愛にも毒にもなる
試行錯誤して調合したものを喜んでもらえると、とても嬉しいの。
シャララン、とドアの上部についたベル音が鳴る。
「いらっしゃいませ」
「お嬢ちゃん、邪魔するぜ」
「あら、ミギタさん」
常連さんの顔を確認し、私は後ろを向く。棚にびっしりと並んでる大量の瓶からいくつか選び机に並べる。
「いつものやつ、頼むね」
「かしこまりました」
オーダーはわかっていたから、瓶を順に開けて茶葉やハーブ等を取り出す。
うちはなんでも屋に近いお茶屋さんだ。あくまでも自宅用に包むだけで、このお店で飲むことはできない。本当はここで飲んでもらって、ついでにお菓子も添えて、気に入ったものを買ってほしかったのだけれど、そこに到達するまでには乗り越えるべき壁が多すぎた。そんな勉強する時間があるならば、
「今日も何か試してるのか?」
「はい、そろそろ本格的に寒くなるので、ジンジャーとあわせて子どもも美味しく飲めるものを研究しています」
カウンターの机にはすり鉢に茶葉、薬草やスパイスなどが散乱している。この時間が大好きなのだ。
「はい、いつものやつ入れておきました」
「どうも、あんまり無茶するなよ」
お代を置いて出て行くミギタさんに笑顔で手を振る。
こうやって調合しているのは、少しずつ少しずつあなたが私を好きになるように、混ぜているものもあるのよ。まだ、効果が出るには時間が必要ね。




