26二人の勇姿
26話更新しました
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「ロンギウス、何故アイツらを見殺しにした」
俺は怒りロンギウスの胸ぐらを掴む。
「ジン、アイツらの気持ちを分かってやれよ」
分かっていた、だがこのやり場の無い怒りを抑える事が出来ない
自分への不甲斐なさが更に怒りを増幅させる。
「俺はアイツら守れなかったんだ」
「ジンそれは違うよ、俺達はBEASTWARSの勝利を託されたんだ」
「・・・・」
「アイツらの為に絶対勝とうぜ」
一方フェルトとダリルは
「ヤバい、武者震いが止まらない」
「なぁフェルト、それは単に震えてるだけじゃねえのか」
「ダリル、お前だって今にも漏らしそうな顔をしてるぞ」
二人で顔を見合せ照れた様に笑い合う
「じゃあ行くか」
「おぉ~」
相手はニヤニヤしながらコチラを見ている
「じゃあ、お前らをさっさと片付けて次に行くか」
「俺達も舐められたもんだな、俺はフェルトだ、アイツらにやっと恩が返せる、お前をこの先には行かせない俺の命に代えてもな」
「じゃあ俺も、ダリルだここで義理を果たすこれが俺達のジンに対する仁義だ覚悟せえよ」
「あっテメエ、そのセリフ俺が最後に言おうと思って取っていたのに」
「甘いな、こんなのは早い者勝ちだ、俺は美味しい物は最初に食う方なんでな」
「クッソ、おい獣人よ今の話しは聞かなかった事にしてくれ、俺がもう一回言うから」
「お前達は何を言っているんだ」
獣人は変な奴を見る様な顔で俺達を見ていた。
「ゴホン、済まないそれでは始めるとしよう」
「俺達の名前を忘れられない様にしてやる」
「おー来い」
戦闘が始まる。
アイツらと別れる前にラベンダーに補助療法と強化魔法を幾つか掛けてもらった
いつまで効果が持続するかは分からないがやれる所までやってやる。
「まずは俺からだ、行くぞ」
ダリルが先制攻撃を仕掛ける
しかしどれもかわされ逆に相手の攻撃がヒットする。
「ぐわっ」
「ワッハハ、そんなもんか」
次は俺が仕掛ける
やはりかわされてしまい攻撃を受ける
「クッソ」
「弱い弱い、話しにならんな」
「ダリル、このままじゃコチラがやられちまう」
「フェルト、二人で同時攻撃しかねえな」
「あぁ、悔しいがタイマンでは俺達が明らかに格下だ」
フェルトとダリルは二人で同時攻撃を仕掛ける
ようやくコチラの攻撃が相手に当たり出した
やっと互角になったのだ。
「ヨシ、俺達の攻撃がヒットし出したぞ」
「こ、このやろう、調子に乗りやがって」
「一気に畳み掛けるぞ」
俺達は休む暇が無いほど攻撃を繰り出す、相手も負けじと応戦する
まさに一進一退の攻防
お互いダメージの蓄積はかなりのものしかし動きを止めた方が負ける。
「ダリル踏ん張れ、ここが正念場だぞ」
「言われなくても分かってるさ、ただシンドイ」
「大丈夫だ、俺もシンドイから」
それでも攻撃を止める訳にはいかない
スピードも威力もかなり落ちてきている。
「もはや気力勝負になってきたな」
あれからどれくらいの時間が過ぎたのだろう
体中が痛くボロボロだ。
それは相手も同じだが、このままではいつまで経ってもラチがあかない。
「フェルト、どうするよ長くは持たないぜ」
「最後の勝負をするしかないか」
どのみち先は長くない
勝てないまでも相討ちを狙う。
「ダリル、これが最後だもう少し気張ってくれ」
「フェルト、頑張って奴に頑張れと言ったらダメだろ」
「お、お前達みたいな奴に負ける訳にはイカンのだ」
「そ、それはコッチのセリフだ」
そして戦いはクライマックスに突入する。
俺の一撃と獣人の一撃が同時に放たれた
獣人の一撃はダリルの横っ腹にヒットした、同時にダリルから骨が折れる音が聞こえた。
俺の一撃は獣人の顎にヒットするがトドメの一撃にはならなかった。
「ダリル、大丈夫か」
「だ、大丈夫な訳ないだろ、骨が折れたみたいだ」
ダリルは横っ腹を押さえ息をするのも苦しそうだ
「ダリルは休んでいろ、後は俺がやる」
とはいえ俺も力を込めれるのは後一発が精一杯だろう。
「獣人さんよ、この一撃にでケリをつけようや」
「じ、上等だよ」
お互いに拳に力を込め同時に動く。
獣人の拳は俺の左頬に、俺の拳は獣人の鳩尾に
ヒットする、相討ちだ
「こ、この俺が負けるとは、見事だ」
そう言った後静かに倒れる。
「いや、結局相討ちだよ」
俺は膝から崩れ落ちる。
「おい、ダリル生きてるか?」
「ゴブッ、ギ、ギリギリ生きてるよ」
ダリルは口から血を吐き出しながらコチラを見る。
「ダリル、最後まで俺に付き合ってくれてありがとうな」
「へっ、い、今さら水臭せー事言うな」
「ハハハ、そ、そうだなただ感謝している事だけは伝えたかった」
「フェルトよ、これで少しはジン達に恩を返せたかな」
「あぁ、きっと喜んでくれてるさ」
「フッ、それは良かった、フェルトすまん俺少し疲れた先に休ませてくれ」
ダリルはゆっくり目を閉じた。
「俺も疲れたな」
地面大の字になり空を見ながら思う
「ジン俺達はお前から受けた恩義を少しは返せたかな?、俺達はここまでだが後の事は任せた
ジンこの戦争勝ってくれよ」
俺はゆっくり目を閉じる。
こうして第2の砦は終焉を迎えた。
脱落は2名
フェルト、ダリル
残り8名
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