79三つ目の鍵
79話更新しました
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マーガレットがたった一人で90階層を踏破したが流石に疲れたのだろう
「後は任せてよろしいかしら、わたくし少し疲れましたわ」
ようやく出番が来て喜ぶラベンダーとアーニャ
「待ってましたわ」
「ラベンダー行くわよ」
二人はモンスターの群れに突っ込んで行く
「さて妾も参加しようかのう」
パラミアも退屈していたのだろう
嬉々として敵に突っ込んで行った
「どの世界でもホンマに女性は恐い生きもんやな、俺も乗り遅れん様にせんとな、後で何を言われるか分からん」
三人から少し遅れ俺も敵に突っ込んで行く。
そして現在95階層
このダンジョンもおそらく残り階層は少ないはずだ
「さてどうする、一気に行くか」
「ウム、そうじゃの~それが良いかもしれんのう」
「ではとっとと終わらせるか」
96階
敵の数は多いがさほど強敵と呼べるモンスターは出現しなかった
97階
ここでもそこそこ強いモンスターは現れたが厄介な奴は現れなかった
98階
相変わらず敵の数は多い
その敵を全て殲滅した後
「どうやら一匹強い気配を感じるのう」
「あぁそこそこ強いモンスターだな」
するとラベンダーが突然
「ねえ今回は私達にやらせてくれないかしら」
と珍しくラベンダーとアーニャが言い出した
「どうする」
俺はパラミアに意見を求めた
「やらせてみたら良いじゃろう、だが焦って無謀な突っ込みはイカンぞよ」
「分かっています、お姉さまありがとうございます」
「アーニャ行きますわよ」
「準備は出来るわまずは私からね」
そう言うとアーニャは弓を構え矢を放つ
一発目は普通にかわされる
続けて矢を三連射するがこれも素早くかわされた
「コイツなかなか反応が早いわね、ではこれならどうかしら」
アーニャは懐からチャカを取り出し
「これでも食らいなさい」
チャカの引き金を引く
2発の弾が銃口から放たれた
敵も流石にこの攻撃はかわす事が出来ず
一発目は腕に二発目は足にヒットする
「アーニャスゲーこの距離で二発ともヒットするとは命中率高いな」
敵が呻き声を上げヨロけた所で
「ラベンダー後は任せたわよ」
「えぇ任せといて」
今度はラベンダーが走り出した
手には槍を持って突撃していく
まずは右腕を槍で突き刺す
続けて右足
「これで最後よ」
顔、胸、腹に三段突き
モンスターは何も出来ずに倒された
「二人共見事じゃ」
「ありがとうございます」
「昨日の連携の練習が役にたったわね」
二人共満足そうに微笑んでいる。
99階
「ここが最深部だよな」
敵は見当たらないがクリスタルも無い
「もしやこのダンジョンは更に下があるやもしれんな」
「まぁ敵は居ないからさっさと下に続く階段を探そうぜ」
99階の最奥に到達するが階段が見つからない
「これはどうゆう事だよ、階段が無いじゃんか」
「隠蔽しているかも知れんのう、壁や地面を調べてみよう」
皆で手分けして至る所を探し回る
暫くすると
「お姉さま、ここに何かありますわ」
マーガレットが見つけた物はスイッチっぽい物だった
「まぁ押したら何かが起こるんだろうな」
「他に怪しい物の見当たらないし押すしかあるまい」
「では押しますわよ」
マーガレットはそのスイッチを恐る恐る押した。
すると壁が崩れ落ち先に続く通路が現れた。
「へぇ~こんな仕掛けになってたんだ」
「奥で微かに気配を感じる、急ぐのじゃ」
最奥を目指し走り出す。
突き当たりには扉があった
扉を開けると目の前にクリスタルがあり獣人の国と同じ様に黒い霧が包んでいた。
霧からかすれた声が聞こえてきた
「よもやこのダンジョンを突破し隠蔽すらも見破りここまで来る者がいるとはな、ソナタ達は一体何者だ」
「妾はパラミアじゃ、その声ソナタはもしやファーブル」
「そ、その声まさしくパラミア姫、あの結界をどうやって」
「妾の仲間であるこのジンが封印を解いてくれたのじゃ」
「おぉ~そうでしたか、ジンとやら感謝しますぞ」
「感謝は不要です、俺は俺の意志でやった事なんで」
「しかし俺の意識があるうちに姫に会えるとはこんなに嬉しい事はない、そのお姿を見れないのがとても残念だ」
「ファーブルよ視力も失ったのか」
「えぇ俺にはもう必要無いものです、この力を託すのに余計な所に回す余力はありません」
「ソナタも変わらんのう、ワークスもそうじゃったがな」
「姫、ワークスにもう会われたのですか」
「ウム、事情は全てあやつから聞いておる力も託された」
「ならば話が早い姫にこの力の魔将の鍵ゾルトを託します、それと俺の残りの力も一緒に連れて行って下さい」
「ファーブルの気持ちと力確かに受け取ろうぞ」
「姫有難いお言葉感謝します、ではいきます」
ファーブルの全能力をパラミアに譲渡する
「これで俺の役目は終わりました、姫魔界を含めこの世界を頼んます、ではこれにて失礼します」
黒い霧はパラミアの体内に吸収されていく
「ファーブルよ、後は任せて妾の中でゆっくりと休むが良い、大義であった」
パラミアに悲しみは無い
既に覚悟を決めている顔だ
「パラミア戻ろうか」
「あぁそうじゃな、マーガレット、ラベンダー、アーニャもご苦労じゃったな」
マーガレットはにこやかに微笑み
「お姉さま、早く帰りましょう」
「今日はゆっくり温泉に入って体を癒しましょう」
「美味しい料理も待ってますわ」
「あぁそうじゃな」
とパラミアは笑い
俺達はダンジョンを後にする。
80話「一時の安息」をお楽しみに




