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29レイズンの覚悟

29話更新しました

最後まで読んでみて下さい

タイムリミットまで後り5時間を切った

俺達は再び敵陣に突っ込む準備が整った。

「向こうさんにも体力回復の機会を与えてしまったな」

「仕方ないさ、コチラの戦力には限りがあるからな、これはこれで良い選択肢だったと思うぞ」

当初の予定より2時間ほど遅れている。

「まぁ予定は未定だからシャーナイ」

などと軽口を叩いている場合じゃ無くなってきているのは間違いない。

辺りも暗くなり視界が狭くなってきている。

これ以上のタイムロスは避けなければならない

「じゃあ行こうか」

再度敵陣へと向かう途中に嫌な胸騒ぎに襲われる。

「何なんだこの嫌な感じは」

敵陣に到着した時その胸騒ぎの正体が判明する

「おい、リーダーの姿が見当たらないぞ」

「マズイ、皆離れるな」

「ヤバい、敵の罠に嵌まったか」

残り2体がコチラに突進してくる、ロンギウスと数名で迎え撃つ

その時

「レイズンはどうした」

レイズンの姿が見当たらない。

辺りを見渡すが何処にも居ない

その時背後から

「ガハハハ、おいお前達レイズンと言う奴はコイツの事か」

その獣人はレイズンを引きずりながらコチラへと歩いてくる。

「レイズン」

既にボロボロ状態で生死も不明

「心配するな、まだ殺してはいない、だがそこから動くなよ動いたら殺す」

まんまと相手の作戦に嵌まってしまった。

「どうだ俺様の作戦は、人間なんぞ俺様にかかれば所詮こんなもんよ」

迂闊に動けばレイズンの命の保証が無い

「クソ、どうする」

「おい、相手は手を出せないんだお前達思う存分やれ」

このままじゃ全滅しかねない。

時間だけが過ぎて行く

相手を侮っていた、砦周辺から動かないだろうと思い込んでいた。

「完全に俺のミスだ」

ロンギウス達は敵の攻撃を防御するので精一杯

それもいつまで持つかわからない。

「何か突破口はないか、落ち着け、考えるんだ」

自分の応用力の無さにイライラする

時間が過ぎるばかりで何も思いつかない。

「ガハハハ、お前達は何も出来無いままここで全滅するんだ、自分の無能さを恨むんだな」

「・・・・れ」

何か聞こえた

「お、俺に構わずコイツらをや、やれ」

「レイズン」

「貴様黙れ」

「は、早く」

「し、しかしお前を犠牲に出来ない」

「た、頼むやれ、やれと言ってるのが分からないのか」

「黙れと言ってるんだ、人質が喋るんじゃねえ」

獣人はレイズンを地面に叩きつけた

その時、俺の頭の血管が切れる音が聞こえた。

「お前、よくもレイズンを許さん」

一気に相手に詰め寄り攻撃を入れる。

「ぐわっ、テ、テメエ殺すぞ」

「お前こそ殺してやるよ、レイズンが味わった痛みを10倍にしてからな」

「小僧が調子に乗りやがって、生意気な口を叩けない体にしてやるよ」

「やってみろよ」

狂った様に襲いかかって来る

頭に血が昇った奴の攻撃は猪突猛進で読みやすい。

俺も実際頭に血が昇っているが内面は驚くほど冷静だ

数発の攻撃をかわし、カウンターでコチラの攻撃打ち込む

「お前はもう終わりだよ」

「ふ、ふざけるな、まだまだやれる」

「もういいや」

それだけ言って俺は獣人に近寄り攻撃を打ち込む。

獣人は気を失って倒れ動かなくなった

「ジン、終わったか、コチラも何とか倒せた」

「それよりレイズンの手当てを」

皆で急ぎレイズンの元に向かう。

「これはヒドイ」

「かなりヤバい状態だ」

「ラベンダー回復頼む急いでくれ」

「分かったわ」

「レイズンしっかりしろ」

レイズンはゆっくり目を開け何かを伝えようとしている。


「ジ、ジン皆頼みがある」

「何でも言ってくれ」

「お、俺はもうダメだ、頼む俺を置いて先に行ってくれ」

「何をバカな事を言ってるんだ」

「お前達のお荷物になりたくないんだ」

「誰も荷物とか思ってない」


この砦のタイムリミットまで残り僅か

「俺がおぶってでも連れて行く」

「ジン、ありがとよ、だが俺はもう戦力にならん」

「そんな事はどうでも良いんだ」

「良くねえんだよ、お前は俺に恥をかかせるのか」

その一言に何も言えなくなる。


「ロンギウス、ライオネル、ジンを先に連れて行け」

「あぁ、分かったよ」

ロンギウスとライオネルとソルトは俺を羽交い締めしロープで縛る

「テメエら何してんだ、まさかレイズンを置いて行く気じゃないだろうな」

「レイズン、スマン」

「ロンギウス、ライオネル皆、絶対振り返らずに行け」

砦の向こうに消えて行く仲間を見送り

「お前達に出会えて良かった、楽しかったなぁー」

体中から激痛が走る

「これ、骨何本折れてるんだ、息もしにくい」

自分の体じゃないみたいだな


そして夜空を見ながら思う

「ジン、このイカれた戦争必ず勝てよ、最後まで戦えないのが悔しいがな」

少し眠くなってきた

「これ寝たら直らんかな」

瞼が重くなる、取り敢えず少し休もう。

「がんばれよ」

俺は深い闇に落ちていく


「お前達どうゆうつもりだよ」

「ジン、レイズンの覚悟が何故分からない」

「分かるが俺には見捨てる事は出来ない」

フェルト、ダリルに続きレイズンまでも

「俺には誰も守る事は出来ないのか、俺は何の為に存在しているんだ」

真っ暗で静寂な闇の中で俺の鳴き声だけが響き渡っていく。






























30話をお楽しみに

ブクマ、評価、レビューよろしくお願いします

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