Ep26 大富豪
前回までのあらすじ
猫派である渡辺佳保里と、犬派である山田咲との間で火花が巻き起こる。
その争いを見て佳保里の親友である丸山加奈は良い所があると言ってオレたちを連れて行った場所は何故か佳保里の屋敷だった。
そこで加奈が行うつもりだったものとは・・・
「んーと~、それはこれだ~。」
そう言って加奈ちゃんが指差したのは・・・
何の変哲もないエアホッケー台に見える何かであった。
「何でエアホッケー・・・?」
というかいつからそこにエアホッケーの台があった・・・?
「うーん、何となく~。」
「何となくって・・・。」
「加奈はそういう子なのよ。」
そうカオリンは言った。
「これで勝負して決着をつけろってことでいいのね?なら犬派と猫派に分かれて戦争だー!!」
「でも咲ちゃん、どういう風に分けるの?」
「普通に猫派と犬派で分ければいいんじゃない?他の四人はどっち?」
そう咲が聞いてきた。
加奈ちゃん曰く、「どっちも好き~。」
南曰く、「もちろんネコです!」
オレに向けて言っていないか?
俊曰く、「ネコに決まってるだろ。」
オレに向けて言っているだろ。
「ならオレは犬派・・・」
「なら俺も犬派だ!」
俊が食いついた。
「じゃなくて猫派。」
「なっ!?」
ふっ、甘いな俊。オレが犬派と言って南が釣れたらそのままで、お前が釣れたら変えればいいだけの話さ。まあ二人とも釣れてしまった時は困ったんだけど。
「自分の意見をコロッと変えるから悪いんですよ。」
「ぐぬぬ・・・。まあいい、福井、俺と勝負だ!」
「望むところです。」
というわけで組み合わせは
俊 vs 南
加奈 vs 海斗
咲 vs 佳保里
とまあ必然的にそうなるわけだ。
最初の試合が始まる。
始めは俊が押しているように見えたが、南もそれをきっちりと防いでいる。
二人の凄い熱意が伝わってくる。
のだが・・・。
「最初の試合が終わらない・・・。」
最初は熱い試合が繰り広げられていて盛り上がってはいたが、全く内容は進まないことに観客四人は飽きてしまったようだ。
終わるのを待つ間、トランプでもしようという話になった。
「爺。」
カオリンがそう言った。
「はい、お嬢様。」
っていつの間に執事が!?
ってあれ、いつの間にか消えた!?
「爺って忍者かにゃにか?」
「爺はうちの執事よ。」
いや、まあわかるけど・・・。
「それじゃあ何しよう?」
いつの間にかカオリンの手にはトランプが握られていた。
「やっぱりトランプと言えば大富豪でしょ!」
「さんせーい!」
「ルールはどうするの?」
まず大富豪はルール確認から始めないといけないんだよな。
咲が口を開いた。
「私が知ってるのは、都落ち、8切り、スペ3、階段、縛り、11バック、5飛ばし、7渡し、10捨て、9リバ、後は・・・。」
「ちょっと待った。」
「何?どのルールがわからないの?」
「11バックから後が・・・。」
「11バックはJを出した時に強さが逆になって、5飛ばしは5を出した人の次の人の番を飛ばして、7渡しは7を出した人が次の人に好きなカードを渡すことが出来て、10捨ては10を出した人が好きなカードを捨てることが出来て、9リバは9を誰かが出したら順番が逆になるの。」
うん、覚えきれない。
「へぇ~、そんなにルールがあるんだ~。」
「いや、もっともっとあるわよ、私が知らないだけで。」
まじか・・・。
「なら最初はみんながわかる範囲でルールを決めて、その後少しずつ増やしていくってことでどう?」
「それでいいわよ。で、どのルールを取り入れる?」
「オレが知ってるのは都落ち、8切り、3スペ、階段、縛り、11バックくらいかにゃ。」
「ならそのルールでいこ。」
トランプを配り始める。
「縛りって二枚出した時はどうするの?」
「片縛は無しでいいんじゃない?」
「階段って、同じマークだけだよね~?」
「そうじゃないとつまらないでしょ。」
何でルール決めるだけでこんなに時間がかかるんだろう?
そういえば喉が渇いたな・・・っていつの間にか目の前に飲み物がある。みんなの前にもあるが、それぞれ飲み物が違う。
「これオレの分でいいんだよね?」
「そうよ、爺が用意しておいたから。」
確認もとったことだし目の前のジュースを飲む。グレープフルーツだ。
でも何で飲み物が違うんだろ?
「でも何で私がカルピス好きってわかったの?」
咲がそう言って気づいた。グレープフルーツジュースはオレの好きな飲み物だ。ってことは他の人も好きな飲み物?
「お客の好みがわかってこその執事だそうですよ。」
それじゃあほぼすべての人間が執事になれません。
「あぁ、そうだったんだ~。そういえば今までもその時飲みたいジュースが出てきてた気がする~。」
うん、加奈ちゃんらしい。




