~ふと見たバスケットボール~
ダム、ダム、ダム…
床に鳴り響くバスケットボールの音
キュッ、キュッ、とシューズが踵を返す音
「はぁ、はぁ…!!!」
乱れ気味の息
バスケなんてあまりやったことないけれど、ルールもよくしらないくせに
何故か目が離せなかった
あなたの全てが私を夢中にさせた
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1人の少女が廊下を歩く
少女は人よりも背が小さく、そして金髪がかった長髪が目立っていた
暖かい風が吹く4月上旬の今日この頃
私、小山内桜は無事に高校入学を果たし、高校生活を満喫しようとしている最中です
「桜~!!!」
ぎゅっ!!!
「きゃっ!?」
突如桜に抱き着く少女
少女は少し茶髪がかった髪に、巻き毛が特徴のとても美人な少女
「あ、愛ちゃん!
急に抱き着いたらビックリしちゃうよ~」
「ごめん、ごめん笑」
えへへ、と笑うこの美人な女の子
私の中学時代からのお友達、牧野愛ちゃん
「こら、牧野! いつまで桜に抱き付いてんの?」
後から2人の少女が続く
1人はボブ程の黒髪の少女に、1人はブラウン色の髪を三つ編みに眼鏡を掛けた少女
「だって桜かわいいんだもん」
「桜が困ってるでしょ」
私から愛ちゃんを引き離すボブの女の子
この子は小学校から一緒の中村ゆうきちゃん
「あぁ…廊下で騒いだら迷惑よ汗」
このおっとりした子は相沢杏子ちゃん
私たち四人はずっと一緒
「どうしてみんなここに?」
「アタシらも購買行こうと思って」
「そそ、それに桜1人で行かすのは危ないしね」
「あ、危ないって…ゆうきちゃんそれどういう意味~?」
「ほ、ほら早く行こう? 早くしないと売り切れちゃうかも…」
ちょっと納得がいかないまま私たちは購買へと向かう
購買部は下駄箱近くにある広いスペースに設置されている
私たち一年生は教室が四階で、購買部は一階だから遠い
そして購買部までは階段と、途中にある二階の渡り廊下を通らなくちゃ行けない
私たちは渡り廊下を歩く
「…ん?」
私はふと、そこから見える体育館に目がいった
体育館の壁に設置された4つのドア、ここから見えるその内の1つが開いていた
(誰か練習でもしてるのかな?)
けれど、その割にはなんだか静かな様子
私は気になって足を止め、体育館に目を集中させた
「あ…」
そこから微かに見えた
バスケットボールをドリブルする男の人が
(練習…? でも1人で?)
「桜ー? どうしたのー??」
「あ、な、何でもないよ!!」
気になったものの、私はその場を後にした
*********
「部活かぁ…」
購買から帰って来た私たちは教室で机を並べ、ご飯を食べる
そんな時ゆうきちゃんがふと呟いた
「ゆうきちゃん部活悩んでるの?」
「悩んでるっていうか…」
「ゆうきは勧誘がハンパないからね」
「いや、それ牧野もでしょうが」
「え? 2人とも勧誘されてるの!?」
「まぁね…アタシはどっちかっていうとマネジ勧誘がヤバい」
(愛ちゃん美人さんだからみんなマネージャーに欲しいと思うよね)
「ゆうきちゃんは?」
「私は運動部の勧誘が…」
「ゆうきちゃん運動神経いいからね
スタイルもスゴくいいし」
「いやいや、杏子だってスタイルいいよ?
胸大きいし」
「むっ…////!!!???」
「それで? ゆうきは何部にすんの?」
「ん~…牧野は?」
「未定…けど、野球部だけはパス」
「は? 何で?」
「野球部はむしろゆうきをご所望みたいだし?」
「は?」
「ゆうきー!!!!!」
「ほら、噂をすれば…」
「ゆうき、なぁ! 野球部入れよ!!!」
突如私たちのもとに現れたのは落合啓太くん
私とは小学校から一緒で、ゆうきちゃんの幼馴染
お家が隣同士なんだ
「何で私が…」
「だってゆうき俺と同じくらい野球詳しいし、体力あるし、面倒見いいし」
「却下」
「何で!!??」
「何でも!!!」
言い争う2人
小学校から見て来た私にとって、2人は付き合ってるものだと思ってたけど…実は違って
でも、啓太くんの方はゆうきちゃんのこと好きだと思うんだけどなぁ…
「ところで、桜と杏子は部活決めたの?」
愛ちゃんが徐に聞いてくる
「私は図書委員入ったから…部活はいいかなぁって」
「私は…」
私は…どうしよう
ゆうきちゃんや愛ちゃんみたく勧誘されてるわけでもないし、
かと言って杏子ちゃんみたいに委員会入ってるわけでもないから…
「考えとく…」
ただ、さっき見たバスケが頭を過った