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KAN NAGI〜〜神様実在、地球に襲来?!  作者: ヤチ ヒトニカ
神道十二界編
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Ep.30(70) 暴走の前兆



       〈日本 東京都内某所〉



「ーーとまぁ、こんな感じかな。既に各地方面で争いは起きてる」


 千年(チトセ)から聞かされた現状に、未だ理解の追いついていないキゼルは分かりやすく頭を抱えた。


「大丈夫だ。みんな強いし……まぁ何とかなる!」


「何とかなる……んですかね? というか、なぜ刻導(コクドウ)神道(シンドウ)の居場所を知っているのですか??」


「あ〜〜それはお前あれだよ、神道側に裏切り者がいるからだろ」


「なるほど……え、は?! 裏……ぎ、え?!

ちょちょ、えっと……ダメです、追いつきません」


「まぁそれはさて置いて!」


置かないでください!!


「俺がいま一番疑問に思ってることは摩瓈爾奠(マリシテン)についてだ」


「摩瓈爾奠ですか?? 何かあったんですか??」


「あったもクソもない!! あのボケ太陽神が宣戦布告を終えた瞬間、この地に摩瓈爾奠が30体近く出現しやがった」


「摩瓈爾奠が30……日本に……。千年様、これ以上新情報はやめてください。爆発します」


 既に爆発していた。


「折角イギリス旅行だ〜〜! って思ってたのにさ、あのゴミどものせいで気分災厄だよ」


旅行感覚だったんですね……


「それで、摩瓈爾奠は?」


「うん? あぁ、蹴散らさないとしょうがないからねぇ、八つ当たりしながらパパッと殺したよ」


パパッと……摩瓈爾を……30も……


「……流石は千年様です!!」


 切り替えの速さ、雷の如し。


「まぁね! じゃなくて!! キゼルもおかしいと思わないか??」


「何がですか??」


「摩瓈爾奠だよ摩瓈爾奠!!」


「あぁ……言われてみれば確かに……どうやって日本に来たんですかね??」


「そこじゃねぇよ!! まぁそこもだけど!! 多分、移動手段は『空間移動(ゲート)』だろうな。数名、神通力者の気配を感じたし」


「なるほど! では千年様は何に頭を悩まされてるのですか??」


「数だよ数」


数??


「摩瓈爾奠ってのは魔戎(マジュウ)の覚醒種で、中位以上の神通力者を食うか、共食いをするかで覚醒する」


「はい、それは虎影(トラカゲ)師匠に習いまし……はっ!! 分かりました!! そうか、確かにそうですね」


「そうなんだよ! 覚醒するに必、」


「覚醒には中位以上の神通力者が必要となる。でも、中位以上の神通力者が死んだという情報もなければ、当然上位が死んだ情報もない。つまり、摩瓈爾奠がこんなに存在するのはおかしい!!」


「そ、その通りだ!」


うん、俺が言いたかったこと全部言われた。うん、俺の名推理の時間だったのに。うん、いいんだいいんだ。別に……


「ではなぜ摩瓈爾奠がこんなにも……はっ!! 申し訳ございません、はしゃぎすぎました。というより、千年様の会話を遮ってしまいました。せっかくの名推理だったのに!!」


え!? 心読まれてる?! なにこいつ。キモッ!!


「ゴホンッ、えっと、まぁあれだ! そこら辺は多分刻導が何か知ってるはずだから、ボコボコにして聞き出すぞ」


「分かりました! 行きましょう!!」


「よし、じゃあ早速ーーあ、ちょい待ち。

博士(ハカセ)〜〜! キゼルとイギリス行ってくるけどどうする〜??」


・ ・ ・


「あれ? どっか行ったのかな? お〜〜い、はか、」


「なんや……勝手に行けや。てか大声だすな。頭痛いねん」


 別室の扉から、目の下に濃ゆすぎるクマのできた、見るからに機嫌の悪い彼女が顔だけを出してきた。


「うわ〜〜お。すごい顔してるよ?? 大丈夫??」


「大丈夫やない。頭のおかしい千年(ボス)の命令を、うちは偉いからちゃんと全うしたらこうなった。償えよ、カス」


「おい! 千年様への無礼は俺が許さないぞ!!」


「あぁはいはい。今そのテンション、マジでダルいわ」


「はいはい、喧嘩しない! やっぱ博士も行こうよ! そんなに気張ってたらお肌に悪いよ?」


「肌に悪い?? 何やそれ。うちはえぇから、さっさと出て行け」


「はいはい。じゃあ行こうか!」


「分かりました! あ、千年様」


「何??」


「あの、、グレンは??」


「グレン?? あ、、だったね。完全に忘れてた。ちょっと先に迎えに行くわ」


「いやいや、自分が行きますよ! 場所教えてください!」


「まじ?? じゃあーー」


 千年がキゼルにグレンの場所を伝えようとしたその時、千年にだけ、ある男の声が届く。


(アマネ)千年、ワシじゃ》


 

突如聞こえる声に、千年は動きを止めた。


《……これは珍客。どうした、武蔵(タケクラ)寿(コトブキ) ?》


 千年に『意思伝達(ヴェルシオン)』を飛ばしてきたのは、"竜神(タツガミ)"武蔵寿であった。


《あぁ、久しいな》


《何の用? わりかし忙しいんだけど?》


《すまない、すぐ終わらせる。ワシはいまロシアという国におる。お前の従者とともにな》


ロシア? 従者? ロシ……って、


《グレンと一緒か!?》


 ラストに飛ばされたグレンの場所はロシア。そこにたまたま、武蔵は居合わせていたのだ。


《そうじゃ。いま隣で瓜坊と戯れておる》


あいつ……やっぱ忘れたままでよかったわ。


《じゃあ悪いけどグレンに日本に戻るよう伝えてくれないか?》


・ ・ ・


《おい、聞いて、》


《無理じゃ》


《は?? 無理とは? 意味不明だぞ》


《頼みがある》


《おい、無視すんな》


《ワシは今から"疫病神(エキビョウシン)"とぶつかる。そこで、グレン・ハイズヴェルムを借りたい。というお願いじゃ》


グレンを? いや、足手まとい……じゃないな。そうか、今のグレンを見れば、あいつがどれだけ強くなったかくらいは分かるか。


《本人の意思は?》


《"千年がいいなら"と言っている》


《……わかった。少しグレンと話したい。足元に六芒星があると伝えてくれ》


《御意》


・ ・ ・《あ〜〜あ〜〜、聞こえてる??》


《聞こえてるよ》


《おうよかった!! つうか千年!! お前、俺が文字読めないの知っててやっただろ!? ふざけやがって》


《わざとじゃねぇよ(笑) つうかいい加減文字読めるようになれ。 まぁ元気そうで何より。それより、武蔵から話は聞いたか?》


《おう、ばっちし! 正直、(ウツミ)のこともある。俺にできることならやりたい!!》


《うん、そう言うと思ったよ。ただ、相手は上位だ。今までとは比にならない。やれるか?》


《やばくなったら逃げるから問題ない!!》


おぉ、グレンからその言葉が聞けるとは。


《わかった。なら、俺とキゼルはイギリスにいる。何かあったら飛んでこい》


《了解!! 武蔵は俺に任せてくれ!!》


《はいはい(笑) ーーってことだ。武蔵、グレンのこと、頼んだぞ。もしグレンに何かあったときは、俺がお前を殺すからな》


《っ、わかってる。任せろ》


「ーーキゼル、グレンは大丈夫そうだ。あいつはあいつでやる事あるみたいだから、俺たちだけで行こう」


「そう……なんですか? 分かりました。

(千年様と2人きり……ナイスグレン!!)」


「じゃあ博士! 行くわ! 頼んだよ〜〜」


 そう言い残し、2人は『空間移動(ゲート)』の中へと姿を消した。


「ーーあかん、やっぱうちも行くべきか? 今の千年の感じ……いや、キゼルなら大丈夫……か??」



      〈ベルギー:ゼーブルッヘ〉



「ーー到〜〜着!! ……あれ? ここどこ??」


「イギリス……じゃないですね」


 目的地はイギリスの首都のはず。だが、2人は別の場所に到着した。


「あれ〜〜、おかしいなぁ。ロンドンに着くはずなんだけど……あ、そういうことか」


「分かりましたか??」


「うん。あれだな、イギリス全域に『霄壌断絶(ショウジョウダンゼツ)』か守護領域が展開されてるな」


「あぁ、なるほど。流石は千年様です!!」


「どうも〜〜」


う〜〜ん、弱ったなぁ。どっちだ? 『霄壌断絶(ショウジョウダンゼツ)』なら入った瞬間に気づかれるし、守護領域ならそもそも入れない。どっちにしろ、ちょっと面倒臭いかなぁ。


「っよし、とりあえず飛んで向かおうか。あっちに着いたらまた考えよう」


「分かりました!」


 2人は海を越え、空からイギリスに向かい、数分後、千年がキゼルを止める。


「ここで止まろうか」


 ちょうどドーバーの港が目の前に見え始めたところで2人は止まる。


「どうされました??」


「うん、多分ここら辺から入るとヤバそうだ」


「え? そう……ですかね??」


全く気が付かなかった。流石は千年様です!


「っよし、キゼルなんかいらない物持ってる??」


「いらない物ですか? ちょっと待ってくださいね……ないです!」


「いや、何かはあれよ!! あ、あれは? 俺からの必須任務書! もうあれいらないし、」


「ダメです! 絶対に!! 死んでも嫌です!!」


「あ……そう。ごめん。じゃあ……よし、これでいいや」


 千年が取り出したのは何の変哲もないただの紙切れ。

 彼はそれを丸めて、前方へと投げた。すると、その丸まった紙は数メートル飛んだところで、見えない壁のような何かに弾き返された。


「!? 千年様、今のは??」


「うん、守護領域だな」


 改めて、守護領域とは、系統が守護の神のみ使用できる特殊な結界である。

 1.守護者の許可なく、領域内への侵入不可(万物)

 2.領域内での命源の吸収・命令の使用不可(守護者の許可が有れば可能)


 つまり、今の千年の行為=投げ飛ばされた紙は、許可のない侵入物。故に、弾かれたということだ。


「なるほど、ではあの中に守護の神が……あれ? あれ?! 待ってください、刻導の中に守護の神はいないはずです。なのに何故……あ、、あ! そうか、神道の……」


「そゆこと。神道にいる守護の神は3名。

"女神"百済(クダラ)、"山神"マウナ・バルハール、"妖精神"リアム・ラエル。

この3人のうちの誰かだが、まぁ百済ではないな」


「何故ですか??」


「勘だ」


千年様の勘はよく当たる。つまり、山神か妖精神が……クソッタレが!!


「なら、山神か妖精神を見つけ次第血祭りにあげて、そのあと太陽神を殺すでいきますか」


「いやいや、まだ気が早いよ。もしかしたら、マウナかリアムが単独でイギリスに乗り込んだ可能性もあるからね」


「なるほど。確かに」


まぁないと思うけど。


「じゃあそれを今から確かめようか」


 そういうと、千年は紙の跳ね返った位置まで飛び、片方の手の手のひらを前に突き出し、


「ーー王直眷属頭領 天千年、王直眷属前衛キゼル・ラーシュ。中へ入りたい、通せ」


・ ・ ・


「……なるほど、そうくるか。っよし、キゼル! こっち来い!」


 呼ばれたキゼルは千年の方へ。そして、千年はキゼルの腕を掴み、


「目一杯深呼吸して、命源を溜めろ」


「は、はい!」


 言われた通り、彼は大量に命源を吸い込み、それを体内の細胞でストックする。


「完了しました!」


「よし。じゃあ入るぞ」


「え?? 入れるのですか??」


 疑心暗鬼のキゼルを掴んだまま、千年はするりと中へと入っていった。


「はい、イギリス到着!!」


 と同時に、禍々しい大量の殺意を感じる。


「千年様、これは?」


「うん、いっぱいいるね敵。ほんじゃあーー皆殺しと行きますか」





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