19獣人族からの果たし状
19話更新しました。
新展開に突入します
よろしくです
翌日、親父が久々の休日で待ち望んでいた手合わせが実現した。
結果から言うと
「親父、バケモノ過ぎるやろ」
「ジン、お前も似た様なもんだ、この歳でここまでやれるとは正直ビックリしたぞ、久々に本気になっちまったじゃねーか」
実際完敗だった、一発当てたのが精一杯で後はボコボコ。
「くっそ、まだまだ子供扱いかよ」
「なーに言ってる、子供だから当たり前じゃあ」
「明日から練習量を倍にして来年には必ず親父を倒すからな」
「まぁ、せいぜい頑張れや」
親父のあおり方は腹が立つ、やっている事はガキと変わらん。
ついついムキになって親父の気にしている所をイジる。
「親父、最近デコが広くなったんじゃないか、まもなくハゲそうやな」
「お、お前言ってはいけない事を」
実際にはそれほど怒ってはいない
ガキの遊びに付き合ってくれているだけだ。
親子がジャレ合っているうちに1日が終わる
「久しぶりに楽しい1日だったなぁ」
前世での親父は大嫌いだったがこちらの親父は悪くない。
良い家庭に転生したと心から思う
この平穏な日々が続けと思っていたのだか
世の中そんなに甘くはないようだ
一通の書状が学校に届く。
相手は何と獣人族
学校中に衝撃が走る。
「おい、何でこんなに大騒ぎになってんだ」
「ジン、知らないのか」
「全然知らん」
獣人族と聞いて心踊ったのは俺だけか。
「昔大きな事件があったんだよ」
「何の事件だ」
「俺も詳しくは知らないが昔は獣人の国との交流が盛んな時期があったんだ」
「今は交流は無いのか」
「あぁ、かれこれ20年前に人間と獣人の国交は断絶されたんだ」
「断絶する様な出来事があったわけだな」
「そうらしい、伝わってる話しだけど獣人の学校の中等部に将来を有望視されてた男がいたんだけどその男が数人の人間を殺してしまった、理由は分からんがな」
「なるほどな、それでその男はどうなったんだ」
「さぁ、その後の事は分からん」
結局曖昧な事しか分からんのか
「あっ、おの男に聞いたら何か分かるかもな」
その当時を知るかもしれない奴に心当たりがある。
「ロンギウス、その書状の内容は分かるか?」
「多分なんだけど国交に関する事だと思う」
もう20年以上前なのだから時効でええやろうって思うが人間族からしたら根深い問題なのかもしれない。
「皆さん、緊急発表がありますので、席について待っていて下さい」
「まぁ、聞くまでもない獣人に関する事やろ」
間もなく数人の関係者が入って来た。
「この度、獣人の国からの申し入れがありました」
さてどんな内容かな
「獣人の国での交流戦と言う名の果たし状です、この申し出は断る事が出来ません」
「なるほどな、強制イベントってわけか」
「断れば獣人の国がこの国に攻め込むつまり戦争になります」
「質問良いですか、何故断れないのですか」
「君たちの前で恥を晒す事になりますが今獣人と戦争になれば人数的にも戦力的にも圧倒的に敗北します」
「情けな、それで条件は」
「この学校から10名を選抜して獣人の国でBEAST、WARSというサバイバル戦に挑戦しろと言う事です、3日間生き残ったら我々の勝利、全滅したら獣人の勝利です」
「おいおい、ガキ共に命を張らさせて、この国の運命背負わせようってか」
「結果的にはそうなりますね、勿論強制はしません」
「あんた達は何もせんで見てるだけかい」
「・・・・」
どの世界にも無責任な奴の多い事、全くもって
くだらん野郎共や
「それで開催は何時ですか?」
「返事は1週間後、開戦は今から2月後になります」
「むちゃくちゃだな、悪いが俺達だけで話し合いをしたいからあんたら席をはずしてくれないかな」
「分かった、1時間後に又来よう」
関係者は教室を出て行った
俺はともかくここにいる者は正真正銘の子供だ命のやり取りをするには若すぎる
この様な重大な責任を背負わされるのは酷だろう。
「さて、どうしたものか」
取り敢えず皆を集める
「聞いての通り、これは遊びじゃない、だから無理をする必要もない」
「ジン、お前はどうするんだ」
俺はニヤリと笑い
「行くに決まってるやん」
「お前が行くなら俺も行く」
「もう、ここには戻って来れないかもしれんぞ、良いのか」
「ジン、俺を舐めるな覚悟ならお前とつるんだだ時から出来てる」
ロンギウスもニヤリと笑う。
この教室で名乗りを挙げた命知らずは俺を含めて10人
俺、ロンギウス、ライオネル、レイズン、ソルト、マーガレット、ラベンダー、アーニャ、フォルト、ダリルだ。
「死に急ぐバカ者ギリギリまで修行だ、覚悟せえよ」
コイツらを死なせる訳にはいかない、バカでアホで救いようがない俺の愛しい仲間を。
1時間後関係者に出場する旨を告げた
入れ替わりに皇太子と王女がやって来た
「ジン、俺も一緒に行くぞ」
「先輩は来ては行けない」
「何故だ、俺にも格好つけさせろ」
「イヤだめだ、アンタは将来この国を背負って立つ人物で代わりはいないんだよ」
「そうですよ、ハイン皇太子ここはジンと俺達に任せて下さい」
「お前達、分かっただが必ず生きて戻って来いよ、これは命令だ」
「はい」
「ジンギード様、ご武運を」
「王女様ありがとうございます」
こうして俺達は獣人の国へ向かうべく厳しい修行を始めるのであった。
次回20話をお楽しみに
21話からBEASTWARS編に突入します
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