Ep.28(68) 裁下
〈モンゴルアルタイ山脈〉
「おい、ゴムってなんだゴムって。ちゃんと説明しろ」
「いいですかキゼル先輩? ゴムってのはコンドームで、コンドームとは避妊具のことです!」
嫌弱が性溺である堺若を救うために、云大が持ってきたのはコンドーム。これが、彼を唯一救える地球の神器。
「避妊具?? それがなん……あぁ、なるほど。それを付ければ」
「そうです! 千年先輩から以前聞いた話で、そのポコチンがその、、あれです! 入ると良くないみたいな? だったので、これがあれば、堺若は救われます!」
「なるほど」
千年様も言っていたが、地球人の開発力は凄いな。正直、デウスでは誰1人思いつきもしなかった。
あれだけの闘いに終止符を打ったのは地球にしかないコンドームであった。
「ーーそれはそれで、堺若、お前のしたことは許されることではない。自分が身柄を預かる。いいな?」
喜びの最中も、セレナは冷静であった。
「あぁ。当然、しっかりと償うさ」
償う……か。それが出来ればいいんだけどね。
「じゃあ時間もない。自分と一緒に来てもらう……!? おい、どっちだ!! なぜ『霄壌断絶』を解いた!?」
辺り一帯に展開された『霄壌断絶』、それがみるみる内に消えていく。
「え……いや、もう終戦を迎えたから……ニャアが展開していた部分は解いても……」
「バカ野郎!!!! 身内同士でいざこざが起きた場合、必ず"奴ら"が来る。その前に自分がお前らを回収する手筈、」
「ぎゃぁぁぁぁあ! んじゃこりゃあ?!」
後ろにいるグレンの悲鳴に、全員が顔を向ける。
「ックソ!! やはり来たか!!」
グレンの足元に展開される光る巨大な六芒星。
それを見て、セレナだけがすぐに動き出した。だが、
「止まりなさない王直後衛」
知らない女性の声と、複数の生命反応。
それらは、堺若と野良をセレナたちから奪い、彼らから距離を取った先に現れた。
「やはり来たか……"裁下"!!」
全員が振り返り、彼女を視界に入れる。
そこには、1人だけ白服の女性と、彼女の前に立ち、横一列に並ぶ全身黒服で白い仮面をつけたものたちが約10名。
その間に、堺若と野良は座り込み、彼らのいる地面にも同じく巨大な六芒星があった。
「ご機嫌よう、セレナ・ジャッジ。相変わらず、隠蔽工作が趣味のようですね」
「隠蔽とは違うな。お前らに償う意志のある者を渡したくないだけだ。尋問が職務のくせに、お前はそれをしない。何故なら、すぐに殺すから。なぁ、"ラスト・ディーデクス"」
※裁下
敵でも味方でもない、罪を犯したものを裁く機関。(地球でいうところの最高司法機関)
その裁下で最高権威を与えられているのが彼女、ラスト・ディーデクスである。
⇒本名はディー・デクス。"ラスト"は、「彼女に捕まったら最後、生きて戻ったものはいない」という、元は異名として呼ばれていた名だが、後から付け足され、いまはラスト・ディデクスと名乗り、呼ばれる。
「お戯れを。我々裁下は、天秤にかけた上で、どちらが悪かを見定め、判を下す。ただそれだけのことです。まぁ、我々が悪と判断したものは正真正銘の悪です。死以外の償いがありますか?」
「クソ思考だ。やっぱりお前らとは仲良くなれない」
王直眷属と裁下、この2つの組織は犬猿の仲で、王直の仕事は例えていうなら検事・弁護士・警察、裁下は裁判官。
意見の食い違いや、考え方に相違があるもの同士、当然仲は悪くなる。
やはり千年様の読みは正しかった。まぁ自分達が再誕してる以上、当然ラストも再誕してるか。でも、おかしいのはそこじゃない。
「ラスト、裁下の面々は"一般市民から選ばれた者"のはず。神通力者以外再誕してない地球で、なぜ部下がいる?」
セレナの言う通り、裁下はラスト以外は一般市民。=普者から選ばれる。
つまり、地球にはいるはずがないのだが……。
「それを知ってどうしますか? あなたには関係ない」
「いや関係ある。王直は秩序の維持も職務の1つ。お前が秩序を乱してる可能性も十分にあるだろ? つまり調査対象だ」
「ふふ、一生懸命なのはいいことです。ですが安心しなさい、決して悪いことはしておりません」
「証拠は?」
「出す必要がない」
これ以上は水掛け論、セレナは堺若と野良を奪うために動き出そうとしたが、
「うわぁぁぁ!!?? 俺の下にも!!」
声を荒げたのは云大。彼もまた、グレン同様、足元に巨大な六芒星。それは彼らだけではなく、セレナ、キゼルの下にも展開されていた。
「動いたらダメですよ? これは警告ではなく命令です。あなた方、罪人である2人を匿おうとしましたね? それは優しさではなく違反、裁きの対象です」
「ラスト、貴様……」
「ですが安心して下さい。あなた方を裁きはしません。王直頭領がうるさいですからね。
ですから、命令に従い、動かないことをお勧めします」
ラスト・ディーデクス、彼女は精霊神。神通力は魂操。
死んだものの魂をストックし、それと命源を合わせることで、独自に生み出す"精霊"を操ることができる。
精霊は全5種で、それぞれ力は異なる。
「にしてもセレナ・ジャッジ、あなたは避けれると思ってましたが……存外、大したことないのかな?」
「ほざけ、展開しようが関係ない。自分に神通力は効かないから」
「そうですか」
これは六芒星……見たことあるやつだ。自分は対応できるが、他は……
「おい、それより王直に手を出していいのか? 昔どうなったか忘れたか?」
「脅しですか? ふっ、効果ありです。
確かに昔、裁下のものが誤って王直の1人を罪人として扱おうとした際、頭領 天千年の怒りを買った。あれは私にとってもトラウマです。なので、動かないようにと言っているのです。無益な争いは避けたいですから」
「争いを避けたいのなら足元の"陣"を解け。それと、堺若と野良をよこせ。まだ取り調べ中だ」
私の神通力は知ってるということですか。さすがはセレナ・ジャッジ。やはり侮れませんね。
「取り調べはする必要ありません。なぜなら、この2人は既に"悪"と判断されているからです。あなた方、王直の出番はもうありません」
「悪? 誰が決めた? 天明様のいないこの世界で、お前は誰の指示に従ってる?」
「あなたには関係ありません」
「関係あるから聞いてる。言え」
「断ります」
セレナの殺気を察知して、キゼルとグレンは神力を纏い、堺若を救うと決めた云大もまた神力を纏う。だがそれは軽率すぎた。
「バカ!! 神力を解け!!!!」
だが、神力を纏った時点でもう手遅れ。3人の足元に展開された六芒星が、光を放つ。
慌ててセレナは自身の足元に展開された六芒星に手を置き、それを消し去り、3人の元に駆け寄る。ーーだが、
「もう遅いです」
セレナの手が3人に触れることはなく、目の前からグレン、キゼル、云大が姿を消した。
「クソ、ラスト!!!!」
「先に命令に背いたのはそちらです。文句を言われる筋合いはありません」
怒りのままに、セレナは振り返りラストへと駆け寄る。
そんなセレナの全方位に六芒星より少し小さい、30近くの五芒星が展開させる。
「あなたも命令に背きました。生かす理由はありません。残念です」
五芒星の効果は、五つの角から、レーザーの放出。
つまり、150本のレーザーがセレナを襲った。
触れた箇所を抉り、跡形もなく消す。普段は1つしか展開しませんが、あなたは侮れない。にしても30は少し無駄遣いかもですが。
だが、ラストその考えは甘かった。
レーザー放出直後、セレナも神通力を解放。
それにより、セレナの周辺に無数の小さい四角形が出現。
セレナはそれをレーザーにぶつけ、150本全てを消し去った。
「な……これは驚きです」
「言ったろうが。自分に神通力は効かないと」
全てを打ち消したセレナを前に、彼女は考えを変え、先に堺若と野良、それと裁下20名をこの場から消し去った。
「あなたの狙いはあの2人。取らせはしません」
「別にいいさ。お前を殺して探しに行く」
セレナは地面を蹴り、1人残ったラストに向かって走り出す。
「殺す? 私を? ふふ……あまり調子に乗るなよガキが」
迎え撃つラストとセレナの両拳が直撃。辺りに激しい音が響き渡る。
「お前は何がしたい? 自分たちの邪魔をするな!!!!」
「邪魔は貴方です。王無き今、私の天秤は傾き、既に優位は変わった。分を弁えなさい落伍者」
「その発言……お前やはり!!!!」
何かを察したセレナの拳の威力が跳ね上がり、彼女を瞬く間に後方へと吹き飛ばす。
しかし、それはラストの思う壺。彼女は吹き飛ばされる前提で、数メートル背後に六芒星を展開。薄ら笑みを浮かべながら、
「ではさようなら……良い"終末"を」
六芒星にラストが触れた瞬間、彼女も彼ら同様、その場から姿を消した。
「……ックソ」
グレン、キゼル、云大、堺若、野良の5名が消息を絶った。
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《ザザ、、千年様ーーザザ、、千年様》
やはり千年様とは連絡が取れない。……いや待て。
《ザザ、、ちとザザ、、様ーーザザ、、》
「おかしいぞ。これは……従操が妨害されてる!?」
雑音と、違和感。それに気づき、セレナは辺りを見渡すも、『霄壌断絶』が展開されている形跡はない。
「どういうことだ? ーーまさか」
彼は、自身の体をくまなくチェックし始める。服を捲り肌を見たり、腕や肘を触ったりと、とにかく体中を調べた。
「ーーあった」
彼が見つけたのは靴の裏に刻まれた八芒星。
「……そうか、六芒星と同時に発動して……ックソ、やられ放題じゃねぇかよ」
怒りながら八芒星に触れ、それを消し去った彼は、再度千年に『意思伝達』を飛ばす。
《千年様ーー千年様!!》
《ーーおう、セレナか! 俺だ! ちょうどよかった。今どこだ?》
《はい、言われた通り、モンゴルにいます》
《そうか、なら堺若は無事に、》
《いえ……申し訳ございません。堺若、野良に加えて、グレン、キゼル、云大も消息を絶ちました》
は?? なぜそうな……まさか
《裁下か?》
《はい、ラスト・ディーデクスに……申し訳ございません、あれだけ忠告して頂いたのに……》
《いや、いい。お前でダメなら無理だ。なら、あいつらは六芒星で"飛ばされた"ということだな?》
《はい》
六芒星の効果は、ラストがマーキングしているところに"移送"する力。
つまり、消えた5人はどこかしらへ飛ばされたということだ。
《ならすぐに連絡を、》
《いえ、それが、六芒星と同時に八芒星も展開されていて》
《八芒星?? 知らない力だ。なぜそう思う?》
《自分にも付けられていました。多分ですが、八芒星の効果は"妨害"。従操といった命令系の操作を邪魔する力かと》
妨害……ね。ラストらしい小細工な力だな。
《なるほどね。なら神通力による妨害ってことか。じゃあ必ず持続時間があるはずだ。お前の体感でいい、八芒星の持続時間はどのくらいあると思う?》
《そう……ですね。恐らく、20分から30分くらいかと》
長くて30分か。ダメだな、長すぎる。
《分かった。一旦切るぞ? 俺がなんとかする》
《何を……あぁ、瓜坊ですね》
※瓜坊
千年の飼ってる神通力で作ったペット。(猪の子供)
普段は、神力の込められた特殊な『箱庫』と呼ばれる空間で飼われている。
(『箱庫』は神力で作られた物のみ収納したりできる。神刀やペットなど)
また、『箱庫』は常に身につけていないと発動できず、壊れたら中に収納している物は外に吐き出される。
⇒千年の場合は、王直のリングを『箱庫』としている。
《千年様、瓜坊を『空間移動』で向かわせて、八芒星に気づかせる。そこまでは理解したのですが、どうやってあいつらの居場所を特定するのですか?》
《うん? あぁ、そうか。お前は知らないか。実はな、前にグレンがキゼルを出し抜いたことがあって、》
《ふぇ?? ちょちょ、ちょっと待ってください。グレンが……キゼルを?!?!》
《そうそう(笑) 信じられないだろ? でも事実でさ、そん時にグレンが使ってた力がかなり良さげだったから即パクって、グレンとキゼルと云大と博士に現在進行形でそれを使用してる。だから俺には居場所がわかるってこと!(博士にはバレてキレられたけどね笑)》
千年が模倣したグレンの力は、『追火』。体の一部に付着させて、常に居場所を把握できる力。(現代でいうGPS)
《なるほど、さすが千年様です》
《まぁねぇ! じゃあ一旦切るわ!》
〈千年視点 現在地〉
さてと、では早速。
「ーーおいで、久々の外だよ瓜坊」
『箱庫』であるリングを地面に近づけると、勢いよく、体長115cm程度の3匹の瓜坊が出現した。
「「「ブイブイ!! ブイブイ!!」」」
久々の千年に興奮状態の瓜坊、外に出るや否や、彼に飛びかかった。
「分かった分かった! 久々っていっても、地球に来てすぐ外出したじゃん!」
引っ付く瓜坊を1匹ずつ引き剥がし、地面に置き、彼は3つの『空間移動』を出した。
「よし、いいかお前ら? 今から3人の元に行って、このメモ紙を渡してこい。終わったら良い子良い子してやるから。わかったな?」
「「「ブイブイブイブイ!!!!」」」
「よし、行け!!!!」
そして、勢いよく3匹の瓜坊は『空間移動』の中へと飛び込んだ。
※自身の神力で作ったものは、発動者が一緒じゃなくても『空間移動』で移動できる。
「さてと、あとは待ちますか」
〈キゼル視点 現在地〉
「くそ、、ここはどこだ? 森……の中っぽいな。辺りに脳ミ、人がいればすぐにどこかわかるんだが……ッチ、グレンに乗せられて熱くなった。まさか、あの六芒星が転移させる力とはな」
自分がいまどこにいるかも分からないキゼルは、とりあえず木々の間に身を潜め、地面に座り込んでいた。
動くか? いや、あの六芒星がもし、転移だけではなく、何かしらの力を要していたら。よし、とりあえず連絡を取ろう。
彼は迷わず、セレナではなく千年に『意思伝達』を飛ばした。
ーーが、八芒星が付着している故、当然それは届かず。彼は頭を抱えた。
そんなキゼルの目の前に、小さな『空間移動』が出現。
彼はすぐさま立ち上がり、警戒したが、それから感じる神力に"ホッ"と笑みを浮かべた。
「ーー久々だな、瓜坊」
「ブイブイ!!」
"トコトコ"と近づく瓜坊に、キゼルは片膝をつき、頭を撫でた。
「ほんと可愛いなぁ。"くんくん" うん、千年様の匂い。ほんと、可愛いなぁ」
彼は瓜坊のことが好きなのではない。彼は瓜坊から感じる千年の神力に興奮している。
故に、瓜坊が咥えたメモ紙に全く気がついていなかった。
「よしよし、抱っこしてやる。ほんと、可愛いなぁ」
「ブイブイ!! ブイブイ!!」
「嫌がるなよ。ほら、こっちおいで……うん? お前、何を咥えてる?? まさか、拾い食いか!? いやいや、千年様のペットが、そんな行儀悪いわけ……待て、そのメモ紙、千年様の匂い。貸せ!!」
やっとそれに気がついたキゼルは、勢いよくメモ紙を取り、書かれた文字を読んだ。
「ーー体に八芒星。効果は妨害。取れ。どういう……あ、、あ!!!!」
意味を理解した彼は、慌てて自身の体中を調べる。そして、セレナ同様、靴の裏の八芒星を見つける。
「これか」
気づいてしまえばこっちのもの。彼は勢いよく靴を脱ぎ、遠くへ投げ捨てた。
「ナメた真似しやがって。次あったらぶっ殺してやる!!」
殺気立つキゼルに恐れたのか、瓜坊は『空間移動』の中へと姿を消した。
「あ、、瓜坊……クソ、まだ抱っこしてないのに」
《もしも〜〜し、キゼルく〜〜ん! 聞こえますか〜?》
なっ!! この声は!!
《はい! 千年様、キゼル・ラーシュ、聴こえております!!》
なぜフルネーム……
《お、おう。元気そうで何より》
《キゼルすまなかった。自分がいながら……》
《セレナか。気にするな、お前のせいじゃない》
《よしよし、反省会は後にして、次はーーもしも〜〜し、云大く〜〜ん! 聞こえますか〜〜?》
・ ・ ・
あれ?? 云大のとこの瓜坊は帰ってきたんだがな。
《もしも〜〜、》
《は、はい!! 榮多云大、無事です!!》
だから何でフルネーム!
《よかった! つうか時間かかりすぎじゃない?? 云大のとこの瓜坊が一番先に帰ってきたのに》
《すんません! 八芒星が中々取れなくて》
《取れない? おい舎弟、お前八芒星どこにあった?》
《あ、キゼル先輩! 無事でよかった! あ、八芒星は靴の裏です!》
《は? じゃあ取れないとは?》
《そのままの意味ですよぉ! 殴っても殴っても取れなくて。で、最終的に靴をぶっ壊しました!》
嘘……だろ。
《お前、靴を脱ぐという選択肢はなかったのか?》
《脱ぐ?? あ……》
《だはははは(笑) おま、云大! 自分の足の裏殴り続けたのか?!(笑)》
《は、、はい……》
《だははははっ(笑) 最高……お前、本当最高……ぶっ》
《ちょ、笑わないでくださいよ!》
《なるほど、千年君が気にいるわけだ。下手したらグレン以上かもな》
《負けません!!》
何がだよ!!
《ところで、そのグレン先輩は?》
《あぁ、うん。あいつのとこに送った瓜坊、まだ帰ってこねぇんだよ》
《えぇ!? 瓜坊君先輩、だ、大丈夫ですかね?》
《あぁうん、瓜坊は大丈夫。消滅したら俺にもわかるようになってるから。にしても、何してんだあいつ。まさか、手紙読まずに戯れてるとか?》
《ま、待ってください千年様!!》
急な声を荒げるキゼルに驚く一同。
《ビックリしたぁぁ。急に大声出すなよ》
《すみません……(怒られた……)》
《で、どうした? お前が取り乱すくらいだ、よっぽどのことなんだろ? あ、因みに怒ってないからな》
《(怒ってない?! やった……)
は、はい。その、あの、もしかしてグレンにも手紙を?》
《うん? 当然。瓜坊喋れねぇからな》
《それは知ってますが、、千年様、あいつ、文字読めません……》
文字……読めない……はっ!!!!
「しまった……完全にやらかした……」
《千年君??》
《あぁすまんすまん。とりあえずグレンは後で俺が迎えに行くわ》
まぁ『追火』が消えてないってことは、グレンは生きてるってこと。とりあえず今はーー
《みんな、まずは任務ご苦労だった。堺若の件は残念だが、まだ諦めるな。あいつは必ず更生させる。だから死なせてはならない。
ってことで、王直は今より2組に別れて行動する。まずは、セレナ&云大ペア。お前らは堺若と野良の救出に迎え》
《了解しました!!(セレナ先輩との初任務! 楽しみだ!!) ところで、堺若と猫娘をどう探します?? あいての連中も中々の手練れでしたし……》
《確かに。流石に自分でも探すのは難しい。どうするんだい千年君?》
《心配するな。確かな筋からの情報で、裁下の根城は既に把握してある》
なに?! あの裁下の根城を……さすがは千年さ、、確かな筋?? ……あぁ、そうか。あいつがいたな。
《了解。なら云大、今から自分が迎えに行く。ちょっと待ってろ》
《はい!》
《いや、セレナの地点からの方が根城が近い。云大、お前がモンゴルに戻れ》
《そう……何ですね! 分かりました! 今から行きます!》
《頼んだ。セレナ、いま瓜坊をお前のとこに向かわせた。根城の確認を》
《了解》
《じゃあ2人とも、頼んだぞ。次にキゼル、お前は今すぐ日本へ戻れ。俺とイギリスに向かう》
俺と……?? ーーはっ、千年様と2人きり?!!?
《おいキゼル》
《は、はい! 分かりました!すぐ戻ります!》
《じゃあセレナ、云大、頼んだぞ。なんかあったらすぐに連絡を》
《《了解》》




