17王宮召集と王女の初恋
17話を更新しました
よろしくお願いします
あの事件から1ヶ月半ほど経った。
俺の怪我もすっかり良くなり、朝立ちも万全いや体力も万全だ
ミリーナは軽少だったので1週間ほど休んで今は元気に学校に通っている。
明日から学校に復帰する予定だったのだが、今朝王宮からの使者が来て召集令状を渡された。
「俺に何らかの罰が下るのか、上等」
早速迎えの馬車に乗り込み王宮に向かう。
処刑される事も視野に入れていた
「元々一度は死んだ身拾った命悔いは無い」
こちらに転生して前世では叶えられなかった事を幾つか叶えられた。
「それだけで十分お釣りがくるな」
そんな事を考えながら馬車は王宮に到着する。
「さて、いよいよ運命の審判が下る時だな」
しかしここの兵士達は無用心にも程がある罪人に手錠すらしないとはな。
玉座の間に通され前を見ると多分王様、王妃の二人が腰かけており、その両脇に皇太子と王女
後の顔は見覚えのある6人
ロンギウス、ライオネル、マーガレット、ラベンダー、レイズン、ソルトだ。
皆は笑顔で俺を見ている
「処刑される雰囲気では無いな」
俺の思い込み妄想かな
「良く来た、ハインヒルから全ての話を聞いた、この度は我が国の貴族の子息が愚行を働いた事を申し訳なく思う」
「その事はもう良いです」
「それにしても君は物凄く強いんだな」
「小さい時から毎日鍛練を欠かさずにやっていましたので」
前世から合わせると40年近くやっている。
「ところで今日来てもらったのはこのハインヒルに武術を教えてやってほしいのじゃ」
「えっ、俺がですか?」
「あぁ、ハインも君から教わりたいと言っておってな、どうじゃ引き受けてくれないか、勿論報酬は出す」
「はぁ、別に構いませんが」
金が出るなら断る理由が一つも無い。
「おぉーありがたい、後はハインと話をしてくれ」
俺は玉座の間から出で皇太子の部屋に案内される。
ドアが開き中に入る。
「おいおい、ウチの家より広いんじゃないか」
「ジンギード君、まぁ椅子にかけてくれ」
「はぁ、失礼します」
「俺はあの日衝撃を受けた、今までは自分の利益の為にすり寄ってくるか、逆に距離をおくかどっちかだった」
「いや、あの時はキレてたので」
「それでも俺は嬉しかった、君となら地位や年齢を超えて本当の友人になれる」
正直王族とは関わりたくないが逃げ道がどうやら無さそうだ。
仕方がない
「光栄です」
「ありがとう、これから俺もジンと呼ばせてもらって良いか」
「親しき者は皆そう呼んでいます、あと俺はこうゆう性格なんでオブラートに包んで話す事は出来ませんそれでも良いですか」
「あぁ、勿論だむしろその方が良い」
「ジンギード様、わたくしも貴方の事をもっと知りたいですわ」
今度は王女が話し始める。
「王女様のようなお美しい女性とお近づきになれるのはとても光栄です」
「まぁ、お美しいだなんて、お上手ね」
「おい、ジン俺の時とはエライ違いだな」
「皇太子にもお美しいと言った方が良かったのですか」
「いや流石にそれは気持ち悪い、あと俺の事はハインと呼んでくれ」
「いくら俺でも呼び捨てはちょっと、ハイン先輩と呼びます」
「話しは変わるが俺は来年中等部を卒業する、王族の者は11歳になると必ず武道大会に出場しないといけないんだ」
「へぇ~武道大会何てものがあるんですか、面白そうだな」
「3年に一回必ず開催され世界中から猛者達が集まって来るんだ」
「何だその激熱企画は、俺も出たい」
「残念だが一般は15歳からとなっているジンは出場出来ないよ」
「おいおい又王族、貴族優遇制度かよ、不公平過ぎるやろ」
「それは俺に言われてもな、正直俺は大会に出場したくないんだ、武道は得意では無いからな」
「なるほど、だが何で俺はそんなおもしろ大会の事を知らないんだ」
「それはそうだろう、大会は各国の武力と名誉がかかっている、観客は皆王族、貴族で埋め尽くされる一般は見る機会が無いからな」
「またもや理不尽な差別段々イライラしてきた」
「落ち着け、それでロンギウス達がここ数年で驚異的な強さを身につけた事を知り事情を聞いたらジンお前から教わったと聞いた」
「まぁ、教えたのは俺ですが」
「あまり時間は無いが俺にも教えてはくれないか」
正直ハインの卒業まで余り時間が無い大した成果は期待出来ないだろう。
「思った程の成果は出ませんよ、基礎体力向上だけでも数ヶ月は余裕でかかるんで」
「構わない、少しはマトモに戦える様になればそれで良い、それに我が国には2大会連続優勝をした英雄級の強さを誇る人物がいるのでな」
「へぇ~そんな人物がこの国にいるんですか」
これは是非とも手合わせをしたいものだ。
「分かりました、何処までやれるかは保証しませんが引き受けます」
「ありがとう、助かる」
「それでその英雄級の人物は?」
「あぁ、我々も余り多くは知らないんだ、本人の希望で詮索しないでほしいと、優勝者の希望は絶対だからな」
「なるほどってかそんな人物を国は良く放置してますね」
「何回も騎士団長にと打診はしたんだが断られた平民の自分には荷が重いと」
平民の希望を国は尊重するその事にかなり驚いた。
「その人物の名前とかは分かるんですか?」
「あぁ、名前だけはわかる、確か・・・そうだウォーレンクラウダー」
ウォーレン?まさかな
「少し聞きたいんですがウォーレンって名前は沢山あるのですか」
「無い、家名だからな平民ならその名前を持つのはその者と家族だけだ」
「な、ナンですと~」
「ジンどうかしたのか?」
「あの~今から話す事はここだけの話しにしてほしいのですがウォーレンクラウダーって俺の親父てす、俺はウォーレンジンギード」
そこにいた者全員が驚きで誰1人言葉が出なかった、まぁ誰よりも俺が一番驚いているのだが
俺はその後放心状態で皇太子の部屋を出る。
「ハインお兄様、わたくしどうやらジンギード様をお慕いしています」
「ローズお前そうか初恋なのか、俺は歓迎するぞ」
「はい、必ずジンギード様を射止めてみせますわ」
そんな会話があった事など露知らず俺は王宮を後にする。
次回18話をお楽しみに
最後までありがとうございます