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Ep0 始まり
その日、俺は体に違和感を覚えながら起きた。
風邪でも引いたのだろうか。それともただ単に寝起きだから体に違和感を覚えるだけなのだろうか。
俺は後者だと考えてベッドから抜け出す。高校入って初めての春休み中とはいえ、普段通りの生活リズムを行うと計画している自分に二度寝という誘惑はない。眠けりゃ昼寝でもすればいい。そんなことを眠い頭でボーっと考えつつリビングに出る。
そこには先に起きている母がいた。起きてきたことを知らせるため挨拶をする。
「おはよう。」
その口から出た言葉に俺は違和感を覚えた。何故か普段よりも自分の声が高いのだ。まるで女性の声であるかのように。
母も違和感を覚えたようで、風邪か心配をしてくる。それに、顔つきが少し変だともいうのだ。そんなにしんどいわけでもないのだが、まあ風邪の可能性もあるし、母の優しさに甘えるのもいいかもしれないと考え、今日は一日休むことに決めた。どうせ休み中なのだが。
その後、何気なく行ったトイレにてとある事実が発覚することとなる。そして俺の普段が崩壊する。