110上陸
110話更新しました
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俺達はバラカス大陸の入り口に来た
アリンスの町に入るには通行許可証を発行してもらわなければならない。
「皆さん打ち合わせ通りで頼んます」
「「了解」」
町に入る門の前にいる警備兵に停止する様に
促され馬車を止める
「君たち見ない顔だね、この町に来るのは初めてかい」
「そうなんですよ」
「それでこの町に入りたい用向きは何だ、理由無き者には許可証は発行出来んよ」
「実は僕の姉さんが悪い奴らに呪いの面を無理矢理装備されてしまい、それで知り合いからジャフ王国の王都に呪いを解除出来る人がいると聞き藁をも掴む思いで来ました」
マリアンヌには少し前に仮面を装備させその後
封印魔法を掛け外れない様にした
マリアンヌの仮面を見せると
「何と不気味な仮面、なるほど理由は分かったが君たちの話をすぐに信じる事は出来んな」
この返答も想定通りだ
「そんな事を言わずにどうかお願いします」
そう言って兵士の手を握り金を渡す
兵士は金を見てニヤリと笑い
「君のお姉さんを思う気持ちは良く分かった、ヨシ通行許可証を発行しよう、少し待っていてくれ」
~ヨッシャ~俺の予想通りチョロいもんや~
心の中でガッツポーズを取る
今のこの大陸の経済状況を考えてみたら国民に限らず兵士も当然金に困っているだろうとは予測出来た
「まぁ臨時収入を貰って喜ばへん奴はおらんやろう、しかも金貨じゃ尚更や」
この大陸で金貨一枚と言ったら家族4人が3ヶ月以上遊んで暮らせるらしい
「ちなみにソチラの騎士の方は護衛かい」
「はい、道中魔物やら盗賊に襲われる危険がありますから雇いました」
「分かった、じゃあこれが通行許可証だ銀貨1枚と銅貨6枚頂こう」
俺は金を渡すと
「王都に入る前にも幾つか通行料が徴収される、王都でお目当ての人に会えると良いな、ではようこそバラカス大陸へ良い旅を」
馬車は門をくぐり
ようやくバラカス大陸のアリンスの町に上陸した。
「やはり亜人との戦争の影響はこの町まできている様ですね」
「あぁ、人々に活気があらへんな」
「自分達の私腹を肥やす為に国民が犠牲になる事などあってはならない」
マリアンヌは怒りで全身を震わせている
「マリアンヌ気持ちは分かるがもう少し耐えてくれ」
「えぇー分かってるわ」
「それでこれからの行動はどうするんだい」
「今日はこの町に泊まり少しでも情報収集をしたいと思うております」
「理解した」
俺達は一通り町を見て回りようやく宿屋を見つけ宿泊手続きを終わらせる
「なぁマリアンヌ宿屋ってこんなに高いんか?」
「いえこれは高過ぎます」
恐らくは一泊大銅貨5~6枚程度だろうしかも2食付きで
しかし今は1人銅貨1枚しかも食事無し、倍ぐらいの価格だ
「まぁそれだけ王国の税金の徴収がえげつないって事や」
「えぇ、これぐらいの価格設定にしないと生活出来ないのでしょう」
「ホンマ上の人間がクソ過ぎてヘドが出る」
「なぁジン君この国の中枢が腐ってるんだ、一刻も早く王都に向かうべきなんじゃないか」
「そうですねグレスさんの言う通りです、正直のんびりしてる場合じゃない、明日ここを発ちましょう」
翌日
俺達は早朝アリンスの町を出発し次の町を目指す
王都まで幾つかの町を通過しなければならない。
次の目的地はガリスの町
マリアンヌの話では半日もかからなく到着するらしい。
「ガリスの町ではもう情報はいらんやろう、一泊して明日の朝出発しよう」
「そうだね早く王都に着く事が先決だ」
マリアンヌはこの国を憂いているのだろうか
ガリスの町に着くまで一言も口を開かなかった
町に到着したのは予定通りの夜だった
宿を取りそれぞれの部屋に入る
「やはりここも倍ぐらいの価格やな、何とかせな大陸全土が近いうちに間違いなく崩壊するな」
翌日
今日は夜までに二つの町を抜け王都の1つ前のガルの町を目指す
「昨日宿屋の店主とお話をしましたが国民の不満は既に頂点に達しているみたいです、いつ暴動が起こっても不思議ではありません」
「まぁ当然やな、己の事しか考えへん奴が上にいたらそうなるわ、むしろ今まで良く我慢してたと思うで」
「早く王都に行かなければ何も解決出来んね、取り敢えずリンネ姫が見つかるまで助太刀はするよ」
冥王の妹の名を初めて聞いた
「へぇ~そんな名前なんですねリンネ姫かぁ」
全て解決したら是非とも手合わせをお願いしたい。
俺達は順調に進み
夜にはガルの町に到着する事が出来た
「ホゥ~この町はなかなか賑わっている様だね」
「見た感じ戦争に参加する傭兵やら冒険者やらでしょうね」
「どうせ金に釣られて集まった奴らやろ」
「人を集めて亜人に総攻撃を仕掛けるつもりかもしれませんね」
「まぁどちらにせよ残された時間は限られてる訳やな、間に合えばええんやが」
俺達は宿をとり明日の準備と打ち合わせをする
「ジン君明日は王都に入る訳だがまずは何をするんだい」
「それについてだけどもしかしたら仲間が王都で足止めを食らっている可能性があるんや、まずは仲間を探したいんやが」
「パラミアさんでしたっけ」
「あぁもし合流出来れば心強い、動けるメンツは多いにこした事はないからな」
「そりゃ~そーだ」
「明日から忙しくなりそうね」
話は終わりそれぞれ部屋に戻り眠りにつく
翌朝
「さていよいよ王都」
「バキウムまではここから2時間程で着くはずです」
ガルの町を経ち俺達はバキウムへと向かう。
111話「王都バキウム」をお楽しみに




