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台湾有事返歌

作者: 稀Jr.
掲載日:2025/11/23

袖中乾坤手

不斬来使頭

将来言不預

今日且插兜


ときとして大国は大国ゆえの思惑で小国を弄ぶことがある。それは小国の意図とは関係なく、大国故の自負であったりする。これは、露国でも米国でも同じことであり、人口と資源の多寡のみで歴史を押し流すという、まさしく過去から続く連鎖であったりする。

ときには個人の意図が介在する余地がないと言えるかもしれないが、T 首相の個人的な感想である「存立危機事態はありまーーーーす!」という個人意見もあるので、迂闊なことは言えないのではあるが。


さて、かの水墨画風な切り取りの絵から人は何を読み取るのであろうか。

絵画の読み取りは、中世の西洋の頃から発展し続け、いまに至って廃れたものであるが、ひとつ考察してみよう。


「ええと、ですね。ここの C 国の外交官がポケットに手をいれているわけです。C 国の外交官は、N 国に対しては大国なわけです。N 国は小国であり島国でありますから、ちっぽけなものです。日イズル処の国とかいってますが、あれは嘘っぱちです。東から日が昇るとは限らないでしょう。バカボンのパパの言う通り西から昇ることも考えなければいけないのです。両方の方角から上った太陽が真ん中でぶつかったのが台湾です。そうです。台湾の始祖は、太陽でありアポロンなのです。アポロンが君臨した台湾は、まさしく西から上ったおひさまが台湾に落ちて、土地を開発したわけです。そこに C 国が併合することなどありえないことなのです。昔、ちょっとイイことをしたからと言って、今もイイ事ができるとは限らないのです。だから、そこをわきまえないといけません。世界はですね、大戦の後に変わったわけです。ちょっと前に N 国に負けてしまった清国といまの C 国とは違います。さらに言えば、文化大革命、天安門事件を経て、C 国はできています。つまりは戦時の時の C 国、いえ、そのときの中華民国とは異なるわけです。つまりは国連の敵国条項を受理している中華民国と C 国とは異なるわけです。さらに言えば、当時、常任理事国としての中華民国と C 国とも違うわけです。しかし、それなりに違いながらも、この「大国」を維持しているわけです。C 国の歴史は、中華の歴史であり 5000 年、いや 6000 年の歴史があります。ええと、正確に忘れしまいましたが、殷の時代から連綿と続いているわけです。いや、正確には続いていないのですが、続いていることにしたいのです。果たして、今は漢民族が支配をしているのです。しかし、人口的にインドに負けつつある我が C 国ではあるのですが、周辺の国である N 国に対しては、相対的に「大国」なのです。いいですか、大国なのですよ。その大国がですね、ちょっとだけ折れて「いやあ、今回は許してやるよ、大国なりの心の広さですよ、わははははは」と言っているわけです。どうです? 心が広いでしょう。大国ですから国土も広い訳です。長江も流れています。レアアースの放射性物質もたくさん流れています。もうビットコインの採掘で電力を入れまくりで大変なことになってしまっていますが、上海のビルも崩壊寸前にたくさんの建造物が立っているわけです。あまりにも立ちすぎてしまったから、いったん壊して立て直すぐらいの経済的余裕がですね...実のところはないのですが、見栄を張って立て直しているわけです。もうバブルです。経済成長率も達成していないし、少子化問題も誤魔化してはいますが、もう大変な統計結果になっています。しかしですね、そこは大国です。大国の矜持と言うものがあるんですよ。10 億人を超える人民を抱える C 国の体面をですね。わかりますか? 毎日大変なんですよ。胃が痛いのです。いつまで、この体制が続くか分かりますか、ええ? 習主席は 150 歳まで生きる気なんですよ。もう、私なんかですね、その頃には死んでいますよ。しかしですね、私にも子どもがいます。そのうち孫も生まれます。一人っ子政策でね、人口が激減する中で統計をあれこれと模索しながら、増えているようで増えていないような、チベットの砂漠に押し戻されている国土を支えつつ(実際には、緑が増えているようだが)、もう「大国」の体面を保つにも大変なのです。はあ、ええ、台湾のことは放って欲しいのです。ひとつの中国といってですね、香港をいきなり返還させてしまったときはもうそりゃ大変ですよ。外貨を稼ぐのがね、もう、なんというか、ゴーストタウンになるんじゃないかとひやひやですよ。しかしですね、今では C 国本国からの資金投入でなんとか経済成長率を保っていますが、大変です。わかりますか? この気持ち?」


と言っているかもしれない。まあ、それも分からないでもない。しかしですね。ポケットに手を入れて親愛の情を示しつつ、ちょっと威圧的に「大国」を自称するのもどうかと思うのだが、それに対して N 国の外交官はこう思っているかもしれない。


「ふん、大陸にいるからといって C 国が大国だと思うなよ。あんたたちの国は、歴史的に見ても、他国を侵略しては支配してきたじゃないか。チベットもウイグルもそうだし、満州も朝鮮もそうだ。我が国は、八紘一宇の精神で他国を解放しているのだ。アジアの先駆となって進んできた国なのだ。国土は狭い。資源もない。しかしだな、頭脳と柔軟性は抜群なのだ。なんせ、国内 AI を駆逐してしまって、肴 AI とかを作るぐらいだからな。台湾からの TSMC の半導体もさらっと誘致してしまうぐらいの外交力があるのだ。ちょっとした、産業スパイもいるしな。あんたたちの華僑だか、一帯一路だかの投資とはわけが違うのだ。なにしろ、アフリカにまで行って SDGs でございと振りまいているからな。経団連のホームページを見て見ろ。田園調布...じゃなくて田園構想に飽き足らずに、世界に手を広げているのだ。しかも、日本国内にホームタウンを誘致するぐらいだぞ。クルド人、パキスタン人、ベトナム人、フィリピン人、もう、大変なものだ。国の中で排外運動がおこる位に、どんどんと外国人を入れては出し入れては出して働かせてしまうのだ。なんといっても、ベトナム人相手の教育実習生制度なんてものもあるのだぞ。いまとなっては、円安で来る実習生...というか、奴隷もいないのに、もうどこからどうかき集めてよいものやら困った挙句に、実習生制度を見直すっていうんだからな。どこが、実習生かわからない。低賃金で働かせ放題改革ってやつだ。さらにはだな、T 首相みずから、ワークライフバランスを捨てて午前三時から働いているぞ。午前三時だぞ。受験生がそんな時間に起きて勉強して眠くて頭に入らない、ばかみたいな時間だ。オールナイトニッポンの第二部が始まる位の時間だぞ。英単語なんて全く頭にはいらないで、ラジオから流れてくる馬鹿話を受け流して、予備校に行って「昨日のあれさ」と話すぐらいのネタを貯めるぐらいの時間だ。なんだ、そんな時間まで起きてやってもしかたがないだろう。睡眠時間は大切なんだぞ。頭の働きが鈍るぞ、馬鹿か、とか誰も言わないものだから、嬉し気に誇ってしまうような T 首相を抱えてだ、こちらは苦労しているのだ。ここに来たのだって、しりぬぐいみたいなもんだ。T 首相が台湾有事を撤回しないものだから、ここでこうやって、なんとなくにこやか外交をしなくちゃいかん。もう、やっとこさホタテだったか海産物だったか、その前だって決して買われているわけでもないのに、ちょっと売れるのだか売れないのだかでやいのやいの言われながら、こうやってだな、ええ、N 国は小国ではございますが、いえいえ、外交の礼儀は示しますが、決して国内での問題を C 国に干渉されたくはありません。ってな態度を取らないといけないのだ。わかるか、この気持ちが。いや、わからんかもしれんがな、もうなんといっても、C 国でのロックコンサートも中止になってしまうし、京都には C 国からの観光客が無断キャンセルをしまくるし、いったいどうすればいいんだ? ええ!? キャンセル代は国持ちか? 議員の給与を月五万上のせしてる場合とちゃうぞ。おこめ券とかへらへらしている問題じゃないんだ。もう、まったく。コンビニの 100 円おにぎりは不味くなってしまったがな。あのローソンのカップの表示はなんとかならんのか」


と愚痴っているかもしれない。

いやいやいや、お互いの心の中はよくわからないものだ。絵画の読み解きは鑑賞家の勝手、それぞれである。


ひとまず、返歌を送っておこう。


斬らぬ手に

信の重さを

潜みつつ

兜の影に

憐を忍ばせけり


【完】


https://x.com/JackSparrowCCP1/status/1991165956698362233 からのインスパイア小説


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