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過保護な女神さまによる異世界転生  作者: 枡狐狸
第三章 歯車を回す少年
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42 王城にて

「ダイキ、ホントにエルフの森に行くの?」


 話し合いの場は解散となり、ダイキに話し掛ける。

 エルフの森の調査にダイキも同行することになったのだが、ダイキは自分からその提案をしていた。


「ああ、俺は一度エルフの森に行ったことがあってな。流石に気になったから俺も様子を見に行きたいんだ」

「そっか、ならダイキとは暫くお別れだね」


 最近は割と一緒に居ることも多かったから、少し寂しくなるな。


「まあ、調査だから終わったら戻って来るさ。それに魔族の援軍が来るまでもう少し掛かるしな」


 ちなみに魔族の国は、此処より東の海に囲まれた島国だ。昔に悪しき『魔王』が悪さしたせいで、国土が切り離されたらしい。その為実際にはそこまでの距離は無いが、船を使わないと行き来できないようだ。


 エルフの森は反対に此処から西にあり、山を越えた先にあるウトレレを過ぎ、平原遺跡という遺跡しかない平原を越えた先にある。その遺跡には、なんと『勇者』の召喚陣があるらしい。ダイキもそこから出てきたとのこと。

 召喚陣は気になるから一度見に行きたいな。そのうちダイキに案内してもらうのもいいかもしれない。



=====



 魔力が完全に戻るまでは、安全のため城に居ていいと王さまに言われた。確かに物騒な世の中だし、今のままじゃ自衛できないから言われた通りもう少し滞在することにした。

 俺の滞在している部屋へと戻ってきた訳だが、フェルクが付いてきた。話が終わったから暇らしい。


「部屋に居ても、基本的に寝ているだけだよ」

「さっきまで寝てたんですよね? まだ寝れるんです?」

「よゆー」


 けどまあ、十分に睡眠はとったし、フェルクに付き合ってもいいか。


「ユミちゃんは『勇者』と知り合いだったんですね」

「ああ、ダイキとは友達だよ。紹介しようか?」

「いや、わたくしめは男性が苦手なんです。家族は平気ですけど」


 あれ、そうだったの? 俺、男なんだけど。

 ああでも、今は女の子だ。なら何も問題ない……か?


「どっちみち、わたくしめもエルフの森へ行く予定ですから『勇者』と一緒になっちゃうんですがね」


 フェルクはそう言って苦笑いをする。どうやら本当に苦手なようだ。


「あれ、フェルクって一応魔族の国の王族だよね。調査に行くの?」

「ちゃんと王族ですよ。魔族は強者が君臨する種族だから、こういったことは積極的にしちゃって経験を積むんです」


 そういうお国柄なのか。強者が君臨ってことは、あの『魔王』のおっさんは魔族の中で相当強いってことになるな。見た目ひょろいけど。


「ダイキとは結構遠くまで一緒に行くことになるんだし、先に挨拶しておいた方がいいんじゃない?」

「うっ、確かに。でもさっき会ったからそれでいいんじゃないかなあと思ったりします」


 明らかに会いたくなさそう。ダイキのやつ、何もしてないのにここまで苦手意識を持たれるとは、哀れな。


「まあ今からダイキを呼ぶのも手間だし、今日はいいか」

「ですです」


 フェルクと話していると、メイドさんが軽いお菓子と飲み物を持ってきてくれた。俺たちはそれを食べきるまで喋って時間を過ごした。



=====



 フェルクが帰ったから、ドレスから再び寝巻きに着替える。と、その前に体を拭いておくか。

 メイドさんにお湯とタオルを持ってきてもらう。今までは体が不自由だった為に洗うのもメイドさんに任せていたけど、今日は一人で行う。なんだかんだ恥ずかしかったからね。


 髪を洗った後、服を全て脱ぎ、絞ったタオルで拭いていく。ハイ終わり。


 別に感想とか無いよ。自分の体を拭いただけだし。ホントホント。あ、脱いだ服は洗う為にメイドさんが持っていきました。

 寝巻きを着たら、寝る前に久々のステータスチェックをすることにした。毎度恒例なのでユユと一緒に見る。



名前 アカリ・ユミツキ

LV 16

種族 人族

年齢 0

性別 女

【スキル】

状態魔法4

空間魔法4

範囲魔法3

瞳の魔眼3

火魔法2

水魔法1

結晶術1

【加護】

死神の誘い

空間神の加護

空間神の寵愛

【称号】

転生者

祝福されし者

死を招く者



「ん? 知らないスキルがあるな」


 前見たときと比べて、LVが上がっている。あと【範囲魔法】が3になった。まあそれはいい。

 【結晶術】ってなんだ?


「ユユ、【結晶術】って何か知ってる?」

《えーとね、珍しいスキルなんだけど、確か魔力結晶を意識的に生み出せるスキルだった筈だよ》

「俺の場合、羽根か。え? 羽根出すだけ?」

《今までの一瞬だけですぐに崩壊する結晶化じゃないから、それなりに硬度や質量があるよ。人によって結晶の形質が違うから、どれくらいかは分からないけど》

「じゃあ試してみないとなんとも言えないな」


 魔力結晶ということは当然魔力を使う。今はいくらか回復しているとはいえ、できるだけ使いたくないから後回しだな。


「あと【範囲魔法】のレベルが上がった」

《何かできるようになった?》

「ああ、範囲の魔法陣が書けるようになった」


 今までの魔力で線を引く範囲指定では、一度使ったら消えるし、込めた魔力が無くなっても消える使い捨てだった。

 だけど実線で魔法陣を書くことで、魔力が続く限り何度でも使えるし、魔力を込め直せば再び使えるようになるわけだ。


「まあ、今日は検証できないけどね」

《そうだねー》


 魔力を回復させる為に休んでるのに、魔力を使ったスキルの検証なんてできない。

 俺のスキルは全て魔力を使うからなあ。


「そういえば、ステータスの性別が女になってる」


 年齢は【状態魔法】を使っても0のままなのに。いや、年齢は産まれてからの年月を表すから、外見が変わっても変化が無いのか。

 年齢とは違い、性別は肉体の状態だから【状態魔法】でステータスまで変わると。


《今のアカリはどこを取ってもれっきとした女の子だね》

「中身は男だよ。たぶん」


 肉体に精神が引っ張られるということはまだないと思う。でも、結構肉体の影響って大きいんだよな。ユユなんか神様だけど完全に精神まで見た目通り幼くなってる。相応の知識はあるからどこにでもいる子供のようにはならないけど。


 実際ユユってどれくらい生きてるんだろうな。そもそも神様に生死の概念はあるのだろうか。


「寝たきり生活はもうすぐ終わるけど、やっぱ暇だな。入院するときも毎回そうだったけど」


 今回のことは前世での入院生活を思い出す。夜になると父もユユも居なくなるから一人になるんだよな。

 俺は寝ようと思えばいつでも寝れる体質だったお陰でそこまで辛くはなかったけど、それでも暇なことに違いはない。


《アカリが入院するときは新しく本やゲームを買ってたね》

「RPGなんかは時間を潰せてよかったな。腕まで折れてたときが一番退屈だった」


 病気で入院することもあったけど、事故の怪我も多かったからな。寝たきりになるのに手が使えないとか何して過ごせばいいのか。あ、そのときはずっと寝てたな。


「帰ったら何かボードゲームでも作ろうかな。せっかく工房あるし」


 加工する道具は一通りあるだろう。材料買ってリティに手伝ってもらえば作れると思う。


《おー、何作るの?》

「そうだなあ、最初はルールが分かりやすいのがいいだろうし……取り敢えずリバーシ作ってみるか」


 同じ色で挟んだら挟んだやつを裏返すゲーム。あれならルール説明が楽でいい。角を取るのが有利とかはやってれば気付くでしょ。


 帰ってからの楽しみもできたことだし、そろそろ眠ることにした。

 今日は魔力がある程度戻っているから、そこまで不安になることもなく意識が落ちていった。

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