物語が始まるのは大抵が上空かピンチの真っ只中だよね!
どうも、やっと本編です遅くなってすいません。それと、今回は料理回です、残酷な描写及び稚拙な飯表現が有ります。
アレスに別れを告げた後、意識を失った俺が起きてまず目にしたのは、一面に広がる草原とその奥に見える立派な石造りの壁だった。
「おー、ここが異世界か最初からすげえなじゃあ早速1枚っと」パシャ
俺は首にかかった特典の一つであろうカメラを構えその光景をカメラに収めた。そんな機械的な音と共に俺の旅は始まった。
「にしてもまずはほかの特典の確認だな、えっとステータスだっけ?」
俺がそう呟くと、目の前に透明なカードが現れた。
「おぉ、なんか感動する。やっぱ異世界なんだな、いやー楽しみだな!」
ステータス
黒野雅也Lv1
HP35/35
MP20/20
ATK8
DEF9
INT6
MID5
SPD5
LUK9
スキル ナイフ術、料理、アイテムボックス、鑑定
これが俺のステータスらしい、平均は知らんがレベル1なら妥当だろう。
「なるほど、このアイテムボックスと鑑定が特典なんだな」
アイテムボックスか、手に持っているのはカメラと特典の一つであろうナイフ位だ、と言うことは異空間的なものかな?
あっ、触れる
アイテムボックス
開くこと意識することで使える、手で触れたものや指先から約30センチ先のものまで収納できる。
中は時間が止まっているため物などは腐らないし劣化しない。
鑑定
目で見たものを調べる事が出来る、熟練度を上げると人物、ランク、ステータスを調べることが出来る
現在鑑定可能なもの(ランク8以下のアイテム/生物名/魔物のランク)
ふむ、どっちも便利だな特にアイテムボックスは料理の作り置きも出来そうだな。
「えっとこうかな?うおっと」
試しにアイテムボックスを開いてみると、頭の中にアイテム表らしきものが浮かんだ
「石でも入れてみようかな、これでいいか。」
取り敢えず手頃な石を拾い収納と念じてみた。すると手の中から石が消えた。
「おー便利だな、次は鑑定だなじゃあさっきの石を取り出してと」
手元に現れた石を、少し意識して見てみると詳細が浮かんできた。
石 ランク1
何処にでもある石
「...まあだよな、そんなに価値があるわけないもんな。」
そんなこんなで色々試していると、ある事に気づいた。
「俺、所持金ゼロじゃん...よし!取り敢えず鑑定しながら金目のものを探すしかない、幸いギルドで換金して貰えるしそうと決まれば鑑定じゃあ!」
1時間後
「これ位集めればいいかな」
現在アイテムボックスの中には換金出来るであろうものがそれなりに入っている
薬草×20
魔石小×3
解毒草×17
「いやー魔石が落ちてるのは良かったこれは確実に換金して貰えるし」
と、俺が喜んでいると後ろの草むらから音がした。
「まさか、魔物か!」
俺は急いで音の方に振り向き下がった
「キシャー」
草むらから出てきたのは蛇だった
鑑定して見ると
ウィードスネーク ランクF
毒がないためそこまで強くないが締め付ける力は強力
子供でも2人以上で武器を持っていれば倒せるレベル
アク抜きをすれば骨は多いが普通に美味しい
「小手調べには丁度いいな、それに美味いらしいからな今日の昼食はお前だ!」
腰に付けてたナイフを構え蛇と相対する子供でも2人以上なら倒せるということから動きもそこまで速くないとにらんだ俺は奴の側面に回るように動いた
奴もこちらを向き威嚇をしている。俺は地面のそれなりな大きさの石を拾い、奴の尾の部分に上から当たるように投げるたそれと同時に側面に回り奴の意識が尻尾に回った瞬間全力で頭を蹴り飛ばした。
そして滞空している隙に近づき奴が地面に叩きつけられた瞬間に奴の頭をナイフで突き刺した
グチャッと言う生々しい音と共に気持ちの悪い感覚が手から伝わるのを感じた、それを振り払うようにそのままナイフを捻った。
それから少しして確実に死んだと確認してから俺はため息をついた。
「あー!疲れた!よっし蛇獲得!」
すると頭にいきなりレベルアップしましたと文字が浮かんできた
黒野雅也 Lv3
HP45/45
MP60/60
ATK15
DEF10
INT17
MID14
SPD14
LUK9
スキル ナイフ術、料理、アイテムボックス、鑑定、採取、格闘術、
「おぉ、上がった意外と上がるもんだな」
なんかINTの上がり方が大きいなこれが魔法の才能って奴かな
大体特典も把握出来たしあの街にでも行きますか!
でもまず『グゥー』飯だな
まずは血抜きから
頭を切り落とし尻尾から押し出して無理やり血抜きをして終了。本当は出しきらなければならないが時間が無いのでこれでいい
次は中身を出す作業
蛇の骨格は背骨と肋骨が殆どなので裏返して臓器全てを書き出してその後皮を剥いだら取り敢えずアイテムボックスへ、周辺の草を抜いてその草を1箇所に集めたら石とナイフで火をおこす。
後はナイフで蛇を吊ったら焼くだけ
「いやー猿どころかアメーバですら出来るサバイバル術の本を愛読しててよかったよ」
草の焼ける音と共に香ばしい匂いがしてくる、豚肉のような匂いだが油の癖が無い匂い、透明感のある匂いだ
暫くすると表面を肉汁が光らせそれと同時に匂いが急に強くなる
少し黄金色の焦げが出来たところで俺は我慢の限界が来てしまった。
「もう我慢出来ねぇ!頂きます!」ガブッ
一口齧ってまず感じるのは弾力だった。骨ごと焼いたのだが、鳥のもものようなプリプリの身が骨に張り付かずにプルっと取れる、しかし齧ると強い弾力があり噛みちぎった時の繊維一つ一つが切れる度に旨みを放つ。調味料を使わずとも感じ取れる肉そのものの旨みを舌の上で感じる。噛めば噛むほど旨みと油が湧き出てくる、そして思うあぁ俺はこのためにこの世界に来たのだと、気付けば蛇は骨になり日は若干傾き午後3時を回ろうとしていた。
「はぁぁぁぁぁ、美味い!」
長い溜息の後俺の口から出たのはその言葉だけだった....
それから直ぐに火の始末をし移動の準備ができた俺は向こうに見える外壁へと歩み始めるのだった。
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