待ってろよ 俺の夢
やっと 長引いた怪我が治ってきた。また頑張ろう。ゼロからスタートしよう。
俺は 森沢翼。鳥取県のとある高校3年生。進学をしようかしないか迷ってるこの夏。
この夏は、例年よりも猛暑であり、40度近くになるほどである。夏休みももう少しで終わる25日、親友の田中拓郎と進路相談室にこもってた。「どうしようかなー 進路きまんねーよ」というと拓郎が「お前、陸上は辞めるのか?」少し長い間があいた。決断はしてないのだ。
俺は、2年の時 都大路の1区を走った。29分5秒で当時の日本人2年の歴代最高を作った。だが、3年になると度重なる怪我が続きレースにも出れなかった。小さい頃父親と約束した「パパ、僕箱根駅伝に出て区間賞とるよ」このこともわすれてしまっていた。父親とも話さなくなり、箱根駅伝も見なくなってた。でも、最近 夢で箱根駅伝走ってる自分がいるのだ。もう一度、夢目指そうかな...
10月・・・俺は、東京のある大学にいた。AO入試を受けに来た。作文と面接だけで筆記試験はない。レベルも高いわけじゃない。そして陸上部もない。
俺は、入試会場に早く着いた。構内散策してると、ある場所を見つけた。陸上競技場だ。拓郎がホテルに忘れ物を取りに行って戻ってきて合流した。「なぁー拓郎、陸上部ないんじゃなかったのか?」 「いやー 20年ほど前まではあったらしい 箱根駅伝にも2回出場してるよ」 よく拓郎知ってるなー 「でもさー ここにこれあるのに部活ないのもったいないよね」と拓郎がいってきた。確かにそうだ。環境は、あるのだから弱くても走り続けても良いのではとも思う。
「拓郎さー 俺陸上続けるかも」俺は決心した。「もう一度、駅伝お前と走りたい」
「翼 箱根駅伝出よう この大学で」 お互い陸上を諦められなかった。あの輝いてる舞台にたちたい。