表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/39

Ep24 猫好きに悪い人はいないと思う

席替えをして窓際という春のぽかぽか日差しが当たる場所を手に入れたということもあって、前にも増して凄く眠くなる、というか只今睡眠中。

でもオレが寝てたら南や俊が撫でてきたりするんだよな、ほら、こんな風に。

頭を触られる感触があるので起きて誰かを確認する。

予想とは違っていた。

「あっ、ごめんなさい、起こしちゃったかしら?」

頭を撫でていたのは・・・誰?

時々見る顔だけど、同じクラスになったことはない。

制服から同学年なことだけはわかる。

背は低めで、制服着ていなかったら高校生には絶対見えなさそうな感じだ。

「気にしにゃくていいよ、もう起きるつもりだったし。」

だがそれより気になるのは、誰かということと、未だに頭に置かれている手だ。

「あっ、ごめんなさい・・・。」

こちらの考えを察したのか、手を引っ込める。

でも何だか未練がましそう・・・。

「・・・別に満足するまで触っててもいいよ。」

「いいの?」

オレは頷く。

再び撫で始める。何だか嬉しそうだ。

「撫でてると何だか幸せな気持ちになってくるよね。」

この声は南だ。どこかから帰ってきたみたいだ。

「うん。」

彼女もそれに同意する。

オレは何かの縁起物か。

そして撫でてくる手が一つ増えた。まあ別に撫でられるのも悪くないからいいけど。

「で、君は・・・?」

「あっ、私は2-1の渡辺佳保里わたなべかおりです。あなたはウッチーちゃんですよね?」

やっぱ違うクラスだな。でも

「間違っちゃいないけどウッチーちゃんって・・・。内田海斗という名前があるんだけど。」

「知っているわよ。」

知っていてウッチーちゃんなのね・・・。

別に嫌なわけではないけど、あだ名にちゃん付けはねぇ。

「うちのカオリンが邪魔してごめんね~。」

そんなおっとりした声が聞こえてきた。

今度は誰だろう?

また知らない人ということは他クラスか。

「いや、私が許したの。」

そうオレはフォローしておく。

「そうなの?てっきりカオリンの猫好きが暴走したのかと~。」

「そんなわけないでしょ。」

他クラスに入ってきて寝ている知らない人の頭を撫でることは暴走ではないのだろうか?

「彼女は丸山加奈まるやまかな、私と同じ2-1よ。」

渡辺さん、説明ありがとう。

「カオリンは猫好きなのに猫アレルギーでね~、猫に触れないんだけどウッチーちゃんは大丈夫みたいね~。」

まあオレは人間だからな。

・・・って他クラスではオレはウッチーちゃんで定着しているのだろうか?

「でもほんと、ウッチーちゃんかわいいよね~。」

さらに撫でる手が増えた。さすがに重い・・・。

「ちなみにね~、カオリンは猫のぬいぐるみをたーくさん持っているんだよ~。」

「ちょっと加奈!!」

でも猫アレルギーなのにどうして猫好きになるんだろう。

「ねぇ、猫のどういう所が好きなの?」

そう南が聞いた。

「べ、別に好きじゃないですし。」

・・・ツンデレ?

「なら犬好き?」

「あんな人の言うこと聞かないと生きていけないような動物なんて可愛くない。しかも噛みついたりなめまわしてきたり・・・。」

その発言は犬派に喧嘩売っているな。

「じゃあ猫のどういう所がいいの?」

「自分勝手に行動しつつも時々甘えてきたり、ちっちゃくてしなやかな体つきとかあの可愛い耳とかがもうたまらないの!」

そんなに事細かに説明できるとは。というか撫でてる手に力が入って痛い・・・。

「・・・はっ!?こ、これは違うの!」

撫でる手が痛い、痛いよ・・・。

「もう~、別に隠すこともないのにね~。」

「そうだよね、恥ずかしいことじゃないのに。」

「そ、そうかしら?そこまで言うなら猫好きになっても・・・。」

あれ、猫好きって言われてなるものだっけ?

まあ撫でる手が優しくなったからいいか・・・。

「でも猫好きなのに猫アレルギーって辛いよね。」

「そうなのよ、触りたくても触ると目がかゆくなったり鼻水が止まらなくなったりして・・・。」

なら猫好き止めればいいのに、って言うのは無粋か。

「三人で何ウッチーを撫でているの?私も混ぜて混ぜて!」

そう言って入ってきたのは咲だ。お、重い・・・。

「あら、咲じゃない。」

「カオリン、加奈っち、久しぶり!」

二人と咲は知り合いだったのか。

「で、何の話をしてたの?」

「えっとね、渡辺さんが猫好きなのに猫アレルギーで可愛そうだって話。」

「えっ、カオリンが?なら犬好きになっちゃえばいいんだよ!」

「犬なんて人間に媚び諂うような動物は嫌い。」

ほんと直球だなぁ。犬に嫌な思い出があるのか?

「その言葉は犬好きな私に対する宣戦布告とみた!」

咲って犬好きだったんだ。

「どう考えても猫が正義!」

うん、意味わからないぞ。

「確かに猫も可愛いけど、犬の方が100倍可愛いから!」

二人の間で火花が散らされる。

そしてオレの頭の上が痛い・・・。

「ちょっと二人とも、まずは落ち着いて、ね?」

南の手は離れた。特に現状は変わらないが。

「これはね、犬派と猫派との戦争なのよ・・・。」

咲がそう言った。ちなみにオレは猫派です。犬も可愛いけどね。

「ならいい場所があるよ~。」

そう加奈ちゃんが言った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ