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過保護な女神さまによる異世界転生  作者: 枡狐狸
第三章 歯車を回す少年
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53 読書

冬童話も出しました。

「さっきは助かった。感謝するぜ」


 さっきピンチだった冒険者が近寄ってお礼を言ってきた。


「まあ、依頼中だし、お互い様で」

「そうか? にしても変わったスキル持ってんのなぁ。何あれ?」


 訊いているのは【結晶術】のことだろう。【範囲魔法】は線は引かず、剣先に指定して魔法を圧縮して威力を上げることしかしてないから傍目には分からないだろうし。


「ありゃ【結晶術】だろ。あの羽根は自然と漏れ出てるんもあったし、羽根が魔力結晶なんだろ」


 答えるか迷っていると、近くに居たBリーダーが代わりに答えた。


「ベルナンさん、知ってんのか?」

「Aランク冒険者が使ってるのを見たことがある。あれは元々結晶化するくらい魔力の質が良くないと習得できないスキルらしいからな。使えるやつは総じてかなりの実力者だぜ」

「うわ、マジか。魔力結晶が出るやつなんて滅多にいないぜ? お前さん、魔法の威力も凄いし只者じゃねえんだな」

「まだちいせえが、将来有望なわけだ。仲良くしといて損はねえなぁオイ」


 小さいは余計だ。

 まあ、それ以外は褒めているみたいだし悪い気はしないけど。


「にしても、クライミングウルフには結構手こずったね」

「ああ、いつの間にか森の生態系が変わっているようだぜ。此処は森の中心近い筈だが、以前は熊系の魔物が居座ってたのに今じゃ狼の群れだ」

「巨大な熊も、流石にあの数には勝てなかったんだろうなぁ。弱肉強食の世界は辛いぜ」


 つい最近までクライミングウルフじゃなく別の魔物が居たのか。知らなかったんじゃその警戒をしてなかったのも納得だ。

 でも此処が中心なら、あとはそこまで苦労する魔物も出ないだろう。強い魔物ほど森の奥に居るわけだし。


 休憩が終わり、移動を再開する。

 さっきの戦闘で怪我人が増え、重傷者は居ないが若干ペースが落ちた。冷たいかもしれないが状態復元で治癒する気は無い。

 王城での集団治癒は結構噂が広まっているらしく、魔力結晶の羽根だけじゃそのことに結びつかないだろうけど治癒はマズイ。まあ、リティが怪我したら迷わず使うけど。あと自分が怪我してもこっそり使う。


 エアークロウベアー2頭と遭遇したので三人ずつに別れて相手をする。残り二人は依頼者の護衛だ。

 二人が引き付けて俺が圧縮【火魔法】をぶつけて仕留める。もう一頭もリティたちが問題なく倒していた。


 ――バチッ。


 戦闘終了直後で油断していたのだろう。完全な不意打ちで飛んできた何かが俺の体を捉える――直前に咄嗟に出した腕に当たった。

 強力な静電気のような衝撃が体を襲う。これは、エレキカメレオンか。


 周囲に溶け込んで潜み、舌の攻撃で獲物を麻痺させる魔物。前回の狩りでこの森の魔物は大体狩ったから知ってはいたんだけど、防げなかったか。

 【結晶術】で羽根を展開、舌の伸びる先を目掛けて飛ばす。ヒット。


 麻痺? 知らんね。【状態魔法】常時効果、状態維持。


「うおっ、大丈夫かっ」

「ぎり防いだ」


 それにしても、カメレオンに全く気付けなかった。俺わりと不意打ちには強い方なのに。

 本気で姿を隠す敵というのは厄介だ。今日はノーダメージでいけると思ったのになあ。


 でもまあ、それ以降カメレオンに襲われることは無く、辺りが暗くなる前に森を抜けることができた。

 森を抜けた先にある町に到着して無事依頼も達成。ちなみに皆、帰りは森を迂回して帰るらしい。流石に今日はこの町で泊まるみたいだけど。


 でも、俺たちには明日も学園がある。今日帰らないといけない。

 という訳で【空間魔法】で帰宅。俺とリティは一瞬で自宅の魔法陣を設置した部屋に転移した。


「今日はお疲れー。俺は疲れたから今日はもう休むよ」

「アカリ、お疲れ」


 リティとも解散して風呂に入ってから就寝。夕食は転移前に食べてきた。

 おやすみなさい。



=====



 学園が終わり、放課後。

 今日も冒険者ギルドに行こうかなと考えていたところ、姫さまに勉強しなさいよと釘を刺された。


 違うんですー。自力で出来るのが教科書読むくらいなんですー。もうやりましたー。


 的なことを言ったら紹介されたのが此処、国立図書館。

 学園の教科書はホント概要程度しか載ってないけど、その教科書に沿って図書館で調べていけばちゃんと勉強ができるということだ。


 学園の授業を国語数学理科社会に分けると、国語と数学は元からできて、理科は魔法系で既に単位取得済み。俺の課題は社会のみとなる。

 要は世界の歴史や国の法律といったものだ。こればっかりは前世知識も当てにならない。


 取り敢えず教科書は頭に入れてきたので、テスト範囲が載っている歴史書なんかの本を調べて行こうと思う。


 目当ての本を探し歩き、何冊かそれらしい本を見付けた。それらを持って読書スペースに移動し、一冊を手に取る。

 テストに出そうなところは本の半ばからだけど、ちゃんと勉強する為に最初からしっかり読むことにした。

 黙々と読み進める。

 黙々と。


 …………。


 二冊目を読み終わったところで時間を確認。もうこんな時間か。

 夕食は我が家でディーロ先輩に教わりながら作ることになっている。待たせるわけにはいかないな。


 それにしても、異世界の歴史というのは一つの物語を読んでいるみたいでなかなか面白かった。日本史なんかと違ってドラゴンが出てきたりするし。あとちょいちょい神様も出てくる。

 見付けた本でまだ読んでないものもあるし、明日以降も来ることになりそうだ。

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