Ep.06(46) 全統 "零王"
〈ジブチ共和国〉
ニューカレドニアでの神座が終了して間も無く、ここジブチ共和国首都ジブチ市の地に、グレン・ハイズヴェルムとキゼル・ラーシュは降り立った。
「ジジジ、ジブチ共和国は、アア、アフリカ北東部に位置していて、じじ、人口は約98万人で、"最も暑い国"とも呼呼呼ばれている」
「どうしたキゼル? 寒そうだな?」
「みみみ見たらわわわかるだろ。サブイ。はは早く火、火つけろ」
ここジブチは、国自体小さいが、かなりの猛暑地帯。最大気温71.5度を記録したこともあるのだが……。
「どうだ? 温かくなったか?」
「おう、お陰様で」
「貸し1な! で、ここってめちゃ猛暑地帯なんだろ? 何でこんなに"極寒"なんだよ?」
グレンの言う通り、彼らのいるジブチ市は、どこを見渡しても雪。地面は凍結しており、猛暑どころか極寒地帯と化していた。
「見たらわかるだろ。いるんだよここに」
「え、誰? ……あっ! 摩瓈爾奠か!?」
「ちげぇよ。摩瓈爾奠が可愛く見えるほど、厄介な奴だよ」
ったく、気候まで変えるって、どんだけバケモンなんだよ。千年様からの命令だから承諾したが、俺らであれを手なづけられるのか?
〜〜〜〜
〈虎影 間内〉
「ほいじゃぁ、今後の話をしようかのぉ。
まず云大は、此方と神域で特訓じゃ。色々と力の制御ができとらんからのぉ、しこたま鍛えてやるわい」
「はい!! ありがとうございます!!」
うわ、こいつ死ぬな。虎影の"しこたま"は想像を絶する。ドンマイ、舎弟。
「ほいでグレン《己》とキゼルじゃが、本当は此方が死ぬまで追い込むつもりじゃったが、千年から"これ"を預かっておる。じゃから、こっちの任務に向かってくれ」
残念がる虎影は、ポケットから取り出した1枚の封書をキゼルに渡した。
「これは…… は!? 千年様!! 千年様からの恋文ですね?!」
「違うわ。必須任務書じゃ」
※必須任務書
王直眷属頭領、または神王のみ作成が許される書状。
受け取ったものは、いかなる事情があってもこれを優先しなければならない。
ただ、神道十二界に、千年から発行する場合は王の承認が必要となる。
(承認なしでも発行できるが、王の承認がないものは基本的に無視される)
「中を確認したら、それに従い行動せい。任務の統括は、言うまでもないが、キゼルがせい」
「当然です」
「おい、ちょっと俺が先に確認するから借りるぞ」
キゼルから封書を奪い取ったグレンは、雑に封を破り、中を確認した。
「てめぇ! 千年様からのものを雑にすんなボケッ!!」
取り返そうとするキゼルを避けながら、じ〜〜っと紙に書かれた文字を見つめるも、
「ーーっ、ああ゛!! そうだった、俺文字読めねぇんだった!! おいキゼル、読んでくれ!」
「一級品のバカだなてめぇわ!! 貸せ!」
再び紙がキゼルの元に戻り、今度は彼がじ〜〜っと文字を見つめた。
・ ・ ・
「……うわ、、これ…… 千年様……無茶がすぎます」
顔から血の気が引き、空を見上げるキゼル。
「おい! 何て書いてんだよ! 教えろ! おい、おい、おいっ!」
「ホッホ、此方も中身は知らんが、キゼルの様子からして、相当な任務なようじゃな。まぁなんじゃ、頑張ってこい」
そして2人は、ジブチ共和国を訪れる。
〜〜〜〜
「で、何なんだよ、俺たちの任務って! そろそろ教えろよ!」
「あぁ、そうだったな。寒すぎて言うの忘れてた」
そういうと、彼はポケットから封書を取り出し、グレンにわかるように読み上げた。
「まず、千年様からの必須任務事項の期限は3日。内容は、この地にいる神道十二界最上位"真白 澪"を見つけ出して、報告しろ。だ」
「真白……澪?? ……え、、え〜!?!? まま真白って、あの真白か?!」
「そうだ。あの真白だ」
「いやいやいや、無理無理無理。ぜ〜〜たい、無理!! だって、前にもこの任務して失敗したじゃん!! 無理だって!」
なんだよ、前にやったの覚えてるのかよ。だったら、状況で何となく察すること出来ただろ、ほんとバカだな!!
「そうだ。俺たちは過去に3回、同じ任務をしている。1・2回目は見つけることすらできず失敗、3回目は会うことはできたが、機嫌が悪すぎて、即返り討ち。顔すら拝めずに死にかけた」
「うぅ。思い出しただけで何か寒くなってきた」
「とりあえず、まずは見つけ出す。見つけ出したら……いやそっからのことは後から考えよう。とにかく、手当たり次第聞き込みするぞ」
「聞き込み……って、誰に?」
この極寒ゆえ、辺りには人どころか生き物すら見当たらない。
「……はぁ。まぁ動くしかないだろ。
あ、お前!! 絶対に消隠姿解くなよ。
あと騒ぐな。それと、俺から離れるな、寒い。いいな?」
「注文多すぎて覚えれな〜〜い」
それから、2人は重い足取りで、周辺をくまなく散策した。
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真白澪捜索から1日と10時間が経過。チャイムを鳴らして聞き込みをしたり、空から探したりと、色々したが結果振るわず。
ある程度見つからないと予想はしていたものの……風の当たらない物陰で、愕然とする2人。
「ダメだ…… もう辞めようぜキゼル」
「アホか。任務放棄して帰還したらどうなるかお前も知ってるだろ」
「うん……。虎影にボコボコにされる」
「そうだ。それに、"任務失敗"は今回で3回目だ。どんなに優しい千年様も許してはくれない。千年様からの信頼はなくなり、災厄王直解任だ」
「か、解任?! 嘘だろ、俺たちどうなるんだよ」
「さぁな。そうならないためにも、何日、いや何十年経とうが任務は遂行させないといけない」
「いや、猶予3日だろ? お前ってたまにバカだよな」
残り1日とちょっと。見つけ出せなければ、マジでどうなるかわからん。1つ言えるのは、間違いなく降格。中位から初位に落ちる。そうなれば、ジジイはブチギレ、千年様から見捨てられ……
「嫌だ!!!! ランク落ちは甘んじて受け入れるが、千年様から見捨てられるのは絶対に嫌だ!!!!」
「おい何だよ急に…… 騒ぐなって言ったお前が騒ぐなよ」
「おいアホグレン、いいか? 俺は千年様で出来ている」
「・ ・ ・ は? 何それ、どゆこと?」
「そんな俺が、千年様からの見捨てられたらどうなる? 答えは"無"だ。そう、何も残らない。だから、必ずやり遂げる。必ずだ! いいな?!」
「いやいや、お前はお前じゃん。切羽詰まって頭イカれたか?」
「さぁ休憩している暇は無い。行くぞ!!」
キゼルのテンションがおかしくなりつつも、2人は再び捜索を始めた。
ーー12時間後
「あ〜〜ぁ、ダメだ。千年様に、見捨てられる……」
「そうだな、このままじゃマジでやばいなーーあっ!! 言いこと思いついっぴ! あのさ、神力解放して「ここだぞ〜〜!」ってアピールすんのはどうだ??」
「ダメだ。前にそれをやって殺されかけただろうが」
「あ、そだった」
完全に手詰まった2人は、もはや動くことすら辞め、ぼぉ〜〜っと空を眺めていた……そんな時だった。
「ーーうん? なぁキゼル、聞こえるか?」
「あん? 何も聞こえねぇよ。俺はいま千年様と最後のお出かけ中だ。話しかけるな」
「ふざけてないで、耳すませ! ーーほら、船の音だ」
地獄耳のグレンだから聞こえたのか。いや、そうじゃない。確かに、何隻もの船の汽笛が聞こえた。
「船……よし、グレン! とにかく行くぞ!!」
「っしゃぁ!!」
藁にもすがる思いで、2人は音のする方へと駆け出した。
**************************
〈アデン湾付近〉
2人は、首都から近いアデン湾の船場に移動した。
「なぁキゼル。俺の勘違いだったかもしれん。 船……ねぇな」
船場に着いた2人は、すぐに海上を見つめた。
だが、そこには船などなく、波が綺麗に揺れているだけだった。
「いや、お前にしてはかなりナイスなことをした。間違いなく、真白は"あそこ"にいる」
キゼルは真っ直ぐ海を指差していたが、前途の通り、そこには何もない。グレンの頭の中が?で溢れる中、キゼルの指差す方角の西側、そこに一隻の船が姿を見せた。
「あ!! 船船! なぁ、船!!」
「わかってる。おい、いいか? あの船、よく見とけ」
そういい、2人はその船をガン見する。そして、その船がキゼルの指差す位置に入った瞬間、
「!?!? き、消えた!!?? おいキゼル、消えたぞあの船!!」
グレンが驚くように、その一隻の船は、進む方向に向かって、船首から徐々に姿を消し、最終的には跡形もなく消えた。まるで、何かの中に入り込んだかのように。
※船首
船の先端。
「どどどどういうことだよ! 何が起きたんだ?」
「まず、いま消えたあの船は海賊船だ。ここに来る前、国のことを少し調べたが、どうやら海賊による悪行が頻発してるらしい」
「ほぉ。……海賊って何?」
「悪い奴らだ」
・ ・ ・
「あ、そう。なら消えてよかった!」
「違う。あれは消えたんじゃない。"見えなくなったんだ"」
「・ ・ ・うん? どゆこと?」
「はぁ……(ここまで言ったらわかるだろ)
いいか? まず、俺らがこんなに探しても真白が見つからない理由は何だと思う?」
「えぇ〜〜。何だろ…… もしかして、気合と根性が足りないから!?」
はぁ……
「違う。
1.真白が、神域内にいる。これだと100%見つけられない。だが、それはあり得ない。千年様から以前聞いたが、真白は滅多に神域に入らないらしい。なぜなら、あいつは"寒がり"だから。
神域は、自らの力で生み出す異空間。つまり、自身の神通力が神域を作り出すってことだ」
「ほぉほぉ。あ、なるほど! あいつ氷寒の神通力者だから、自分が作った神域内は寒くなるってことか? じゃあ、俺が作る神域は暑いってことだな!」
何だよ、氷寒の神通力者ってことは覚えてんだな。つうか、今テメェの話はどうでもいい!
「まぁそういうことだ。だから、寒がりのあいつが神域に入ることはない」
「じゃあ何で見つからないんだよ〜〜。やっぱり気合と根性が、」
「2. 霄壌断絶を展開している」
霄壌断…… あ!!
「視認不可! 見えも聞こえも感じることもできない!!」
「そうだ。霄壌断絶は、霄壌断絶の内側の全ての情報を外部と遮断する力。その中に真白がいるとしたら、中に入らない限り見つけることはできない」
「なるほどなぁ〜〜。うん? で、それが何だ?」
う……嘘だろ。 ここまで説明したの……に。
「つ、つまり、さっき船が消えたろ? あれは、あの船が海上で展開されている霄壌断絶の中に入ったってことだ。だから、見えなくなった」
「あ、そうか! じゃあ、あそこらへんに真白がいるってことだな!」
「そういうことだ」
ひとしきり説明を聞き、ようやく居場所が判明した喜びからか、グレンは炎を纏い、真っ直ぐ飛び出そうとした。
「っしゃあ! じゃあ行ってくーー」
それを間一髪で止めるキゼル。
「お、おま、お前!! バカか!!」
「え? 何で?」
「聞いてたか、人の話!! 海賊は悪い奴らだ。それが霄壌断絶内に入った。つまり、あの中ではいま、真白と海賊の戦闘が行われている。(一方的な虐殺だろうけど) そんな状況で俺らが突入でもしたら、一瞬で巻き添え、災厄あの世行きだ」
「あ…… そだった」
はぁ、こいつと話すと頭が痛い……。まぁそんなことはどうでもいい。どうする? このままここで待機していても、何も始まらない。ならアホグレンみたいに飛び出すか? いやいやいや、死ぬな。うん、死ぬ。
「じゃあ、ど〜〜すんだよ。キ〜〜ゼ〜〜ル〜〜」
やばい、殴ろうかな。
「まぁ何にせよ、こっちからは動けんな。予想だが、真白のいまの機嫌は最悪だろう。そんな状況じゃ、どう動こうが結果は見えてる。霄壌断絶が解かれるまで待とう」
それから2人は数時間、その場でじっと待つ。
ーー残り、2時間。
「っおい!! どうすんだよ! あと2時間だぞ?」
「わかってる!!」
ックソ、どうする。こうなったらもう突撃するしか……
「なぁキゼル! "真白〜〜俺たち千年から頼まれてきたぁ"って叫べば何となるんじゃねぇか? もう行こうぜ!」
「バカか! 千年様の名前を出せるわけがないだろ、 ……いや、待てよ。 そうか、そうだそうだ。確かにそうだな。あははっ!」
以前、めちゃくちゃにされた恐怖のせいで、彼は当たり前で簡単なことを除外して考えていてしまった。
「盲点だった。前に接触したとき、いきなり攻撃されて、それ以降正直トラウマだったんだが……そうだな、千年様と真白は仲がいい。最初から千年様の名前を出せばよかったんだ。自分達でなんとかしようとすること自体が間違いだったんだ!」
どこかスッキリとした様子のキゼルは、リラックスしながら体をほぐし、
「っよし。行くぞ、アホグレン」
そういうと、グレンの首元を掴みながら、真っ直ぐ海上に向かって飛び出した。
しかし、飛び出して数秒後、キゼルは空中で勢いよく静止する。その反動で、グレンは海に落ちる。
「ーーっぶぁ!! おい! 何すんだよ!!」
「静かに。ーーこの感じ、、やばい、退くぞ!!!!」
慌ててグレンの頭を掴み、引き返そうとしたその瞬間、「パリンッ」という音が彼らの鼓膜を刺激する。
「何だ何だ!??!」
慌てて音のする方へと体を向けた2人の顔が一気に強張る。
「……ま、、マジかよ」
静かに揺れる美しい波しかなかった眼前に、突如として映し出されたのは、広範囲に及ぶ氷の造形。
船数十隻に加えて、逃げようとする人、武器となったであろう刀や銃。
それらが、綺麗に氷づけにされ、海上の上に並べられていた。
「ききききキゼル。ななな何だこれ」
炎の神通力者であるグレンですら、凍りついた空気に体を揺らしていた。
「と、とりあえず、ひひ火を、もももっと火力上げろ。 ししし死ぬ」
2人は震えながらも、物陰に移動する。そして、グレンはすぐに消隠姿を保ったまま、体を発火させる。
「……だ、死ぬかと思った」
「流石に俺もやばかった」
「で、何だよあれ! 急に出てきたぞ!」
「恐らく、真白が霄壌断絶を解いた。俺らのあの距離で、あんだけ寒かったんだ。真白当人はもっと……やばい!! 霄壌断絶を解いたってことは、あいつ多分移動するぞ!!」
「え!? やばいじゃん! せっかく出てきたのに」
クソクソクソッ!! どうする? 時間がない。やるしか……
目の前であんなのを見せらた挙句、寒いというだけで彼らを撤退させるほどの力。キゼルの判断と体が硬直するのも無理はない。
「少し時間をくれ。考える」
しかし、彼は待てなかった。
「もう無理! お前、ビビりすぎだ! ジジイが言ってたろ? お前は頭いいのに慎重すぎだって!」
そういうと、グレンは消隠姿を解き、神力を解放する。
そして、全身に炎を纏いながら、真白のいるであろう海上へと飛び出そうとした。
しかし、その判断はあまりに軽率だった。彼らが向かう先にいるのは最上位。生物としての格がまるで違う生き物。
グレンが放った神力を察知するのと、彼らの元に姿を見せることに、数秒もかからなかった。
「ーーどっちだあんたら? 死んでもいい奴ら?」
2人の背後から聞こえるその声と、感じる凄まじい神力。
「お〜〜い、無視か? 俺いま大分と機嫌悪いんだけど? つうか寒すぎ。あぁ、やっぱいいや。殺して考える」
見なくてもわかる。背中に突き刺さる禍々しい殺意。
あ……終わった……
寒さ+恐怖で、思考も体も止まった2人は、ただただ、眼前に広がる美しい氷の造形と、その周辺を優雅に波打つ海面を見つめることしかできなかった。
「……千年様」
真白の手が2人の背を振れようとした瞬間、キゼルの口から千年の名が溢れる。
意図してか、はたまた死ぬ前の嘆きか。どちらにせよ、その言葉で真白の動きも止まる。
「ーーおい銀髪。いまなんつった?」
・ ・ ・
「お〜〜い銀髪、お前だよお前。聞いてる? もしも〜〜し」
放心状態のキゼルは全くそれに反応を示さない。その代わり、口調が変わった彼の様子を察し、グレンの緊張は解けた。
ただ、緊張が解けたものの、恐怖は依然感じる。振り返ることなく、視線はそのままに、
「お、おい! お前、真白澪だな?!」
強者に対しての第一声が、これで正しかったのかはさておき、グレンの声を聞いてキゼルも正気を取り戻す。
「あ? そうだけど? つうか、いま俺のことはど〜〜でもいいし、赤髪のお前には何も聞いてねぇから黙っとけ」
「な、、いまキゼルはビビって答えられねぇから俺が答えたんだよ! あと、赤髪じゃなくて、俺はグレン・ハイズヴェルムだ!!」
キゼルとグレン。その名を聞いて、再び真白の動きが止まる。
「グレン……キゼル……。っ、なんか聞いたことあんな。
あれ待てよ。ハイズヴェルムって確か、炎の国の民の性……いや、思い出せん。やっぱ知らねぇか? うん、気のせいだな。
で、銀髪のガキ、お前さっきなんつった? もっかい言ってみろ」
「だ〜〜か〜〜ら、キゼルはビビッ、」
「黙れグレン。俺が話す。静かにしてろ」
激しく波打つ心臓。乱れる呼吸。彼はゆっくり目を瞑り、深呼吸を繰り返す。
大丈夫、大丈夫、大丈夫。俺は千年様の従者だ。問題ない、やれる。
そう自分に言い聞かせたキゼルは、ゆっくりと立ち上がり、背後にいる男の方へと振り返った。
「ーー俺の名はキゼル・ラーシュ。王直眷属前衛、天千年様の従者だ!!!!」
思いの外、辺りに広がった彼の声を聞いて、「ビクッ」としながらグレンも振り返る。
そして、振り返ったと同時に、彼も声を荒げる。
「え、えぇ〜?!!? 名前からして美少年かと思ったら、めちゃくちゃオッサンじゃねぇかよぉぉ!!!!」
2人の目の前に立つ男。身なりはボロボロ、髭も髪もボォボォでボサボサ。加えて、目の下には濃ゆすぎるクマ、気だるそうな表情。名前からは想像もできない、theおっさんがそこにはいた。
「あ゛? 失礼だなテメェ。殺すぞ」
彼こそが2人の探し求めていた男。
神道十二界唯一の最上位『氷神』。
数人しかいない、神王より直々に"全統"の称号を与えられし者。
真白澪、またの名をーー"零王"




