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幼なじみ(男)が私より可愛い件について。  作者: シュレディンガーの羊
10/21

act.10 絶対に女が落ちない台詞



「深葉ぉ、あれなによ?」

「……佐雨、クラスメートの顔くらい覚えなよ」

「あれは普通に宮嶋でしょーが。深葉じゃあるまいし、クラスメートくらいわかるよ。アタシが聞いてんのはなんでずーっとこっち睨んでるのかってこと」

指で示されたのは後ろにどす黒いオーラをしょってこちらを睨んでいる宮嶋。ただでさえ悪い目つきが三割増しで剣呑だ。

ゔー、と机に突っ伏す。刺さる視線ですでにハリネズミ状態だ。勘弁して欲しい。

「どうやら目を付けられたらしい」

「なんだ、告白されたわけ」

「な!」

「まぁ、予想はしてたけど」

顔を上げた私はサラリと零された一言に言葉が出ない。そんな私に目もくれないで、佐雨は爪を眺めている。

「なんで、わかるんだよ!」

「深葉が周りを見なさすぎなだけ。旦那がわかりやすさ1位なら、宮嶋のわかりやすさは2位でしょーが」

当たり前と、いうようなその台詞の意味がわからない。それに佐雨のこの観察眼の素晴らしさはなんなのか。え、なに千里眼? 透視?

「おい」

不機嫌そうな声が頭上から降ってきて、私は反射的に顔を上げた。

佐雨に気を取られている間に目の前に宮嶋が立っていた。思わず、苦い顔になる。

「な、なに用かな、宮嶋」

顔が引きつらないように、声が裏返らないようにぎこちなく首を傾げる。彼の目付きが一層悪くなったがこの際無視だ。

「付き合え」

休み時間のざわめいた教室が一瞬で静かになった。再び元に戻るものの、明らかに皆この会話に耳を澄ませているのがバレバレだ。

「ど、どこにかな?」

「しらばっくれんな。俺にはお前が必要だ」

教室が静かに色めき立つ。

やめてくれよ! ただでさえ、由慧のせいで最近は好奇の視線を溺れるくらい浴びてるのに!

「もう断った!」

「諦めねぇっつたろ」

勢いよく机に手をつかれた。だから、いちいち顔が近い。ときめかないし、答えも変わらないから!

私の態度にイライラと宮嶋が叫ぶ。

「だから、由慧の野郎を負かすにはお前が必要なんだよ!」



だから、そんな文句で彼女になる馬鹿いないから!





ちょっと面倒臭い子が参戦です。



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