Ep.14(54) 獣の神
ガラパゴス諸島にて、獣神と相見え、襲われる榮多云大。
なぜこうなったか。それは今から数時間前。
〜〜〜〜
〈エクアドル 首都キト〉
千年より直々に必須任務書を預かった榮多云大は、ガラパゴス諸島を訪れる前に、エクアドル本土首都のキトに姿を見せた。
「うぉぉぉお!! 空間移動できたぁ!! すげぇすげぇ! あ、じゃなくて。えっと、もっかい任務内容の確認を……」
ポケットにしまっていた必須任務書を取り出し、彼は再度確認を行った。
[云大に渡された任務内容]
キゼル・ラーシュと合流するまでに、神道十二界第六級上位 獣神の住処を割り出し、キゼル・ラーシュと合流後、接触すること。(詳細はキゼル・ラーシュへの必須任務書記載)
「うんうん、把握把握っと。まぁ千年先輩も「難しくないから大丈夫〜〜」って言ってたし。よしじゃあキゼル先輩が来る前にサクッと終わらせますか!! ーーうん? あれ、あれ?! 待て、神通力者ってどうやって探すんだ?」
神通力者のこと、従操のことなど、彼は知識をつけた。だからこそ、この任務が簡単ではなく難関だと言うことが、今になってようやくわかった。
「待て待て待て!! 獣神ってことは神通力者だよな? じゃあ、絶対に消隠姿使ってるよな!? え、じゃあ無理じゃん。どうやって探すんだ……」
冷静になればなるほど謎は深まる。というか、神通力者を自力で探すなど無理に等しい。理由は彼も口に出した消隠姿が関係している。
改めて、消隠姿とは、神力を完全に抑制し、人や他の生物と変わらないほどにオーラを抑える力。
つまり、何の情報もないまま、国の中から1人の生き物を探せと言っているようなもの。どう頑張ったって無理に決まっている。
色々と模索する中で、云大の脳裏に災厄な光景がよぎる。
「ーー待てよ、この任務ってあとでキゼル先輩合流するよな? ってことは、キゼル先輩が来るまでに見つけられなかったら……うわぁぁぁぁ!! 全然簡単じゃないじゃん!!」
来たことない国だからちょっと観光でも……その淡い気持ちは、一瞬にして打ち砕かれた。
それから、彼は国中を走り回り、何とかガラパゴス諸島にいるという情報を手に入れ、その場所へと移動した。
〈同国領 ガラパゴス諸島〉
「ふぇ〜〜、初めて来たけどやっぱ凄ぇなぁ。生き物だらけだ。なんかテンションあがる」
云大は、少しだけ任務のことを忘れ、本やネットでしか見たことのなかった美しいその光景に心を弾ませた。
しかし、彼の考えは甘かった。着いた時点で身を隠すか、大まかに所在を把握し、本土から出ないか、この2つのどちらかが正解であり、ガラパゴスに上陸するのは大間違いであった。
浮かれる彼を中心に『霄壌断絶』が展開される。そして、
「Zzz……!! 何もんだ? グルルル」
姿の見えない謎の声、云大に一気に緊張が走る。
「ど、どこだ?! どこにいる? そして何者だ!?」
「Zzz……!! それはこちらの台詞。吾輩の領土に土足で踏み入るとは、恐れ知らずもいいところ。食い散らかして、他の餌とする」
その瞬間、自分に向けられた強烈な神力を云大は察知する。
・ ・ ・ 来る!!!!
彼の後方に広がる森林が「ザザッ」と音を立て、「ドンドン」という足音と共にそれは姿を見せた。
「ーーデ……デケェ!!!!」
摩瓈爾奠"牛若"と交戦した彼が言うのだから間違いはない。
目の前に現れた全身ケムクジャラの男は、横に、そして縦にデカく、牛若よりも遥かに大きく見えた。
「Zzz……!! グルルル、吾輩の地を荒らすな、出て行け余所者。これは警告ではなく命令だ」
飛び出してきた男は、長く鋭い爪を、云大に向かって振りかざした。
と同時に、云大は反射的に腕を纏化。尖った爪をギリギリで防いだ。
「ーー危っねぇな。いきなり襲い掛かるんじゃねぇ!! つうか俺はあんたの敵じゃねぇよ! まずは話を、」
「そうか、そうか。 オンシのそれは纏化だな? なるほど、神通力者でありながら捕食生成ができるということか。つまり、生き物を喰らったということ……さすれば、論外!! オンシのような下衆と交わす言葉はない。許されるのは死のみ。Zzz……!! よかろう、相手をしてやる」
男は云大から距離を取る。
「待ってくれ!! 俺は千年さんの仲間で、王直の一員。必須任務書を渡されてここに来た! 名前は榮多云大、これを見てくれればわかるだろ!?」
云大は必須任務書を掲げ、男に見せた。しかし、
「ーーZzz……!! 確かに、吾輩は王直に緊急要請を出した。だから必須任務書を持って王直の誰かがこの国に来ることは知っていた。だが、オンシは王直ではない。もしオンシが本当に王直の仲間ならば、天千年は捕食生成者を匿っているということになる。それ即ち、死罪。だが、王直が、天千年がそんなことをするとは思えない。つまり、その必須任務書は元々違う誰かに渡されたもの。それをオンシは奪い、吾輩の前に姿を見せた。ーーZzz……!! 名推理。敵確定」
男の神力が更に跳ね上がり、全身の体毛が「ブワッ」と逆立つ。
「待て待て!! まじで違うんだって!」
「もういい。口から出任せには飽きた。ーー『貌遂』」
その言葉と同時に、逆立つ体毛の内"12本"が体から抜け落ち、その毛から目では直視できないほどの光が放たれる。
「何……だ、何が起きる?!」
数秒間放たれた光、それが一瞬にして消えたその時、なんの変哲もなかった彼の12本の毛は、12頭の虎へと変貌を遂げていた。
「な、、毛が虎に!?」
抜け落ちた毛が、全長4メートルの虎に。しかも12頭。云大のリアクションは至極真っ当なものである。
「ーー"於菟"。
オンシは強そうだからな、12頭用意した。で? どう死にたい? 裂かれるか? 喰い千切られるか? まぁ選ぶ権利はないんだがな」
男の名は『宏憐』。神道十二界第六級上位 獣神 "変貌の神通力者"である。
※変貌の神通力
血液を除いた、生き物のDNAを取り込むことで、そのものの姿や形、力、質量などの全てを体毛で再現し、操る力(神力が加えられてるので、元の生物よりも強く、大きい。※大きさは変えれたり、変えられなかったり)
再現した生物は、殺されるか、発動者が消さない限り死ぬことはない。
また、同神通力で再現できるものはあくまでも生物限定である。
(基本的に、DNAさえ取り込めば、どんな生物でも再現可能)
「体毛をいろんな動物に変態できる神通力者……そんなのもあるのか……面白い」
「何が面白い? 恐怖でおかしくなったか?」
「なってねぇよ!! つうか恐怖感じてねぇし!」
「詭弁はいい。そうだ、1つだけ確認するが、オンシの狙いは何だ? 吾輩の討伐か?」
「だから違うって! 俺は、千年さんに頼まれて、」
「はぁ……またそれか。その理論は破綻してる、もっと違う言い訳を考えろ。はぁ……もういい。やはりオンシとの会話に意味はないな。 ーーゆくぞ」
〜〜〜〜
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宏憐の出した於菟による猛攻から5分。云大は何とか攻撃を回避していた。
「頼むよ、話を聞いてくれ!! 俺は、」
「無駄! オンシの話は聞かない!!」
くそっ、攻撃を受けてみてわかったが、こいつらただの虎じゃない。神力を帯びてる。だからなのか、めちゃくちゃ硬ぇし、早い。つうかデケェ!!
それになりより厄介なのは"数"だ。1頭だけでもそこそこ強いのに、12頭もいやがる。鬱陶しいったらありゃしない。
云大の読み通り、12頭の虎は普通の虎ではない。取り込んだDNA自体は普通の虎のものだが、宏憐の神通力で再現しているため、全身に神力を帯びている。そのため、皮膚は硬く、牙や爪は鋭く、俊敏性も増す。
「どうした? その程度か? だとしたら期待はずれにも程がある。あまりガッカリさせるなよ」
宏憐はその場から一切動くことなく、12頭の於菟を自在に操り、云大との距離を保ちながら攻撃を繰り返した。
ダメだ、埒が明かない。こっちから攻撃したら尚更俺が敵だと思われる。だけど、このままだと俺が持たない。ーーッ、やるしかねぇか!!
激しい猛攻に痺れを切らした云大は、遂に神力を解放する。
「何かする気だな? 面白い、来い!!!!」
12頭の虎を避けながら、彼は空へと飛ぶ。
「『武闘式賦 "羽衣"』」
両腕を命源による纏化。彼はそのまま右腕を引き、
「神戯 『殴戈』」
空から数頭の於菟周辺に向かって放たれたその力は、激しい音を立てながら真っ直ぐに対象に直撃。
5頭目掛けて放ったが、運良く6頭を一気に潰すことに成功した。
「ーーったく、可愛そうなことするなぁ。グチャグチャになっちまった」
前に発動した時よりも精度・威力は数段上がっており、あの硬かった虎達を一撃で粉砕。
宏憐は口には出さないが、その威力にかなり驚いた。
「ーーまじか……なんか羽衣上達してね? いや、神戯もだ。す、、スゲェ」
放った彼すらも驚く威力。これならやれる、そう確信した彼を嘲笑うかのように、宏憐は笑みをこぼした。
「やるなオンシ。於菟が6頭も消えた。天晴れ天晴れ……と褒めてやりたいところだが、いま"これなら戦える"、そう思ったな?」
「あ? だったらなんだよ?」
「はぁ……残念だ。期待して損した」
笑みから一変、再び宏憐の神力が跳ね上がる。
「オンシは吾輩の体毛の数を知らないだろうから教えてやるが……いや、うん、吾輩も知らない」
「・ ・ ・ は? 何言って、」
「知らないというか、多すぎて数えられない。つまり、、Zzz……!!!! あぁ、言わんでもわかるか。"たった6頭"潰しただけでいい気になるなガキが」
再び逆立つ体毛、溢れる神力。そして、ヒラヒラとゆっくり落ちる複数の毛。
「『貌遂』ーー"山犬"」
直後、数えたらキリがないほどの狼の群れが宏憐の周辺に姿を現した。
「うっそ……だろ」
目の前に広がる光景に、彼は絶句した。
「Zzz……!!! まぁ何だ、オンシは決して弱くはない。悲観はするな。ただ、こういう経験も悪くないだろ?」
まるで鼓舞? しているかのような宏憐の発言に耳を疑いながらも、云大は構えた。
「さて、これで仕舞いだ」
そういうと、山犬の群れは云大目掛けて走り出した。
クソクソ、どうする!? 絶戯 『抗彊』はまだ感覚が掴めてないから使えない。なら、全身を纏化……いや、これもできない。クソッ、修行が足りなすぎる!!
狼の群れと接触する寸前まで彼は思考を続けた。
だが、今の自分では勝てない。その結論に至るまでに、さほどの時間はかからなかった。
「頼む!! 任務はやめて、国も出る。もう降参す、」
「ーー絶戯 『落雷』」
云大の目の前、先頭を走る山犬 ×17匹が、頭上から落ちた激しい落雷にて、一瞬にして跡形もなく消え去った。
その衝撃で、云大は後方へと吹き飛ばされる。
「ーー痛って…… 今のは……まさか、宏憐の神通力か? 雷も使えるのかよ……」
「おい、バカか? あいつは変貌の神通力者だ。雷なんか使えねぇよ」
あれ……頭打ったせいか? 目の前にキゼル先輩がいる…… あ、死んだのか俺?
「おい、聞いてんのか舎弟。というか、みっともないから早く立て」
その言葉とともに、云大の全身に「ビリッ」と電気が流れ、衝撃と反動で立ち上がる。
「お前、そんなに弱かったか? 牛と戦った時のお前なら"毛1本の生物"くらい余裕だろ? 手抜いたのか? だとしたら滑稽にも程がある。殺すぞ?」
立ち上がり、ぼぉ〜〜とすること数秒。ここでようやく、脳が正常に動き始めた。
「キキキキキ、キゼル先輩?!!?」
「お前……本当にいま気づいたのか?」
「び、ビックリしたぁ……」
まじか。まぁ無理もないか。相手は神道。耐えてただけでも、まぁ十分だな。
「あとは俺に任せろ。ーーおい、神道十二界獣神、王直眷属前衛キゼル・ラーシュだ。必須任務書を持ってきた、話の場を用意しろ」
「Zzz……!!! 随分遅かったな。オンシらの頭領はもっと早いぞ?」
一件落着??
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〈ガラパゴス諸島 獣神根城〉
ここはガラパゴス諸島の中心に位置する、地下深くに設立された獣神の根城。
地面に大きな鉄の扉があり、そこを開けると長い螺旋状の階段がある。
そこを数分歩くと、再び大きな扉。中に入ったキゼルと云大は、目の前に広がる光景に声を出して驚いた。
「「す、凄ぇぇえ!!!」
扉の中には、池や木々などの地上とはまた一味違う広大な自然が広がっていた。
(わかりやすく言うと、東京ドーム約2個分の広さ)
「ガラパゴスにこんな秘境があったなんて……知らなかったなぁ」
「は? バカだなお前は。これは人工物だ。元からあったわけじゃない」
「ほぇ? どういう……あ、あ!! なるほど、体毛で作った生物にここを造らせたってことですね?」
おぉ、考えればわかるのな。そこはグレンと違って助かる。
「そういうことだ」
にしても凄いな。デウスのときの根城とほぼ変わってない。やはり、便利な神通力だな。
2人は美しい自然を目に焼き付けながら、ほぼ寝ながら歩く宏憐を先頭にまた暫く歩いた。
「Zzz……!!! 着いたぞ、ここで話そうか」
案内されたのは、地下自然の中央。大きなパラソルに、真っ白の机とハンモック。
宏憐は着くや否やすぐにハンモックに寝そべり、「お〜〜い」と声を出す。すると、"カサカサ"と辺りの草木が揺れ始め、それを掻き分けながら、2匹の猿が椅子を持って現れた。
「おぉ、猿だ」
現れた猿は、2人の近くに椅子を置き、そそくさと帰っていった。
「すげぇ。あれも神通力ですよね!?」
「そうだな(好奇心旺盛かよ)」
「ーーあ!! そういえば、キゼル先輩は何で俺の居場所がわかったんですか?? あの時たしか、俺の周辺には『霄壌断絶』が展開されてはず。外からは見えないし、場所なんかわかりませんよね? まぁ何にせよ、助けてくれてありがとうございました!! いやぁ、本当に危なかったぁ」
その問いに、キゼルは絶句した。
「先……輩??」
「おま……お前、まさかとは思うが、宏憐が本当にお前を殺すとでも思ってたのか?」
「え? あ、はい。殺意感じましたし」
「・ ・ ・ はぁ……。 おい舎弟、宏憐が何者かは知ってるよな?」
「え? あ、はい。しん……あ、神道十二界! ですよね?」
「それがわかってて……あぁ、なるほど。宏憐、またやったな!?」
キゼルは立ち上がり、物凄い剣幕で宏憐を睨みつけた。
「え? なんですかなんですか!?」
「Zzz…… Zzz……!!! うるさいぞオンシ。吾輩は品定めをしたまで。そこまでキレらる道理はない。Zzz……」
・ ・ ・ 「はぁ」とため息をつき、ゆっくりと腰掛けるキゼル。
「どう……かしたんですかね?」
「どうもこうもない。こいつの悪癖だ。お前ちょっと、必須任務書見せろ」
言われた通りに、云大はキゼルに紙を渡し、
「ーーやっぱり。お前、ここに"俺と合流後、接触"って書いてるじゃねぇか!! 何でガラパゴスにいんだよテメェ!」
「え!? い、いや、首都で聞き込みして、ここにいるってわかったので……」
「わかったなら首都で待てよ!! 俺がどんだけ探したと思ってたんだ!! 時間返せカス!!」
えぇ……そんなに怒る??
「あのな、千年様がするなと言うことはしちゃダメだ。ちゃんと理由があるからだ」
「す、すみません。神道十二界は味方と聞いてたので、災厄見つかっても……と、甘い考えをしてました……」
だろうな。まぁ、反省してるし、素直なところは評価してやる。
「いいか? 神道は確かに仲間だが、変な奴が多い。現に、宏憐みたいに品定めと称して、殺意剥き出しで遊ぶようなバカもいる」
遊ぶ? 品……定め? ・ ・ ・ うん? え!?
「え〜!??! あれって、遊びだったんすか?!」
「そうだ。こいつの趣味らしい。キモいだろ?」
「Zzz……!!! キモいとは失礼だな。千年から、地球で誕生した面白い神通力者の話を聞いたから遊んだまでのこと。そこまで言われる道理は、」
「はいはい。戯れるのはいいが、殺意は出すな。知らんやつからしたらただの迷惑行為だ。2度とするな。
で、話を戻すが、俺がここにこれた理由は、宏憐が俺のところにさっきの猿をよこしたからだ」
それは今から数十分前。
〜〜〜〜
〈エクアドル 首都キト〉
「ーーさて、まずは云大を探すか」
云大とは違い、彼は冷静。慌てることなく、すぐに、云大の神力を探す。
が、
「ーーおいおい、冗談だろ? アイツどこいった? 読み通り、首都にいたのは何となくわかるが……そっからが読めない。まさか、敵と遭遇? いやいや、神道のいる国だ、それはないか。ならどこに……」
そんな中、
「ーーウキッ、ウッキ〜!!」
1匹の猿が、キゼルの前からこちらに向かって走ってきているのがわかった。
猿? うん? あいつ、神力を帯びてる…… まさか!?
〜〜〜〜
「ということだ。猿の案内があったから『霄壌断絶』の場所がわかったし、中に入れた。いいか? 神道だったからまだよかったが、これが刻導みたいな糞どもだったらお前は死んでたんだぞ!? 反省はしてると思うが、もう2度と、単独で必須任務書を無視するようなことはするな。いいな!?」
「は……い。改めて反省しました……」
うん、よしよし。少し言い過ぎかもしれないが、これでいい。ここで許したり、甘やかしたりするとグレン二号機が完成する。それだけは絶ッッ対に避けなければならない。これ以上、尻拭いが増えるのは勘弁だ。
「と、こっちの話は済んだところで、おい宏憐! お前の依頼は何だ? 俺の必須任務書には、獣神の依頼を遂行せよと書いてある。寝てないで早く依頼を言え」
さっきから思ってたけど、キゼル先輩は何でタメ語なんだ? 宏憐、上位だよね?? いやいや、今はそんなことよりも、反省反省。
「Zzz……!!! 依頼内容を聞いてないのか? はぁ……千年の野郎、相変わらず適当だな」
「おい!! 千年様を愚弄するな」
「はいはい。オンシも相変わらずだな。ーーえ〜〜、まどろっこしい話は後にして、依頼内容から言うとだな、"ある"人探しをしてほしい」
・ ・ ・ は?
「人……探しだと? ふざけるな、そんなことお前がしろよ」
「バカめ、吾輩が出来ないから頼んでるんだ」
「できない? それはどういう?」
「だから、それを今から言う。落ち着け、せっかちめ。ーーいいか? 探してほしいのは『中位獣連』。吾輩の従者4名で、敵勢力刻導に加担している疑いがある者たちだ」




