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Simulated Reality : Breakers【black版】  作者: 高瀬 悠
ちょっと息抜き 番外編その2
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【番外編4】 コンビニ と セガール


 偶然といえば偶然だった。

 俺は今週発売の週間少年漫画を買おうとコンビニに立ち寄った時、ドリンクの陳列台に佇むセガールを見かけた。

 俺は一瞬「やばい」と思い、そのままコンビニから出ようとしたのだが、どうやら向こうは俺のことに気付いていないようだ。

 それよりも、なにやら真剣にドリンクを選び悩んでいる様子だ。

 俺はすごく興味をそそられた。


 そういえばセガールって、こっちの世界で何を買うんだ?


 それ以前にコンビニに居ること自体がすごく不自然極まりない。

 見た目はごく普通のサラリーマンなんだが、中身は異世界人そのものだ。

 こっちの常識は分かっているのだろうか?

 お金の使い方は?

 そもそもお金自体持っているのか?

 ──ともかく。

 向こうの世界の食べ物を見てきた俺としては、こっちの世界の食べ物はセガールにとって不思議なものに見えるのではないだろうか。


 俺は身を潜めるようにして物陰からセガールを観察し続ける。

 どちらかと言えば、今すごく怪しいのは俺なのかもしれない。

 まぁそれはさておき。


 そんな時だった。

 ふいに、セガールの手がドリンクへと伸びた。

 いったい何を取る気だ!?


 ──って、なッ!? こ、コーヒーミルクキャラメル味だと!?


 外見に似合わず意外なセガールの選択に、俺は目を見開き愕然とした。

 セガールが場所を移動する。

 同じように俺も見つからないようにしてセガールの背後となる物陰へと移動した。

 次に向かった先はデザートの陳列台だった。

 迷うことなくセガールはプリンといちごケーキに手を伸ばす。

 次いで隣の陳列台に置かれていたホイップあんぱんとチョコパンにも手を伸ばす。


 立て続けに甘味系攻撃!?


 甘いものが苦手な俺は何かこみ上げてくるものがあった。

 セガールが移動する。

 俺も何気に追いかけた。

 そして、セガールはお菓子の陳列台でも足を止めて、甘ったるいチョコ菓子を次々と手持ちのカゴに入れていった。

 また移動して。

 今度はサンドイッチ陳列台のフルーツサンドにも手を伸ばした。

 最後に冷凍にも立ち寄って、練乳たっぷりのアイスクリームを数個。

 この時点で俺はすでに耐えられなくなっていた。

 セガールがようやくレジへと移動する。

 レジにカゴを置いて、そして店員に向けてトドメの一言。


 「チョコまん一つ」

 「スプーンはいくつお付けしましょうか?」

 「一つで」


 笑顔の引きつっている店員をよそに、セガールはごく普通に真顔で会計を済ませた後、何事もなかったかのようにコンビニを出て行った。




 ※




 帰宅した俺は、自室に入るなりすぐ怒鳴るようにして頭の中でおっちゃんを呼んだ。


『ぅおっ、びっくりした! いきなりなんだ!? どうした、突然!?』


 なぁおっちゃん! セガールって実は最強だろ!


『……な、何の話だ?』



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