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KAN NAGI〜〜神様実在、地球に襲来?!  作者: ヤチ ヒトニカ
神々再誕編
39/76

Ep.38 千年VSキゼル&グレン

  


         〈虎影(トラカゲ) 神域(シンイキ)内〉



「すげぇ〜〜! 千年(チトセ)先輩の神域とは全く違う! なんというか……道場みたいっすね!」


「あ、そうか! 云大(ユウダイ)、ジジイの神域初か! すげぇだろ?」


常連の口ぶり。お前も最近初めて入ったばっかだろ。


「おいバカ2人、千年様は忙しいんだ。ダラダラしてる暇はないぞ。早くこっちに来い」


2人は辺りをキョロキョロしながら、キゼルと千年のいる中央に集まる。


 ここでおさらいだが、何故、一同が虎影の神域に集まったのか。

 事の発端は、千年がグレンとキゼルに与えた任務"虎影を見つけ出せ"。

 これがどれだけ難しい任務かを知っている2人は駄々をこね、行く気配すら見せなかった。

 そこで千年が提案したのが、"見つけ出したら1回だけ、お前らの相手をしてやる"であった。

 そして、それがいま実現を果たした。


「ーーじゃあ始めるけど、その前に……云大! お前とは戦う約束してねぇから虎影さんとあっちで観覧しとけ!!」


「はい! わかりま……えぇ!? 俺も参加していい流れでは?!」


「ダメに決まってんだろ! つうか、お前は疲弊しすぎ! 休むこともまた修行だ! つべこべ言わずに下がれバカタレ!」


「はい……」


 遠く離れた場所に座る虎影のもとに、背を曲げながら歩き出す云大。それを横目に、千年はこの戦いのルール説明を始めた。


「いいか? まずルール1、攻撃に制限はなし。なんでもありだ。 ルール2、1対1を2セットではなく、2対1を1セット。ルール3、制限時間は10分の1度キリ。終わったあとに、「もう1か〜〜い」とかは一切受け付けません。わかったかグレン?」


「なんで名指しなんだよ! そのくらいわかってるよ!!」


本当かよ……嫌な予感しかしない……。


「ルール4、まぁないとは思うけど、10分経って終わらなかった場合に延長はない。10分は10分。わかったかグレン?」


「だから、なんで名指し?! わかってるって!」


「で、最後に、力の全てを出し尽くせ。遠慮はいらない。思いっきりこい」


「ありがとうございます! 胸を借ります」


相対してみて確信した。2人とも摩瓈爾奠(マリシテン)を倒したことで自信と力がついてる。やっぱり虎影に任せて正解だったな。ーーなら、俺がいまの段階でやれることは……。


「あぁそうそうそれと、こういう形式でお前らとやり合うの初めてだから、一応伝えておくが、」


さっきまでユルユルで、いつも通りどこか抜けてて、ヘラヘラしているそんな千年の雰囲気が一変する。


「俺は本気で殺しに行く。神域内だから本当に死ぬことはないが、痛みや記憶、恐怖というものは元の体に戻っても残り続ける。だから1つ、お前らのボスとしてアドバイスしとくが……死にたくなきゃ、死ぬ気で抗え」


摩瓈爾奠(マリシテン)と比べることすら烏滸がましいほどの、感じたことのない圧。

 それは、遠くにいるはずの云大ですら慄くものだった。


「と、、虎影師匠先輩……」


「大丈夫じゃ。この距離なら巻き添えに合うことはない(多分……)」


「ですよね……」


な、なんてプレッシャーだ。これが千年先輩の……


「千年先輩の本気、しかとこの目に……」


「はっは(笑) 何を言うとる。千年が本気を出すわけなかろう」


「え?」


「あんなめんどくさがりは他におらん。グレンとキゼルの相手をするのに、本気を出すわけがない」


待て待て、グレン先輩とキゼル先輩の2人を相手に本気を出さない!? 嘘だ……


「じゃあ、本気を出さずに10分で2人を?

……いやいや、それは流石に無理があります」


此方(コチ)より強いと言ってもか?」


「え!? 虎影師匠先輩よりも?!」


「まぁ戦ったことはないが、恐らく本気でやり合えば、此方など千年の足元にも及ばんじゃろうなぁ」


ま……マジかよ……


「まぁそれは今からの戦いを見とけばわかることじゃ。じゃからよぉ見ておけ。1秒たりとも目を逸らすでないぞ」


「は、はい!!」



************************



「よぉ〜〜し、準備運動終わりぃ!! いつでもいいぜ千年!」


「はぁ? お前待ちだよバ〜〜カ。準備終わったならさっさと来い」


「ホッホ、ではこの戦い、此方が審判をさせてもらう。ルールはさっき説明した通り。力の限りを出し尽くし、全力で頑張りたまえ」


 そう述べると、向かい合う両者の間、頭上に「10:00」と表記された文字が浮かぶ。


「ーーそれでは……始、」


「先手必勝!!!!」


 虎影の合図を待たずして、グレンは『火楼羅炎(カルラエン)』を発動。


炎を纏いながら千年の頭上に飛び出し、


絶戯(ゼツギ) 『大炎柱(ダイエンチュウ)』」


 千年の地面から燃え轟く巨大な炎の柱。

不意打ちが功を奏したか、千年に避ける暇を与えず、彼は一瞬にして炎の中へと飲み込まれた。


「キゼルGOGO!!」


「わかってる!!」


 間髪入れず叩き込む。それが今回の2人の戦法。

未だ炎が燃え轟く中、キゼルも『霳鳴霅 ( リュウメイトウ)』を発動し、雷を纏う。


「千年様、不意打ち失礼します!!

ーー絶戯 『瞬迅咆哮(トールデルエノトルス)』」


大炎柱に向かって放出される雷の咆哮。

その威力で、炎の渦は掻き消され、辺り一帯に雷音(ライオン)が響き渡る。


「っしゃナイス!! まだまだ行くぜ!!」


手を休めることなく、グレンは拳に炎を集約させ、千年のいるであろう場所に向かって飛び出す。


「絶戯 『火葬灰焃(カソウハイキャク)』」


 ※火葬灰焃

全身の炎を拳のみに集約させ、火力を最大まで上げた殴打。触れた箇所から発火し、灰となる。


 グレンの動きに合わせるように、キゼルは『瞬迅咆哮(トールデルエノトルス)』を解除。それによって、雷の渦はなくなる。


流石の千年でもこれ食らったら溶けてなくなるだろ!! 心痛ぇけど勝負だからな、遠慮なく行くぜ!!!!


 猛スピードで飛び出したグレンは拳を振り下ろす。すると、拳が何かに直撃する。それにより、神域内にとてつもない衝撃音が響き渡る。


「おぉ凄ぇ!! お2人とも強すぎる! やっぱり幾ら千年先輩でも2人相手は…… え……」


 遠くから戦況を見つめ、はしゃぐ云大であったが、殴ったはずのグレンが拳を押さえながらうずくまる姿を見て言葉を失った。


「ーーったく、お前のことだから不意打ちしてくるとは思ってたけどさ。あんないきなり絶戯ぶっ放すか普通? 俺一応、お前らのボスだよ? 本気で来いとは言ったけどさぁ、最初くらい遠慮しろよ」


消えた渦の中から姿を見せた千年の周辺を囲う薄黒い球体。

 グレンはそれを殴ったことで弾き返され、拳を痛めたのだ。


「虎影師匠先輩、あれなんですか?」


「ーー『拒絶(キョゼツ)』。 あらゆるものを弾き飛ばし、千年自身を守る防御壁じゃよ。まぁ簡単に言うと"バリア"みたいなもんじゃ」


 ※拒絶(キョゼツ)

千年の絶戯の一種。虎影の説明通り、薄黒い球状の強固なバリア。拒絶以上の力でなければ、破壊されることはない。

また、『拒絶』は自身以外のものにも発動できる。

⇒半径約15メートル以内に限る。


「ッッテェェェェェ゛!! んだよそれ! 卑怯すぎだろ!! つうか無傷じゃん!」


「ははっ(笑) 何を言うかと思えば……。なんでもありって言ったろ?」


「言ったけどさ……」


みっともなく地べたに尻をつきながら文句を垂れるグレン。

 それを見てか、キゼルはすぐに動き出す。


「退けクソグレン! 遊びじゃねぇぞ!!」


飛び出したキゼルは千年の上空に移動し、


「絶戯 『落雷(ルカ)』」


 1本の凄まじい落雷が、千年の頭上から放たれ、『拒絶』に激突する。それにより、再び激しい爆音が響き渡る。


「おいアホ! いつまで座ってる。こんな貴重な機会、もうあるかもわからないんだぞ? 時間がない、さっさっと動け!!」


「わかってるよ!!」


「まずはあのバリアをなんとかする。一旦距離を取れ!」


2人は退避し、千年から距離を取った。


ふむふむ、さすがはキゼル。だが、いまのお前らじゃ『拒絶』は破壊できない。……うん、これは確かにちょっと卑怯かもな。それに、俺もすぐ終わらせると啖呵切ったわけだし。っしゃあ!! 俺も動きますか。


「バリア破壊って、どうやる? 絶戯あんだけ打ち込んで無傷だぞ?」


「その心配はいらない。恐らく千年様はあのバリアを解く」


「ふぇ? なんでだよ! あん中いたら無敵じゃん! 態々(ワザワザ)でてくるか?」


「アホだな。千年様は早く終わらせたいんだぞ? 出てくるに決まっ、」


「そうそう、俺はすぐにでも終わらせたいの。さすがキゼルはよくわかってるねぇ〜〜」


2人の目の前にある『拒絶』内、確かにそこに千年はいるし、一瞬たりとも目を逸らしてない。なのに何故背後から彼の声が…… 驚きと恐怖により、反射的に2人は振り返りながら後ずさる。


「あはは! ビビりすぎだろ(笑)」


そこには腹を抱えて笑う千年の姿。


「おま……お前!! いつの間に……ってえぇぇ?! あそこにいる千年は千年じゃないのか!!?? え、待て、パプリング(ハプニング)……」


『拒絶』内にいる千年と、いま目の前にいる千年。

彼が2人いることに、あのキゼルですら驚きを隠せずにいた。


「反応おもろ(笑) あれはお前の神通力パクっただけだぞ?」


「俺の神通力? ……あ、幻炎火(ゲンエンカ)か?」


「そそ! これで不意打ちする予定だったけど……反応がおもろすぎて(笑)」


 ※幻炎火(ゲンエンカ)

生み出した炎に更に神力を捏ねてもう1人の自分を作り出す力。


「い、いったい、いつからで仕込んでたんですか?」


「いつ? んなもん、神域入った瞬間からだよ。ここに来た時点で戦いは始まってるのどぅえす」


「なるほど、1本取られました」


 千年は神域に入った瞬間に幻炎火(ゲンエンカ)を発動させていて、虎影のスタート合図と同時に、"ある"力を使って、自分の位置と幻炎火(ゲンエンカ)で作り出したもう1人の位置を入れ替えていた。


「向かい合ってからが勝負の始まりじゃない。そこに至るまでに、あらゆるパターンを考え、実践する。

過程という地道で面倒でウザい作業こそ、勝鬨への大きな一歩である(by.虎影)」


「さ、流石です千年様!!!!」


「んだよそれ! さっき俺の不意打ちに文句垂れてたくせに!」


「文句言うのは勝手です〜」


あぁ、にしても気が抜けた。本当は幻炎火(ゲンエンカ)で奇襲かけて、キゼル(ブレーン)を戦闘不能にするつもりだったけど……。まぁいいや、あと8分。


「ーーじゃあそろそろいきますか」


 千年の猛攻が始まる。

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