Ep12 宣戦布告
「どうしたんだ、そんな嬉しそうな顔して。」
そう聞いてきたのは俺の親友である稲葉俊だ。
「聞きたい~?どうしてもって言うなら教えてあげなくもないけど~。」
ちなみに今日は月曜日、前話の次の日と言えば分るだろう。
「まさかウッチー、告られたとか言わないよな!」
なかなか察しがいいな。
「実はその通りなんだよね~♪」
「ちょっとまて!そんなこと神様が許してもこの俺が許さねえぞ!」
「俊の許しを得ようなんてこれぽっちも思わないけど。」
「相手は誰なんだ?拓也か?聡か?」
「残念、違います。」
「なら誰だ?」
「言わない。」
言っちゃうとつまらないしな。
「なあ、教えろって!」
俊がしつこくしてくる中、当の南が来た。
「南ちゃんおっはよー!」
南も笑い返してくれた。はぁ、これぞ青春って感じでいいなぁ。
「・・・、お前わかりやすいな。」
「えっ、何のこと?」
えっと、俊と何話していたんだっけ・・・?
そんなこと考えていたら俊が席を離れた。南の方に向かって・・・あっ、そうだった!
俊は南の前に立ち、口を開いた。
「福井さん・・・、ウッチーは譲らないから。」
おい、何宣戦布告してんだよ!というかまず俺は俊のものじゃない。
「それはこっちのセリフですから。」
南も全く負けていない!・・・そんな負けん気強かったっけ?
しかし今のでクラスの奴らの注目の的となってしまっている。
「ちょっと俊!」
俺は終わらせに入る。
「ウッチー、俺、お前を振り向かせて見せるから・・・。」
「なっ・・・」
何恥ずかしいことをみんなが注目している中で言ってんだよ!?
「海斗君は私と付き合ってるんだから。」
南もクラスの中心で交際宣言!?
こうして俊と南との間で俺をめぐるバトルが始まり、また俺と南の交際もクラス中に知れ渡ることとなった。