Ep37 遊園地
「ウッチー、来たわね!」
そんな咲の声が聞こえた。
今日は日曜日、四人でテーマパークに遊びに行く予定の日だ。
そして只今集合時間の15分前、女の子を待たせてはいけないだろうと早めに来たはずなのだが・・・
「待たせちゃったね。」
何故か三人ともいる。
オレは待たず待たせずというポリシーで動いているから大体10分前に着いてるように調整しているのに、このメンバーだともっと早く来ないといけなさそうだ。
「ううん、私も今来たところ。」
そう南が言ってくれる。本当かどうかはわからないけど気を使ってくれるのはいいなぁ。
「でも咲ちゃんが私よりも早いなんて珍しいよね。」
そういえば、咲は時間ぎりぎりに来るとか言っていたっけ?
それはまた別の人だったっけ?
「私だって早い時は早いよ。」
咲がそう反論する。
今日が楽しみでいてもたってもいられなかった、とかまあ子供じゃないし無いよね。
「俺が来た時にはもういたからなぁ。」
そう俊が言う。
「ということは俊も今日は早かったってことだよね。」
「そりゃあ女の子を待たせるなんて男の風上にも置けないからな。」
・・・
あれ?それってオレが男の風上に置かれないってこと?
まあ女だけど、女だけど・・・
「どうしたウッチー、俺に惚れ直したとか?」
・・・
いや、男が早く来るなんて前時代的考え方だ。
特に南の性格なら時間内に来ればいい、むしろ南と同時間に来た方がいいと思うんだ。
気を使わせずに、かつ待たせない。
そんなことできたら・・・いや、できる!
待ち合わせ場所が見える所に先に来ておいて、南が来たと同時に行く。
うん、完璧な作戦だ!
・・・でもそんなことをして南が喜ぶか?
いや、絶対に喜びはしない気がする。
結局先に来て待っていることと変わりないもんな。
それよりも何も考えずいつも通りに来た方がいいよな、というかオレならそうして欲しいと思うし。
「海斗君?どうかした?」
「いや、何でもにゃい。」
「そう?何か考え事してたような顔だったけど。」
「大丈夫、もう結論付けたから。」
「何を考えてたんだよ。」
「どうしたら俊が親友としてオレを見てくれるのかについて。」
「別にそんなこと考えなくても俺たちは親友以上の関係だろ。」
以上、の部分が不必要なんだよ。
「ほらほら、そんなことよりさっさと行くよ!これからが本番なんだから。」
咲のその一言でやっと動き出した。




