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Simulated Reality : Breakers【black版】  作者: 高瀬 悠
【第一章 第三部序章 後・上編】 砂塵の騎士団 【上】
168/313

必要なのは誰かの協力【17】


 ーー夜八時過ぎ。

 いつも通りの日常を終えた俺は、自室にこもり、ノートパソコンを片手間に宿題をしていた。

 ふと。

 メールが届いたことを知らせる音が鳴る。

 俺はシャーペンを宿題の上に置いて、ノートパソコンへと向き直った。

 届いたメール通知。

 メールを開けばJからだった。


【こっちは別にええねんけど。お前、親にはこのこと何て言うてんねん?】


 ……。


 俺はメール本文に文字を打ち込んでいく。

 打ち終わり。

 送信ボタンをクリックして、Jにメールを送信する。


 ……。


 溜め息を吐いて。

 俺は再び無言で宿題へと体を向け、シャーペンを手にした。

 いつも通りに問題集を解いていく。


 ……。


 シャーペンが止まり。

 俺はぽりぽりと頭を掻く。

 問45がどうしても解けない。

 うーん、なんでだろう。

 近くにあった本棚から参考書を引っ張り出して、ぱらぱらとページを捲っていく。

 たしか似たような問題がどこかにあったような……。

 何度捲るが出てこない。


 はぁ……。なんかマジむっけー。明日ミッチーに聞こうかな。


 参考書を閉じて。

 問45を飛ばして次の問題に進む。

 次の問題になればスラスラ解けた。

 答えが合っているかは知らないが。



 しばらくして。



 パソコンからメール通知の音が鳴る。

 俺はキリが良いところまで問題を済ませると、シャーペンを机上に置いた。

 咳払いを一つして。

 パソコンへと体の向きを変え、マウスを操作し、届いたばかりのメールを開く。


【それ、ほんまなんか? 絶対お前の親、納得してへんやろ。ほんま親に言うてんのか? お前の親、絶対俺のこと知らへんやろ?】


 ……。


 手を止めて。

 俺は天井を見上げてしばし考え込む。

 ふと、視線を下ろして。

 机の上に置いていた卓上カレンダーへと目を向ける。

 そして指折り数えて内心で納得し、再びパソコンへと向き直った。

 メール本文に文字を打ち込んでいく。


 ……。


 打ち終えて。

 俺はメールを送信する。



 すると、しばらくして。

 すぐにメールの返事が戻ってきた。


【それバレたら、俺どないすんねん!ヽ(`Д´#)ノ】


 ……。


 うーむと唸って、俺は腕を組んで眉間にシワを寄せると考え込んだ。

 もう一度卓上カレンダーへと目をやって。

 そしてもう一度、今度はゆっくり確実に両手を使って丁寧に指折り数える。


 よし。


 うんうんと自己満足的確信を抱いて、俺はメール本文に文字を打ち込んでいく。

 打ち終えて。

 俺はJにメールを送信した。


 すると一息の間を置いて。

 今度はすぐにメールは返ってきた。


 メールを開いて内容を確認する。

 Jからの返信はたった一言だった。


【>大丈夫。 ←アホか!(ノ#-_-)ノ ~┻━┻ 】


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