首無モノガタリ
皆、何かに酔いながら生きている。
自分であったり、物であったりと様々だ。文字通りお酒なこともある。
対して自分はどうだろうか。果たして何に酔っていると言えるだろうか。
頼りない自分か?依存できる煙草の煙か?共に歩んだ仲間か?支えてくれた家族か?
どれもしっくり来ない。
数少ない選択肢の中から敢えて選ぶとすれば自分だろうか。
酔いが覚めれば地獄だが、歌もうまく歌えるし酔えないよりはマシだろうか。
話は戻るが、皆は何に酔っているだろうか。
親友は恋人だろうか、もう一人は車か。家族はどうだろうか。学校のあの人はどうだろうか。有名なあの人はどうだろうか。
色々な思考の末に辿り着いた終着点は、僕が酔っていたのは物語であったことだった。
誰かの創る物語に酔っていただけだった。
僕自身には何も無かった。
酔いが醒めたようだった。