76特殊体と剣士の意地
75話更新しました
ブクマ、評価、レビューよろしくお願いいたします
強烈な気配を肌に感じ先に進む
更に凄まじい殺気
「皆気を付けろよ、間もなくエンカウントするぞ」
そして広間にソイツはいた。
「コ、コイツは人間なのか」
人型のモンスターとか今まで見た事も無い
「コヤツ元は人間じゃった可能性があるやもしれんな」
「もしそうなら多分剣士だったんじゃないか」
腰に3本の剣を差しているので間違いないだろう
「どうしてこんな姿に」
「私達で成仏させて上げましょう」
「そうですわね、同じ剣士としての情けですわ」
「気を付けろよコイツは今までの奴とは違うぞ」
「分かっていますわ」
良かったどうやら油断も慢心もしていない様だ。
「しかしアヤツあそこから一歩も動かぬな剣に手をかけてはいるのじゃが鞘の中から出ておらぬ、それとあの青いエリアはなんじゃ」
「あぁあれはな俺の世界では居合いと言って立派な剣術だよ・・・んっ青いエリアだと、もしやマズイお前達それ以上踏み込むな~」
だが時すでに遅しマーガレットとラベンダーが青のエリアに踏み込んでしまっていた。
次の瞬間
「「キャ~」」
マーガレットは腕をラベンダーは足を切られた
とっさに後退りをして深手にはならなかったものの反応が遅ければ真っ二つに切られていた
「危なかった、アーニャすぐに回復を頼む」
「分かったわ」
アーニャはすぐに二人の元に行き回復魔法をかける。
「ジンよ今のは一体どうゆう事なのじゃ」
「あの青く見えたのは敵の間合いだよ」
「間合いじゃと」
「あぁその青のエリアは奴の攻撃範囲だ、あのエリアに迂闊に足を踏み入れると気付かぬうちに切られる奴の絶対領域だ」
「なるぼどのう、奴はかなりの剣の使い手で間違い無いじゃろうな」
「そうだな、しかもかなり厄介な相手だと思うぞ」
アーニャの回復が終わるとマーガレットとラベンダーは戻って来て
「すみません警戒が足りませんでしたわ」
「私も無闇に行き過ぎたわ」
「仕方ない、今切られた所までが奴の攻撃範囲だ気をつけろ」
「ジン先ほどの技は一体何ですの」
「あれは居合いという剣術だよ、しかもかなりの手練れパラミアが言っていた通り元人間で間違いない」
「だけどあれ以上入れないのならコチラは攻撃のしようが無いですわ」
「確かにそうだが逆にアソコに入らなければ攻撃は受けない」
「でもそれじゃ、先に進めませんわ」
「焦るな、考える時間があるだけラッキーだと思えば良い」
それから暫くアレコレ考え一つの攻撃方法に行き着いた
まぁこれしか思いつかなかったというのが正直なところだ。
「4方向からの魔法同時攻撃、そしてその間に1人が切り込むこれしかない」
「まぁそれが無難よのう」
「但し魔法が全て打ち落とされた場合は作戦中止にする」
「えっ何でなの?」
「4方向からの攻撃を食い止められるなら何方向からでも同じ事になる、すなわち間合いに入った瞬間に切られるという事だ」
「分かったわ」
「では切り込む役はわたくしにやらせて下さい、わたくしはあまり魔法は得意ではありませんから」
「ではマーガレットに任せた、だが無茶して突っ込むのは無しだからな」
「承知していますわ」
「じゃあそれぞれ位置についたら一斉に攻撃を仕掛けるからヨロシク」
皆は素早く移動し早速魔法を撃ち込むが奴までは届かない。
「ダメだ全部撃ち落とされる」
マーガレットも無謀な突っ込みはせず冷静に戦況を見ている。
「なぁライアン聞こえるか」
「あぁ聞こえておるぞ」
「俺が鉄壁を使ったら無傷で奴の所まで行けるか?」
「う~ん今のお前の熟練度から言わせてもらうと死ぬ事は無いがかなりの手傷を負う事になるだろうな」
「やっぱダメか」
「まぁ我を召喚出来る様になればあれぐらいは容易いがな」
ライアンの自慢はシカトして
さてどうしたものか
これといって良い案が浮かばない
「一時撤退するしか無いのか」
一度集まり皆の意見も聞こう
全員を呼び寄せ
「どうする?、このままでは時間だけが無駄に過ぎて行くだけだ」
「ウム、ここは一度引くしかあるまい」
「お待ち下さい、わたくしは反対ですわ」
「マーガレットどうした?」
「わたくしは敵に背を向けたくありません、相手も魔物とはいえ同じ剣士正々堂々と戦いたいですわ」
「全員で攻撃してる時点で正々堂々では無いんだけどな」
「ゴ、ゴホン今は細かい事は良いのよ、ここはわたくしに少しお時間を頂けませんか」
「マーガレット何か策があるのか」
「特に無いわ」
「ノープランかよ」
緊迫した状況なのに思わずツッコミを入れてしまった
「マーガレットは本当に大雑把ね、見た目とは正反対だわ」
「ズボラだしね、後寝相も悪いわ」
マーガレットはラベンダーとアーニャをニラミつけ
「あなた達今関係無い事までバラさないで下さる」
へぇ~今の話全て事実なんだ
「と、とにかくよろしいかしら」
「まぁ好きにしたら良いよ、ただしダメだと分かったら撤退するからな」
「えぇ~心得ましたわ、では行ってきます」
何の策も無く一体どうするつもりなのか
「正直この状況が変わるとは思えんがまぁ見守るか」
マーガレットは敵に向かいゆっくりと歩いて行く。
76話「剣豪VS剣士マーガレット・受け継ぐ力」をお楽しみに




