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過保護な女神さまによる異世界転生  作者: 枡狐狸
第三章 歯車を回す少年
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58 キャリーオーバー

 魔眼使いの視界を奪ったし、これで安全に結界を越えることができる。

 一つ前の結界同様、魔法陣を用意してから俺だけ転移した。


 結界の内側に入り、魔眼使いとの間に壁が無くなった。魔眼使いは視力を失っているから、俺が来たことに気付かずに、ただうろたえているだけだ。

 何もできそうにないし、こいつをどうにかする前に仲間を結界に入れるのが先かな。


 範囲を引いて、まずはリティ、ダイキ、フェルクの三人。

 次に、適当に7人魔法陣の上に詰め込んでもらって召喚する。


 次の範囲を用意する途中で、リティに呼び止められた。


「敵」

「援軍が来たか」


 魔眼使いが1人だけだったのは恐らく、油断を誘う為とかそんなところだろう。実際ダイキが魔眼使いだと気付かなければ普通に近づいてやられていただろうし。

 それが突破された今、敵も待っている筈がないか。


 その後すぐに魔法攻撃が飛んできた為、仲間の転移は一時中断する。

 敵の魔法をエルフたちが止めている隙に、敵のダークエルフが距離を詰めてきた。


 細剣は既に抜いてある。その剣先に【範囲魔法】の魔力を込めて、辺りに幾つかの範囲を用意しておく。このとき既に、魔眼使いはダイキの電撃で完全に戦闘不能となっている。


 と、ダークエルフの一人が集団から飛び出してきた。

 狙いはダイキのようだ。それをダイキは迎え撃つ。


 ――バチチッ。


「うおお!?」


 ダークエルフの拳とダイキの剣がぶつかった結果、ダイキが吹っ飛んだ。

 相当威力があったらしく、どんどん遠くへ飛んでいく。そのまま木の枝と葉に突っ込んで、姿が見えなくなってしまった。

 あの勢いを止めるほどの障害物も飛んだ角度的に無いし、きっと空の遠くまで飛んで行ったことだろう。


「うわっ、ダイキがやられた!」


 まさか一発でやられるとは。

 咄嗟に【雷身化】を発動していたみたいだから無事だろうけど。


 ダイキを星へと変えたダークエルフは、次の標的としてフェルクへと体を向けた。


 やばいやばい、ダイキはともかくフェルクまで吹っ飛ばされたら追い込まれてしまう。

 というか、あんな威力喰らったら吹っ飛ぶ前に弾けるかも。ダイキはともかく。


 【結晶術】で背中に翼を生やす。

 今回は3対の翼を広げ、一つ一つはその分短くしてある。


 以前、翼で飛べるんじゃないかと思って試してみたけど、普通に無理だった。

 だけど羽ばたけばジャンプ力や滞空時間は増えたから、その応用として踏み込みと同時に翼を動かし、加速する。

 翼の形をしているけど、骨も関節も無く自在に動かせるからね。


 翼で加速して一気にフェルクのもとまで駆ける。停止も翼を反対に羽ばたかせれば楽に止まれる。

 うん、便利。


 ダークエルフはそれを見て、標的を俺に変更したようだ。

 距離を詰めて拳を打ってくる。まともに受けたらダイキの二の舞になるだろうから、何とか躱した。

 あれ、思ったより早くないな。

 

 攻撃を後ろに下がって避けながら、細剣で反撃。全然当たらないけど、剣先で魔力の線を引いているから、この格闘家のダークエルフは警戒して攻撃の手が弱まる。

 警戒しないで突っ込んできたら、範囲のラインに空間切断を発動していたからその判断は正しい。


 でも、それによって俺との距離が空きやすくなり、フェルクの援護が入るようになる。

 自由自在に動く影が俺の動きを阻害しない程度に周囲を囲む。


「げ、きっつ」


 周囲から影の斬撃を受けることになった格闘家が声を漏らした。

 ――直後に、目の前から消える。


 何処行った?


 咄嗟に死角を確認する。

 背後を振り返ると、拳を振りかぶった格闘家の姿が見えた。


「うらあ!!」


 避けきれない!

 右腕で体を庇い、腕に【結晶術】で羽根の鎧を形成する。


 激しい衝撃を受け、背後に吹っ飛ぶ。


「げほっ」


 木に背中を打ち付けて止まる。

 息が詰まったが、予想していたよりも衝撃は少ない。翼を広げて空気抵抗を上げていたけど、それにしてもだ。


 ダイキのときよりも威力が低かったかと思ったが、すぐにそれは間違いだと気付いた。


 右腕が無い。

 完全に消し飛んだらしい。


――【状態魔法】状態復元。


「ごほっ、まともに受けたらこうなるのか」


 ダイキは威力を殺すために自分から吹っ飛んだところもあったんだろう。

 あほみたいに飛んだからちょっと面白かったんだけど、この威力は笑えないな。


「くっそ、二人目も仕留め切れてないのかよ!」


 即座に回復した俺を見て、格闘家が悔しがる。

 にしても、たぶんこいつ特殊ユニークスキル持ちだよな。


「アカリさん、大丈夫だったんですか?」

「うん。けど、今のはびびった」


 フェルクが一旦格闘家から距離を取り、俺のもとまで近づいてくる。その間も影での攻撃は止めていない。

 ここは作戦会議でもしようかと思ったところで、紫電が走りダイキが現れた。


「わり、大丈夫だったか?」

「戻って来たか。そっちこそ平気なの?」

「スキル使ってなきゃ、ちょっとやばかったな」


 ダイキが来たなら、格闘家のステータスを確認しよう。

 【瞳の魔眼】で視界をダイキのものへと移し、鑑定結果を見せてもらう。



名前 ムウグ・ヒュート

LV 51

種族 ダークエルフ

年齢 22

性別 男

【スキル】

連籠魔法5

格闘術6

危機察知4

火魔法3

【加護】

邪神の加護

【称号】

なし



【連籠魔法】

 籠めた力を使わずに次へ繰り越す。連続して繰り越すことも可能。



 LV高いな。俺の3倍くらいあるんじゃないか?

 あの拳の威力はそれまでに溜めていたものみたいだ。なら、連続であの威力は出せないのだろう。


 他の仲間にも、ダイキが情報を伝える。

 ダイキが戻ってきてこちらの態勢は整ったけど、それは向こうも同じみたいだ。


「アカリ、急に行かないで」

「ごめんなさい」


 一緒に居たリティを置いて駆けだしたことで怒られた。

 そしてすぐに右腕が無くなるほどのダメージを受けたせいでリティも心配している。


「一緒に、行動する」

「了解です」


 まあ、さっきのはダイキが吹っ飛ばされるという不測の事態があったからだ。俺も好き好んでリティから離れたりはしない。


「呪術師も居るな。それと、結界を張ったやつっぽいスキル持ちも居る」


 鑑定で敵を探るダイキによると、特殊ユニークスキル持ちが3人いるらしい。

 あ、そこに転がってる魔眼使いも合わせると4人か。


 最初に魔眼使いを無傷で仕留めることができたのは大きいな。集団戦であの魔眼は厄介だ。

 警戒される前に初見殺しの魔眼を喰らわせようとしたんだろうけど、ダイキが鑑定系スキルを持ってることを知らなかったんだな。


 というかさっきの格闘家、『邪神の加護』なんて持ってたな。

 ダイキは加護や称号に関しては無反応だよね。俺のステータスでもそこは触れてこなかったし。

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