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俺の嫁は黒炎剣【なろう版】  作者: 木原ゆう
第零章 《黒き炎の厄災》
4/66

俺、お姫様抱っこされました。(改稿済み)

「おいおいおい……。どうなってんだよ、一体……」


 一体どこだよ、ここ……。

 なんで校門の前がいきなり荒野とかになってんだよ。

 しかも延々と、遥か彼方まで荒野が広がってんじゃねえかよ。

 俺、こんなド田舎の中学に入学した覚えはないんですけど。


「ようこそ。《剣》と《魔法》と《暗黒》の世界へ」


「……へ?」


 いつの間にか目の前に見ず知らずの女が立っていた。

 って、おいおい、お前は――。


「……む? もう勘付いたか・・・・・・・奴等め・・・


「……はい?」


 夢の中に出てきた黒衣の女。

 なぜそいつが俺の目の前にいるんだ……?


「話はおいおい、だな。来い」


「ちょっ……!」


 女に腕を引かれ、俺は教室を後にした。

 幸いクラスの奴等は全員外の様子を眺めているお蔭で、この女の存在には気付いていない。


「ちょ、おい……! 痛ぇよ! 腕! 痛いです!」


「時間が無いのだ。我慢しろ、旦那様」


 ……今、なんつった?


「ちっ、数は……各国それぞれ1000前後か。総数約3000。いけるか……?」


「おい! 何を一人でぶつぶつ……! てか『旦那様』って何だよっ!」


「ん? ……まさか『あなた☆』のほうが良かったのか?」


「言いかた違うっ!」


 ☆もいらねぇ!

 そうじゃなくて!


「とりあえず見通しの良い場所に出なければいかんな」


「聞いて人の話! そして腕痛いです!」


「旦那様よ。この建造物の中で周辺を見渡せる場所はどこだ?」


「だから……ん? 『建造物』って……この学校のことか?」


「そうだ。どこだ?」


「どこって……。そりゃあ屋上、とか?」


「行くぞ」


「うわっ!」


 ……何故か俺、お姫様抱っこされました。


「やだ! 離して! 恥ずかしい!」


「騒ぐな」


「騒ぐよ! おろせ!」


 何を考えてるのかさっぱりな女は嫌いだっつの!


「あそこか」


 黒衣の女はそのまま俺を抱え、屋上に向かう階段を10段飛ばしくらいで駆け上がっていく。

 ……おい。


「よし。ここならいけるな」


 そしてあっという間に屋上へ到着。

 あまりにも俺がいやいやと騒ぐから、降ろしてくれたのはいいんだけど。

 お姫様抱っこってこんなに怖いものだったっけ?


「……説明、して下さいますか?」


 つい敬語になっちゃった。

 ていうか、まだ足が震えている。


「距離は……約300ULウムラウトか。まだ射程外だな」


 なんか物騒な言葉が聞こえてきたんですが。


「少しなら時間がある。……この世界のことを説明しようか、旦那様」


 ――そして黒衣の女は語る。





 説明受けました。

 以下、その説明から抜粋。


 この黒衣の女の名前は『グロリアム・ナイトハルト』。

 こっちの世界から俺のいた世界へと逃亡してきた言わば『逃亡者』だという。

 言われてみれば納得。

 だってそんな感じの格好だし?

 黒い服で目立たないように、みたいな?


 ……でだ。次に『こっちの世界』のこと。

 三つの国がせめぎあっている世界だそうで。


 《剣》の国である『ノースブリュッセルム』。

 『剣聖アリアンロード』が治める武人達の国。


 《魔法》の国である『エターナルグルセイド』

 『大魔道士ミハエル・ウィングルズ』が治める魔術師達の国。


 《暗黒》の国である『グランディアサーヴァント』

 『不死の王ヴュラウストス』が治める不死者達の国。


 ……うん。

 わけ分からん……。


「それを今すぐ信じろと言われても困るんだけど……」


「今はそれでも構わん。力を貸して貰えるのであればな」


「力を……貸す?」


 ……なぜ、俺?


「そうだ。旦那様の――」


「それ、もういい加減に止めてもらえねえかな。俺、まだ15歳なんだけど」


「うっ……。では何と呼んだらいい?」


「何って……普通に。日高、とか。ほむら、とか」


「そうか。では、ほむら」


 下の名で呼ぶんだ……。

 まあいいけど。


「ほむらの《力》――。それはお前の右手の甲にすでに宿っている」


「右手……?」


 ……あ。このあざのことか?


「その痣は《契約》の証。ほむらが我が夫となったことを示す紋章のようなものだ」


「ぶっ!!」


 だから!

 さっきから旦那様とか、夫とかわけの分からないことばかり……!


「……覚えていないのか?」


 ……覚えていない?

 ……。

 え?

 もしかして……あの夢・・・のことを言ってるのか?


「……じゃあ、まさか、俺って――」


 ごくり、と生唾を飲み込む。



「――あのとき・・・・、本当に一度死んでいるのか?」




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