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Ep32 衣替え(夏)

今日から6月、衣替えの日だ。

実際には夏服を着始めていいだけで、冬服の人もいるのだが。

でも大抵の人は夏服を着るよね。

あと、夏服着ている他の学生見ないと不安だよね。

そんなことを思いつつ夏服を着て部屋を出る。

「あれ、今日ってもう衣替えの季節だったっけ!?」

そんな声が聞こえる。

妹の明日香だ。冬服を着ている。

「別に冬服のままでもいいんじゃにゃいの?」

「そんなわけにもいかないでしょ!」

うん、まあ他人と違うと不安になる部分はやはり兄妹似ているんだよな。




「夏服もいいなぁ。」

そう口にしたのは俊だ。只今学校である。

そして明らかにオレの方を見ているから、ここでの夏服はオレのことに違いない。

「確かにこの学校の制服って悪くにゃいよね。」

「ウッチー凄い似合っているぞ。」

「ありがと。そういう俊も似合っているよ。」

「そ、そうか?」

俊が照れている。社交辞令として言ったつもりだったんだが・・・。

そこへ南がやってきた。

夏服姿は去年も見たはずだけど、じっくり見てなかったからか、ただ惚気ているだけのかわからないがやっぱり可愛いなぁ・・・。

「確かに福井って可愛い部類に入るよなぁ・・・。」

俊がそんなことを口にした。

「どうしたの?熱でもあるの?」

南が不思議そうに聞いた。

「人が折角褒めてあげてるのにその反応は無いんじゃないか?」

「ご、ごめん・・・。」

でも南の気持ちはよくわかる。二人は恋敵なのだから。つまりは・・・

「もしかして嫉妬・・・?」

「そんなんじゃねーよ。」

「なら・・・もしかして南を好きに!?俊、というか誰にも南は絶対譲らにゃいから。」

「大丈夫、俺はウッチー一筋だから。」

それも大丈夫ではない。

「そういえば俊は何でオレが好きにゃわけ?」

オレは前々から聞きたかったことを聞いてみる。

これだけしつこいのだから聞いても良いだろう。

「うーん、まな板な所?」

「殺されたいの?」

「半殺しまでなら。」

「本当にそれだけが理由にゃら俊のこと軽蔑するよ?」

「それも悪くないが・・・まあ可愛いし、どういう奴か知ってるし、可愛いし。」

「それってオレじゃにゃくてもいいんじゃ・・・?」

「そんなことないぞ!お前じゃないといけないんだ!」

そう言われましても・・・。

「じゃあ逆に聞くけど、何で南が好きなわけ?」

そんなことを俊に聞かれた。

「可愛いし、性格良いし、好きって言ってくれたし・・・。」

「なら俺でもいいじゃん。」

えっ?

「自分のこと可愛いと思ってるの?」

「・・・それは言葉の綾と言うかなんというか。でも少なくとも俺もお前のことが好きだぞ!」

「それは男の時のオレに言えるのか?」

「そ、それは・・・。」

「南はオレの見た目じゃにゃくて中身を見てくれたんだ。そんなことが俊にできるか?」

その当人の南が目の前にいる状態でこんなこというのも恥ずかしいけど、俊にはきちんとわかって欲しいからな・・・。

「それは当然に決まっているだろ!」

「オレが男の時もそう思っていったと?」

「あ、当たり前だろ!」

「へぇー、そうだったんだー、ちょっと軽蔑しちゃうわー。」

もちろんそんなこと思っていなかったことをわかっての発言。

本当だったら・・・まあそれでも振るが。

だって恋人にしたいと全く思わないもん。

・・・あれ、俊からの返事がない。

「おーい、俊?」

「あっ、いや、なんでもない。」

「何でもないって何が何でもにゃいの?」

「そんなことより、好きって言ってみてくれない?」

・・・

「バカ。」

「ありがとう!」

好きって言って無いのですけど・・・

まあこのバカにはほんの少し、0.1%程度好意的な意味は含まれているっちゃ含まれているけどさぁ・・・。



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