12中等部へ
俺も今日から中等部、張り切って行ってみよう。
「気分的には少し大人になった様な感じだな」
そういえば、妹のミリーナだが、入学前の実力テストでは俺の妹だからとかなりの注目を浴びていた。
実際教師達が驚くほどの力を見せ、断トツのSクラスの主席になった
「ザマス先生のクラスなのが納得いかんかったが」
品行方正、成績優秀に加え容姿端麗で文句のつけどころがない。
今や初等部のアイドル的存在
唯一欠点なのが俺の妹だという所くらいか。
「俺の妹にしとくのは勿体ないぐらいだ」
しかもこの妹はおにちゃん大好きっ娘、学校への登下校は一緒、昼ご飯も一瞬と授業以外は常に俺と一緒にいる事が多い。
しかも学校ではお兄ちゃん大好きを公言しているくらいだ
俺が妹に激甘だったのも原因の一つだろうが。
「同級生からしたら、俺は妹に張り付く寄生虫かクラスメイトを近づけさせない殺虫剤的存在だろうな」
全くもって心外である。
そんなミリーナも初等部の最上級生、そして俺は中等部、一緒に登校出来ても、校舎も違うし下校時間も違う。
これを機会にお兄ちゃん離れをしてクラスメイトや同級生ともっと交流を深めてもらいたい。
「これで寄生虫や殺虫剤扱いは無くなるやろってか無くなってくれ」
どうせ家に帰れば何時でも会える訳だしな。
後気にいらないのがミリーナを2年間担任したザマス先生の評価がうなぎ登りらしい。
ザマスも鼻が高々で尚気に食わない
ただミリーナをとても可愛がってくれてるので本意ではないがチャラにしてやろう。
ミリーナの話はここまでにしておこう
中等部初日
俺は一応掲示板を見に行く、初等部の時やらかした経験があるからだ。
「Sクラスで間違いないな、うわっ、又主席かよ」
ちなみに次席はロンギウス、三席はライオネル
上位は元Bクラスの者が独占していた。
それから初めて見る者もチラホラいる、実際初等部は俺が通っていた学校以外に3校ある。
中等部からは2校になり、高等部から1校になる
Sクラスにも数十名の初顔がいる。
明らかに敵対心が丸分かりの視線を俺達に送っている
「おーおー若いね、やる気満々じゃん」
これはこの先楽しくなりそうだな。
「ジンよ、あいつら仕掛けてきそうだな」
ロンギウスが俺に言う
ライオネルも同じく
「一発かましとくか」
「君達、あまりカリカリしない、血圧が上がるよ、もっと大人になりなさい」
「お前が言うな」
俺達のクラスは初日から早くも3つの派閥に別れる。
元Sクラスのメンツ、他の学校から集まった連合体、そして俺達、中立派もいるが結局は何処かの派閥に入るだろう。
「長いものには巻かれろか、ヤクザと何ら変わらんな」
この先派閥同士の抗争があるのは間違いない
「ゾクゾクするね」
「ジンは呑気過ぎだよ」
「お前ら、闘争心が剥き出し過ぎなんよ」
そんな事よ今一番気になるのは担任の先生だ
「出来れば綺麗な女性であってほしい、いや女性じゃないと困る」
派閥争い何かよりこちらの方が俺の優先度は明らかに高いのだ。
どうせ暫くはにらみ合いが続くだろうし、正直どうでもいい
そろそろ先生が来る時間だな、皆が席につく
そしてその時はきた
ドアが開き女性が入ってきた。
「よし、第一段階クリア」
足からから徐々に視線を上に、こりゃー変態の所業だな。
顔まで視線を上げて思わず
「おーヨッシャ合格」
と大声で喜ぶ
皆の注目を浴び、ライオネルとロンギウスは頭を抱えている。
「良いね、文句無し」
これで中等部生活も安泰だな、今日の飯はさぞかしウマイだろう。
先生の自己紹介と出席を取り最後に主席の挨拶つまり俺の話だ。
ぶっちゃけ何も考えていないが仕方がない
少し煽りを入れて抗争の火蓋を切ってやるか。
「Sクラスの主席になりました、ジンギードです、既に派閥が出来ているみたいだが大いに結構な話です、ですが中立派を無理矢理巻き込む事はしないでもらいたい」
続けて話す
「もし、その様な事が報告された場合は容赦なく攻撃させてもらうので覚悟してもらいたい」
教室内が緊迫したムードになる。
「面白れ~殺気がバチバチくるわ~よしこれで開戦の準備万端やな」
一礼して席に戻る。
先生が何か言いたそうな顔をしているが無視だ
「この後ジンギード君少し話しがあるので付いてきて下さい、以上でホームルームを終わります」
先生に促されて後を付いていく。
空き教室に入り話し出す
「これはどうゆう事なの」
まぁ、当然の反応だよな
「俺達との因縁がある初等部時代の面々、他校から来てナメられないようにイキっているメンツ、そしてSクラス上位の俺達いずれぶつかるなら早い方が良い思いまして」
「回避は出来ないのかしら」
「無理ですね、今押さえても結局先送りになり遺恨が残り先々爆発しますよ、大きな膿は早めに出すべきかと」
「君、何かオジサン臭い言い回しね」
オジサンなのでとは言えないので笑って誤魔化す。
「避ける事は出来ない訳ね、分かったわ」
「ありがとうございます、後は俺に任せてもらえればダイジョウV、悪い様にはしないので」
「本当にオジサンみたい」
おやじギャグは見事にスルーされたが、これから楽しい日々が始まる。
こうしてSクラスの派閥戦争が幕を開けた