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~先輩~


──────────────

───────……………



キーンコーン…


チャイムが鳴り響く


その音と共に、生徒たちがちらほらと帰っていく


また部活へと足を運ぶ者、教室に待機する者と様々だ



「それじゃあ私は図書委員に行ってくるね」


「じゃ、アタシも…」


「私も部活見学行くね

桜はどうするの?」


「私は帰るよ」


そう言って私はバックを持って廊下へ出た



********



「みんな部活決め始めてるのかぁ…」


(私はどうしよう…)


私はみんなみたいに自分に合う部活もないし



私は校門へと足を進める


すると…



ダム、ダム…



ボールの跳ねる音


隣の体育館の開いたドアから音が鳴り響く


「あ…」


見えた


「はぁ、はぁ、はぁ!!!」


男の人…茶色い髪の男の人がボールを軽快についている


体育館にはその人1人だけ


何度も何度もボールをドリブルしてから、ゴールへとシュートする


その軽やかさに私は目が離せなかった



ツルッ


「ヤベッ!」



ゴッ!!!


「あたっ!!??」


男の人がボールを滑らせ、私の顔面にクリンヒット


「ふ、ふにゅら…」


ダメだ…クラクラする…



私はその場に倒れてしまった




──────────────

───────……………



「ぶ…だい…」


声…誰だろう…??


「ん…?」


「あ、気が付いた!! 大丈夫!!??」


「あ、は……!!??」


私の目の前にはあの人がいた


「ごめん、大丈夫!!??」


「は、はい!!

…練習、してたんですよね…?

中断させてごめんなさい…」


「あはは、いいって

ちょうど休憩しようと思ってたところだから

それよりも…顔…」


その人は私の頬に触れる


「///!!!」


「顔…傷はないけど…痛かったよね」


「だだ、大丈夫です」


暖かな手


「あ、あぁあの!!!」


「ん?」


「ば、バスケ上手なんですね!!!」


「あはは、ありがとう

けど…俺なんてまだまだ…三年にもなってまだレギュラーにもなれてないんだし」


「で、でも…私は先輩のバスケとても好きです!!!」


「…へ?」


「あ…」


(わ、私何を言って…!!??)


「…あはははっ!!」


(わ、笑われた…///)


「ありがとう…良かったら練習してるとこ見る?」


「え!? い、いいんですか!!??」


「うん、いいよ」


そう言って先輩は立ち上がって練習を始めた


軽やかに動く身体に、それについていくボール


キレイだった




──────────────

───────……………



~翌日~



「はぅ…」


翌朝、私はぼうっと浮かれていた


昨日は先輩…立花修二先輩の練習を見て、家まで送ってもらっちゃった!!


「桜!!」


「は、はい!!??

あ、ゆ、ゆうきちゃん…」


「どうしたの? ボーッとして…ほら、次教室移動」


「あ、う、うん」



********



「…でさ、この間…」


「あ…」



渡り廊下、少し先には修二先輩の姿



「あ、桜ちゃん」


「こ、ここ…こんにちは!!!」


「こんにちは

次教室移動? 化学室かな?」


「は、はい」


「俺たちさっき化学室使ってたんだけど…臭いよ~

気をつけね」


「く、臭い…?」


ぽんっ


修二先輩の手が私の頭に乗る



「うん、スゴく」


「////」


じゃあね、と言って修二先輩は去っていった



(あ、あた…頭…撫でられた///)


「桜~…あんたいつの間にあんなかっこいい人と知り合ったの~?」


「ゆゆ、ゆうきちゃん///」


ゆうきちゃんがニヤニヤしながら聞いてくる



「あんたの彼氏?」


「ちち、違うよ///!!??」


「じゃあ片想い?」


「片…///!!??」


片想い…


私、修二先輩のこと…




*********




「はぁ、はぁ…!!!」



昼休み


私は体育館を覗く



ダム、ダム



(やっぱりキレイ…)


そこには昨日と同じようにドリブルする修二先輩



「はぁ、はぁ……ん?あ、桜ちゃん」


「あ、こ、こんにちは…」


「ははっ、こんにちは

見てたの?」


「は、はい!」


「よく練習してるって分かったね」


「昨日のお昼も…修二先輩が練習しているの見てたから」


「そっか」


修二先輩は私の元へ近づき、隣へ座る


「ちょっと休憩~」


ふぅ…と息を吐く


「…ほわぁ」


私はふとボールを手にする


「案外重たいんですね…」


「慣れちゃえばそうでもないよ」


私は立ち上がって修二先輩みたいにドリブルをしてみるが、思うようにいかない



「わわっ!!

…やっぱり難しいです~」


「シュートは?」


修二先輩に促されるまま、私はシュートを決めてみる


が、


ガコッ


「ありゃ」


入らない


「むむ…」


ガコッ…ガコッ…ガコッ…


鳴り響くのは外れた音


「は、入らない…」


「こうやるんだよ」


修二先輩が私の後ろへ回り、手を添える



「/////!!!???」


「そうそう、こうやって手は添えるだけ」


バク、バク、バク…


心臓が早い



「ほら、打つよ…せーの…」


パシュッ…


「あ…///!!!!」


入った


キレイな高を描いて、ボールは吸い込まれるようにゴールへ


「わぁ!! すごい!! すごいすごいです!!」


「こんなに喜んでもらえるなんて」


「あはははっ!!!」



修二先輩


どうやら私はあなたのことが好きみたいです。



「修二先輩っ」




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