか分からん」

洋太「あのさ、こいつらは今、データなんだよね?」

秀我「おう! そうだ」

洋太「(恐る恐る真顔で)だったら、こいつらの性格を書き換えることって出来なくない?」

秀我「いや、そこまで複雑なことは……」

秀我「(ハッとなり、)いや待てよ! アバターのデザインチェンジの要領で身体をいじることは出来るんじゃねぇのか?」

 秀我、画面と睨めっこする。しばし沈黙する秀我。

秀我「……やってみるか。去勢。いや、パイプカットを」

洋太「出来るのかい?」

秀我「(汗)分からねぇ。だが、やってみるか」


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