10森の主?
10話更新しました。体調が悪くおくれました
最後まで読んでもらえたら幸いです。
熊を倒しロッジに戻ると、ライオネルの意識が戻っていた。
「ライオネル君大丈夫か?」
「あぁ、大丈夫だ、迷惑をかけてすまない」
「君には悪いが俺がアイツを倒してきたよ」
「ありがとう」
「やめてくれ、気持ち悪い」
「それにしても、ジンギード君の顔ヤバかったわよ、まるで般若みたいな形相だったわ」
「おいおい、このナイスガイに向かって般若とは失礼な」
「ナイスガイの意味は分からんが、もしかして自分を褒めたのか?」
「真顔で言うな、このボケ殺しめ」
ライオネルも無事で皆安堵し軽口もたたける。
しかし俺って仲間思いだったんだな、自分でビックリしてる。
「ヤクザの前世よりヤクザしてるな」
中途半端な前世のカタギ生活とヤクザ渡世
毎日金を作る為奔走し、金に汚い自己中兄貴に嫌みと無理難題を言われ、理不尽な事も上が黒と言えば白も黒になる、任侠道を貫く人など見た事も無い、映画の中だけ完全なフィクション
そんな奴にはなりたくない。
折角生まれ変わったんだ
「まっとうなヤクザをやってやろう、まぁまっとうなヤクザなんていないか」
「皆、明日、明後日は完全休息にしよう、先生良いですか?」
「えぇ、問題無いわ」
「では決まり」
皆は喜び各自部屋に戻って行った。
翌日出発前にライオネルの様子を見に行く
「どうだ、顔色は良くなってるな」
「あぁ、問題無い」
「それは何よりだな」
「出掛けるのか」
「あぁ、少し気になる所があってな」
「そうか、気をつけてな」
俺は右手を上げ手を振る。
熊を探し回った時に妙な洞窟を発見した
それの調査がてら付近の探索をしてみる
「連れにこれ以上怪我を追わせる訳にはいかない、アレ俺って超イケてる」
周辺探索は問題なさそうだ。
「さて、本命の洞窟に行きますか」
中に入ると悪臭が立ち込めてくる
「うわっ臭っさ、まるで昔のボットン便所以上だな」
鼻をツマミながら奥へと進む。
「何かいるのは間違いないな、クッサイ匂いをさせた獣がよ」
洞窟内は単純な作りで一本道迷いようがない
奥まで進むと何か蠢く物が見えた。
「はてさてどんな獣やら」
敵もこちらに気づいた様で起き上がりこちらに歩いてくる、その距離約50メートルほどだ。
段々姿が見えてきた
「何でだ、コイツゲームで見た事ある、ミノ、ミノ、ミノ何たらだ」
名前が出て来なかったが顔は見た事がある。
「獣じゃない、魔物いやモンスターだ」
どうしてこんな所にいるんだ
ダンジョンとかにいる奴じゃあないのか
「まぁ、どうでも良い仲間に害がある者は消す」
ミノ何たらはゲームでは斧を持ってるイメージだがコイツは何も持ってない、素手だ。
「じゃあ俺も素手でやってやる、ガチンコのタイマン勝負だ」
そういえば中学の時に胡散臭い拳法を習っていた事を思い出す。
田舎の山の中に今にも倒れそうな掘っ立て小屋みたいな道場、門下生は俺を入れて2名、先生は仙人みたいなおじいさんだった。
修行内容は香港のカンフー映画で2、3回見た事ある様な特訓
それに堪えられず1人は辞めて俺1人だけで約1年間辛抱して習得、それ以来1度も実践経験無し。
あれから数十年今こそ初御披露目をする時が来た
「構えはこんな感じだったかな、足の位置はこうだった様な」
準備完了いざ勝負
「さぁこいミノ・・・やっぱ名前が出てこない、よしミノ君にしよう」
ミノ君はパンチと角での攻撃がメインだがスピードはそれほど速くない。
「一発当たれば致命傷だな、まぁ、当たればだがな」
ただこちらの攻撃も顔にヒットさせるのは難しい。
何故なら身長差がある
一進一退の攻防身体がまだガキだから攻撃力も弱い
武器を使うべきだがそれでは何だか卑怯な気がしている。
「そういえば、気功波なるものがあったな、使った事は無いが、でもこれって卑怯なのでは
まぁいいか」
考えるのが面倒臭くなりとりあえずやってみる事にした。
「集中力を高め体内の気を手に集める感覚でって急に出来るか」
無理だった。
これには修練が必要だな
「いよいよ困った、トドメを刺せる技はあるけど今の俺の年齢では体が持たない」
どうする?逃げるか
「いや、逃げるなどそれこそ漢としてありえない」
魔法はどうだ、ワンチャンありか
とりあえず一発打ってみる。
「おっ、効果ありやな、もう少し至近距離で打ってみよう」
肉弾戦をしつつ魔法を打ち込む
ミノ君は後ずさる
「イケる、ダメージが入ってる、一気に畳み掛けるよ」
徐々に体力を削ってドドメの一撃を放ちようやく倒す事が出来た。
「いや~しんどかった、やっぱガキだと理想通りにはいかないな」
体が出来ていない子供、全てが足りない
「納得は出来ないが、これからの成長に期待しよう」
洞窟を出てロッジに戻る。
ライオネルは順調に回復していて一安心だ
次の日は1日寝て、最終日
何事も無く終了、これにて林間学校は無事に終了する。
課題が残った1週間、帰ってからやる事が山積み一つずつクリアしていこう。
「後悔しない様に、半端で終わらない様に、同じ人生は御免だ」
気持ちを新たに進む、悔いのない人生を送る為に。
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