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Simulated Reality : Breakers【black版】  作者: 高瀬 悠
【第一章 第三部序章 後・上編】 砂塵の騎士団 【上】
218/313

それ、理由になるんですか?【70】前半


 騒動もとりあえずは落ち着き、ガレオン船内もいつもの雰囲気に戻る。


 そして夕刻前。

 ガレオン船の船底一室に設けられた厨房内で。

 忙しそうに料理準備しているギルドの仲間ーー料理は当番制らしいーーの邪魔にならないよう厨房の片隅に蹲って、俺とアデルさんは野菜の皮剥きの手伝いをしていた。

 これは別に強制されてやっているわけではない。

 みんながそれぞれ担当場所で忙しく仕事をするので、暇をもて余していることが辛くて手伝いを申し出たのだ。

 まぁ、俺たちに何か出来ることがあるとするならば、厨房での下準備くらいだろう。

 アデルさんも俺に同じく野菜の下準備を手伝ってくれている。

 ナイフを片手にアデルさんと一緒に床に座って下準備をしていると、デシデシがやってきて俺にしがみつき、そのまま俺の手元を覗き見てクシクシと笑ってくる。


「Κは不器用デシねぇ。料理したことないんデシか? 皮はもっと薄く切るデシよ」


 うるせーな、料理くらいしたことあるよ。ただ見慣れない野菜だから切るのが難しいんだよ。ってか、これ何の野菜なんだ? カボチャか?


「Κは野菜が嫌いなんデシか? それはごく一般的な家庭料理に使われている野菜、トマポなんデシ。見たことないデシか?」


 トマト?


「そうデシ」


 いや、絶対違うだろ。


「そうデシ。それは明らかにトマポデシ。Κが知らなすぎるだけデシ」


 分かったから、俺から離れてくれないか? お前の担当場所はどこなんだよ? さっきから俺のやること見て文句ばっか言いやがって。


「それがボクの担当している仕事デシ。主に口先だけの仕事デシ」


 そうかよ。


 すると、俺の隣で黙って皮剥きしていたアデルさんが急に作業の手を休め、満足そうに頷いてくる。


「うむ。ようやく一個仕上がったか」


 うわぁ……。

「うわぁ……デシ」


 見れば、皮を剥かれてやたら小さくなってしまったジャガイモ。

 俺とデシデシは唖然と言葉を失った。

 料理当番のギルド仲間が背後から声をかけてくる。


「仕上げた野菜はまだかー?」


 はい、すみません。すぐやります。

「一個は済んだぞ」

「ボクが持ってくデシ」


 皮を剥いた野菜が入ったカゴーー主に俺が不器用に仕上げた野菜ーーを手に、デシデシがそれを運んでいく。

 新たに空いたカゴを用意して。

 俺とアデルさんは、再び野菜の皮剥き作業に入った。



眠すぎて文字見えなくて誤字脱字ひどいからちょい仮眠します。

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