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73悩み

73話更新しました

ブクマ、評価よろしくお願いします

現在5階層

おれの葉隠の試し切りは残念な結果に終わったが皆の手応えはすこぶる良い感じだ。

「俺の葉隠は改良が必要だな」

パラミアをはじめ女性陣に渡した武器はもう体の一部の様に使いこなされている

「俺には武器を使いこなすセンスは無いんかな」

マーガレット達と初めて戦った時は俺の方が上だったのにもう遥か遠くまで引き離されている

「ヘコむなぁ」

などとネガティブな事を考えていたら

「ジンよ10階に到着したから帰るぞよ」

「あ、あぁそうだな」

パラミアが11階に降りる階段を結界魔法を掛けて今日の探索は終了となった。


街に戻り食事も早々に切り上げ俺は部屋に閉じ籠った

「俺には武器が持つ最大限の力を引き出す技量が無いんだろうか」

パラミアやマーガレット達は上手く武器の力を引き出せている

このままでは俺の存在価値が無いしいざという時皆を守れない

「んっ俺ってこんなに悩む性格だっけ」

前世を入れて約40年以上あまり悩んだ記憶が無い

それどころか考え無しに突っ走るタイプだったはずだ

「まぁ今は自分がおかれている環境が違うし仲間の生死に関わる事単純な話では無い」


そんな自問自答をしているうちに急に激痛が走る

「痛、頭痛だと」

生まれてこのかた病気らしい病気などした事が無い俺が今頭痛に襲われている

「バカは病気をしないんじゃ無かったのかよ」

物凄い頭痛に悪態をつきながら時間が過ぎていく。


気がつくと外は薄明るくなっていた

「朝か結局寝れんかった」

取り敢えず起き上がろうとした時更に頭痛がひどくなる。

「クソが何なんだこれナメてんのか」

イライラが頂点に達し物に八つ当たりをしてしまう。

その時

ドアをノックする音が頭に響く

「ジン起きてる、もうすぐ朝食よ」

ドアの向こうからアーニャの声が聞こえてくる

俺はイライラを我慢して

「悪い飯はいらない、後今日は頭が痛いからダンジョン探索には行けそうもないと皆に伝えてくれないか」

「大丈夫なの」

「あぁ大丈夫だ」

「分かったわ、皆に伝えておくからゆっくり休んでね」

「ありがとう」

何とか落ち着いて話が出来た

危ない痛さで怒鳴る一歩手前だった


それから数日経ったがいまだに頭痛は続いている。

そろそろ体力の限界が近いが動きたくない

「人間って1週間飲まず食わずでも生きられるんだっけ」

あれから仲間達が入れ替わり立ち替わり来たが部屋には入れなかった

正直こんなみっともない姿を見せたくないというのが大半を占めていた


その日の夜中

誰かの気配を感じ殺気だつ

「誰だ鍵はかかっていたはずだ」

「落ち着け妾じゃ」

声の主はパラミアだ

「ジンよ随分とやつれたのう、皆も心配しておるぞ」

「スマンな迷惑を掛けて」

「そんな事は良い、何か人には言えない悩みがあったんじゃろ妾に話してみる気は無いか」

俺はこれまでの事をパラミアに話した


「ワッハハなんじゃそんな事で悩んでおったのかジンらしくないのう」

「笑うんじゃねえよ、いたって真剣なんだからよ」

「いやスマンのうソナタも人の子じゃったか妾は安心したわ」

「変な言い方すんな、まるで俺がバケモノみたいじゃんか」

「転生者というだけで充分人ではないわ」

「まぁそうなるんか」

「それでジンが今抱えてる悩みじゃがソナタは何でもかんでも一人で抱え過ぎじゃ」

「しかし俺がもっと強くならないと」

「気持ちは分かる、じゃが1人で出来る事などたかだか知れておるじゃろ今ジンに出来ない事は出来る者に任せるそれが仲間というものじゃろ」

そう言われてハッとなる

俺は何を思い上がって勘違いしていたんだ

「そうだ、そうだなパラミアありがとうお陰で胸の中がスッキリしたよ」

「それは良かった、あの娘達もここ数日元気が無くてなあ見ていて可哀想じゃ」

「あぁ大丈夫だ明日には顔を見せる」

「ウムそれが良いじゃろう、では妾は帰るぞ」

パラミアが部屋から出て行った後

不思議とあれほど苦しんでいた頭痛も無くなっていた。

「仲間かぁ」

改めてそう認識すると何か気恥ずかしい

この世界に転生して約10年ほどアイツらとは5年程の付き合いになる。

前世では仲間と呼べる者は居なかった

何でも1人で解決してきた

この世界に来て初めて出来た仲間それを失いたくない思いが俺を闇落ちさせていたのだろう

「そうだよなもっと仲間を信頼しないと意味が無いな」

あのBEASTWARSも皆で乗り切ったんだ

あれから更に強くなった

「俺は俺の行くべき道を行く、Going my wayだ」

俺も気付かぬうちに俺の中の何かが弾けた


翌日

「皆迷惑かけてスマンな、もう大丈夫だから」

「良かったわ心配したのよ」

「元気になって何よりだわ」

「あまり心配をかけさせないでよ」

「ようやっといつもの雰囲気に戻ったようじゃな、昨日まではまるで死人の様じゃったからの」

「お、お姉さま余計な事は言わないで」

「まぁ良いではないか、それより昨日までとどこっていた分今日からペースを上げて行くので励めよ」

「あぁ任せろ」

俺の心も晴れ渡り、天気も晴れ今日は何か良い日になりそうだ。

「くぅ~何か恥ずかしい」

俺は久々の食事に少し吐きそうになりながら楽しい一時を過ごした。








74話「解き放たれる獣リミット解除」をお楽しみに


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